清の時代の広州に創業した老舗の上海支店。本場の広東料理と飲茶を楽しもう。
こんにちは、上海ナビです。
今日ご紹介する「陶陶居」は、2020年初春現在の上海でもっとも注目されている広東料理店。場所は定番観光地「新天地」なのですが、連日のように事態を知らない一般旅行者が「なにごと!?」とびっくりするほどの行列ができています。オープンしたのは2019年秋。本店は1880年に創業した広州の老舗だそう。どんなお店なのか、なぜこんなに行列ができているのか、早速出かけてみることにしましょう〜。
「陶陶居」へ行こう!
「陶陶居」があるのは、上海を代表する観光スポットの一つ「新天地」の敷地内。行き方はこんな感じです。
2020年現在、人民広場の「新世界」の7階にもお店があります。どちらも旅行者に行きやすい場所♪
広州の老舗です
☆
「陶陶居」とは?1880年(清代)に広東省広州市で創業した茶楼です。当時はレストランというよりも、お茶やお酒を飲みながら語らう場所という感じだったそうで、魯迅、巴金、劉海粟など近代の文人墨客たちも訪れていたといいます。中国人が広州旅行をしたときに必ず訪れる店としても有名で、2019年の上海店オープンは大きな話題になりました。よく「食は広州にあり」といいますが、「陶陶居」はその広州の食を語るにははずせないお店なのです。
が、2020年現在慢性的な混雑が続いており、予約も取らないシステムにしているそう。ランチは10時前、ディナーは16時半から並んだ順に整理券が配られます。ナビが訪れた日は、お昼の時間帯に既に16時半の行列に並んでいる人もいました……。早めに行って整理券を受け取り、「新天地」内の散策で時間を潰すのがいいかも。受付のパネルで現在呼ばれている番号がわかります。
お店の前に人だかりが
|
|
16時半の整理券の列。ぎっしり並んでます
|
平日の朝と午後は人がやや引きます
「並ぶ時間はない」という方は、平日の15時ごろに来店を。待ち時間10分ほどで入れます。飲茶でおやつを楽しむのがお勧め(またはランチを午後まで我慢する)。ただし制限時間があるのでのんびりはできないかもしれません。2020年現在の上海では、「地元で大人気のおいしい店」に行こうと思うとけっこうな苦労が必要になります……。
本場の広東料理を食す
メニュー。翻訳アプリがあると便利
オーダーは、飲茶や広東料理のお店によくある記入式です(写真を見たい場合はメニューをもらいましょう)。食べたいものにチェックをして店員さんに渡せばOK。
濃くておいしいプーアール茶
その後店員さんが口頭でお茶のオーダーを取りに来ます。この日は「菊花とブーアール」とのことだったので、プーアールを選びました。お茶代は一人分8元(半個室席の場合は15元)です。お湯はどんどん注ぎに来てくれます。メニューは炒め物から点心、ローストダック、煮込みスープなどとにかく種類豊富。そのなかからナビのお勧めを選んでみました。
大根の漬物です。中華風味
爽脆羅卜条(23元)
まずは冷菜から。大根の中華風漬物です。甘口の醤油風味で日本人好みの味。お酒にも合いそうです。
エビの旨みたっぷり
陶陶居大蝦餃(35元)
「陶陶居」の看板メニューの一つ、エビ蒸し餃子です。濃厚な風味のエビがぎっしり詰まっていて満足感たっぷり。純粋にエビの味を楽しむための点心なので、醤油やお酢にはつけないで味わって。お店側も自信があるためか、調味料は出しません。
具がギュウギュウ
黒魚子香菇焼売皇(32元)
上にキャビアがトッピングされたキノコシュウマイ。こちらも調味料なしで素材の旨みを存分に味わいましょう。「原味(素材の味)」で勝負しているかどうかが、広東料理の基本だそう。
口のなかがいっぱいになってしまうほど大ぶりのホタテ
黒松露煎帯子(98元)
こちらも「陶陶居」の看板メニューの一つ。大ぶりで肉厚なホタテをソテーし、旨みたっぷりのタレとトリュフソースをのせた逸品。口いっぱいにホタテとトリュフの風味が広がります。オイスターソースやアワビだしの風味を感じるこのタレも香ばしくて美味。広東料理、やっぱり中華の中でいちばんかな……。
斬新〜
氷鎮咕老肉(88元)
上海店で現在人気No. 1というのがこれ。なんと、冷やし酢豚です(日本に伝わっていない中華料理、まだまだたっくさんあるんですね)。最初は「氷が溶けないうちに食べないと!」と思ったのですが、冷たくなると餡の絡んだ豚の衣がさっくさくに! 未知の世界を楽しめます。黄色いのはパイナップルではなくマンゴーです。
シンプルなおいしさ
姜汁炒潮州芥蘭苗(42元)
野菜料理も一品。ショウガで炒めたカイラン(カラシナの一種)です。シンプルな塩味でいくらでも食べられるおいしさ。カイランのザクザクの歯ごたえにハマります。
鉄板デザート
順徳大良双皮奶(32元)
広東料理のデザートといえばこれ。マンゴープリンでもタピオカでもなく双皮奶(ミルクプリン)です。特に順徳の地名がつくのが有名ですよね。びっくりするほど濃厚です。冷たいのと温かいのが選べるので好みでどうぞ。子供も大好きな味です。
いかがでしたか? 気になる料理はあったでしょうか。この記事を読んで、「あー、あの人だかりはこの店だったのか」と思った方もいるかもですね。これから行く方は、ぜひ時間帯を工夫してお出かけを。万が一混みすぎで入れなかったときのために、近くに第二希望のお店を見つけておいたほうがいいかもしれません。
以上、上海ナビがお伝えしました。