上海の映画製作史を伝える大型ミュージアム。往年の名作の舞台裏を見学しよう。
こんにちは、上海ナビです。
中国といえばアメリカに続く映画大国。特に上海は、戦前から多くの映画制作会社が設立され、さまざまな作品が撮影されてきた街です。今日ご紹介するのは、そんな上海の映画史をテーマにした「上海電影博物館」。中国映画や映画製作の裏側に興味がある方はもちろん、上海の近代史を知りたい人にもお勧めの大型博物館です。どんな博物館なのか、早速出かけてみることにしましょう〜。
「上海電影博物館」へ行こう!
①「徐家匯」駅2号出口を出ます。ほかの出口を出ると遠くなってしまうので注意
「上海電影博物館」があるのは徐家匯エリア。最寄駅の地下鉄1、9、11号線「徐家匯」駅から歩いてすぐの場所にあります。
入り口です
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「上海電影博物館」とは?2013年にオープンした上海の映画史博物館です。1930年代に稼働していた映画製作所「上海電影制片厰」の跡地に建てられたもので、制作会社から映画館、撮影所など映画に関するさまざまな事業を手掛けているグループ企業SFC(上海電影集団)のビルを併設しています。映画製作の専門家側が作った博物館ということですね。規模は4階建てで約1.5万平米。チケットは一般60元です(学生30元、70歳以上と身長130cm以下の子供、6歳以下の子供は無料)。
※入場時にパスポートの提示を求められることがあります。
見どころ盛りだくさん♪
展示フロアの入り口は4階にあります
それでは早速見ていきましょう。館内は、最初にエレベーターで4階に上がってからエスカレーターで下りていく順路になっています。SNS映えしそうな展示も盛りだくさんで、内部の撮影は自由にできるようになっています。皆さんにはぜひ実際に来ていただきたいので、詳しさ半分くらいでお伝えしますね。ぜひ現地でもたくさんの発見を楽しんでください。
※2020年現在の館内の様子です。特別展の開催などで展示物が変わることがあります。
4階:光影記憶(上海の映画史)
上海の戦前から現代までの映画制作に関する展示。導入部には、現在も活躍する映画人たちのパネルが。
黎明期から現代までの映画人たちを紹介するパネル
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ウォン・カーウァイ、チャン・イーモウ、コン・リーなど、有名な顔も
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3階:影史長河(各ジャンルでの発展)
黎明期から近代までの撮影機材の発展、音響効果の変化、中国アニメの黎明期などを伝える展示。映画会社が使っていた本物のカメラなどを多数展示しています。
大スクリーンで歩みを紹介するコーナー
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歴代のカメラを展示
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特殊メイクの技術を紹介するコーナー
2階:電影工場(制作と技術)実際に撮影に使われた衣装、特殊メイクの技術などを展示。一角には見学者がそれらの技術を学べるワークショップのコーナーもありました。ほか、ナビが訪れたときは準備中だったのですが、特別展を開催するスペースも。過去には北野武展なども開催したそう。
撮影に使われた衣装や小道具がぎっしり
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左は『画魂』で、右は『上海ルージュ』でコン・リーが着た衣装
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1階:栄誉殿堂(中国映画の功績)
蝋人形で再現した実物大の撮影所や、これまでSFCが受賞した映画賞のトロフィーなどが展示されています。
1階にはミュージアムショップもあります。オリジナルのマスキングテープや、意外にかわいい昔の中国アニメグッズはお土産にもいいかも。
スターバックスが入っています
出口にはオリジナルデザインのスターバックスが。ここだけを利用する場合は入場料不要とのこと。出口には見学者が自由に書き込めるノートが設置されているので、コーヒーを飲みながら感想をしたためてみては。
そのほか、館内のシアターでは往年の名作を上映していることがあります。中国語力に問題のない方はぜひ鑑賞を。入場チケットの代金にはシアターでの鑑賞代も含まれています。
いかがでしたか? 映画の博物館というと往年のスターにスポットを当てたものが多い気がしますが、「上海電影博物館」はとことん制作側や技術の専門家に焦点を当てたお仕事系博物館。「憧れの世界」というより「一つの職業」として捉えることができるので、より映画を身近に感じることができました。ぜひ皆さんも、上海映画の世界に触れてみてください。
以上、上海ナビがお伝えしました。