ローカル食堂へGO! その2

中国語はできないけど地元の食堂で餃子が食べたい!!

こんにちは、上海ナビです。先日、日本から上海に遊びに来ていたナビの友人が、いきなり「餃子が食べたい!」と言い出しました。中国といえば餃子!・・・・間違ってはいませんが、外国語も通じるような中華料理のレストランでいわゆる「餃子」というメニューはあまり目にしません。中国における餃子の位置づけは家庭料理の代表格。中国東北部や西安など餃子が名物の地域ではまだしも、上海など南部の都市では「中華料理のレストラン」といった雰囲気のお店ではメニューに無いことがほとんどです。上海で餃子が食べたくなったら庶民派のお店に行くのが一番の近道!ということで、中国語がまったくできない友人と一緒に地元系食堂に餃子を食べに行ってきました。果たして、中国語の読み書き会話は全くできなくてもローカルのレストランで食事ができるのか?頑張れ友人!
やって来たのはナビのお家のそばにあるローカル餃子屋さん。友人曰く、「店名が既に読めない・・・・」。ま、簡体字(中国で使用されている漢字)ですので、それは仕方がありませんね。

大陆东北饺子城  ⇒ 大陸東北餃子城
どうですか?言われてみればそう読めなくもないのでは?ついでに、「大陸」はもちろん中国大陸、「東北」は中国東北部にある三つの省(遼寧省、吉林省、黒竜江省)のことを指します。東北三省は餃子の発祥地とも言われ、上海では「東北餃子」のお店をよく目にするんですよ。

~お店の中をのぞいてみましょう~

特に飾りも無い店内はどことなく殺風景ですが、テーブルなどは新品で清潔感があります。窓が大きく太陽光がたっぷり差し込んで、のんびりとした雰囲気ですね。
お店に入ってすぐ左手にはサントリーのビールが箱で詰まれていました。中は全て空き瓶です。一箱12本入りが12箱ということは・・・・144本!!いったい何の宴会が開かれたのでしょうか。
友人の感想は「どうでもいいけど、なんでこんなに店員さんが多いの?」。うーん、確かに、お昼も少し過ぎたこの一番暇な時間帯にこれだけの数の店員さんがいるというのは、少し変わっているかも・・・・
お店のすぐ脇ではご近所に住んでいるお爺さんとお婆さんがおしゃべりに夢中。自転車のお兄さんは配達に出かけるところです。ローカルのレストランならではの光景、なんだか和みませんか?

~さあ、注文だ!~

メニューには当然のごとく、漢字と数字(値段)しかありません。メニューを見ながら黙り込む友人・・・・「ダメ。ぜ~んぜん分かんない。私さ、漢字テストとか本当にできなかったんだよね」。大丈夫、ナビもできませんでした。なのに、なぜか今は漢字しか使わない国にいます。頭から分からないと決め付けずに、もうちょっとゆっくり眺めてみて!
10分ほど悩んだ末、友人が選んだのは下記の5品でした。
1. 东北水饺 ・香菇青菜馅 →「青菜」が入っていると思われる
・白菜肉馅 →「白菜」が入っていると思われる
・蘑菇肉馅 → 一番初めのモゴモゴした字(蘑)が気になる
2. 鱼香茄子 →「魚」と「茄子」のお料理では?
3. 木须肉丝 →「木須」って何なのかが知りたい!
4. 西芹百合 →「芹(セリ)」ってなんかお野菜だよね?あと「百合」ってユリの花?
5. 咸肉冬瓜汤 →「冬瓜」が好きなので。そして「湯」は確かスープのことだったような。
テーブルの上には黒酢、唐辛子を漬け込んだラー油など、お馴染みの調味料が置かれています。中国では食後の必需品、爪楊枝の姿も。
テレビに見入る店員さん。こちらのお嬢さんは「春眠暁を覚えず・・・・」。人数が多い割にはどことなく行き届かない感じのサービスもローカルレストランならではです。
お箸やお椀など、必要なものがあったら店員さんに声をかけましょう。(繰り返しますが、店が忙しい忙しくないに関わらず、黙っているとあまり構って貰えません!)中国語のできない友人、どうするのかなと思っていて眺めていたら、他のテーブルの上にセットされていた食器を「これこれ」と指差して持ってきて貰っていましたよ。賢い!
ちなみに、一昔前までは「中国の少し安いレストランに行くときにティッシュは必需品」というのが常識でしたが、最近はペーパーナプキンだって頼めば出てくるようになってきました。ペーパーナプキンは中国語で「餐巾紙(ツァンジンジー)」と言います。覚えておきましょうね!

~お料理がやってきました~

1. 东北水饺
まずは水餃子。さすがにこれは予想通りのものが出てきました。ちなみに「水饺」は水餃子のこと。日本で餃子というと焼き餃子のことですが、中国では普通「水餃子」です。たくさん種類がある(こちらのお店では13種類!)具の中から、ナビの友人が選んだのは以下の3種類です。
<香菇青菜馅> 2元/両 <br>
「香茹」はシイタケ、「青菜」はまさに普通の菜っ葉のこと。お味は「あっさりとした感じで食べやすい」そうです。

<香菇青菜馅> 2元/両
「香茹」はシイタケ、「青菜」はまさに普通の菜っ葉のこと。お味は「あっさりとした感じで食べやすい」そうです。

<白菜肉馅> 2元/両 <br>
「白菜」もやはり白菜、こちらは豚肉と白菜の具です。豚肉がジューシーで美味しい!

<白菜肉馅> 2元/両
「白菜」もやはり白菜、こちらは豚肉と白菜の具です。豚肉がジューシーで美味しい!

<蘑?肉馅> 2.5元/両 <br>
こちらはキノコと豚肉。気になっていたモゴモゴした字(蘑)はキノコのことでした。ちなみにこちらで餃子を数える単位は「両」。一両は50g、こちらのお店では1両=水餃子6個です。

<蘑?肉馅> 2.5元/両
こちらはキノコと豚肉。気になっていたモゴモゴした字(蘑)はキノコのことでした。ちなみにこちらで餃子を数える単位は「両」。一両は50g、こちらのお店では1両=水餃子6個です。


2. 鱼香茄子  12元
お次は「魚香茄子」、ナスはナスでもマーボー茄子でした。「魚香」は残念ながらお魚のことではなくピリ辛の味付けのこと。内陸部に位置し海鮮の珍しい四川省で、魚に似た旨みを引き出すために考え出された味付けだそうです。こちらの「魚香茄子」は、味付けは濃い目ですがピリ辛度は抑え目で日本人にも食べ易いお味。
米饭  1元 <br>
「マーボー茄子にはご飯が食べたい!」という友人たってのリクエストでご飯を頼むことに。白いご飯は「米飯(ミーファン)」と注文してください。それにしても、すごい盛りですね・・・・ 
米饭  1元 <br>
「マーボー茄子にはご飯が食べたい!」という友人たってのリクエストでご飯を頼むことに。白いご飯は「米飯(ミーファン)」と注文してください。それにしても、すごい盛りですね・・・・

米饭  1元
「マーボー茄子にはご飯が食べたい!」という友人たってのリクエストでご飯を頼むことに。白いご飯は「米飯(ミーファン)」と注文してください。それにしても、すごい盛りですね・・・・


3. 木须肉丝  16元
卵、豚肉、キクラゲ、ニンジン、キュウリの炒め物。キノコや野菜がたっぷり入った栄養満点の一品です。「木須」は「木犀」とも書き「キンモクセイ」の正式名称。転じてお料理では「煎り卵」が入ったメニューを指します。煎り卵をキンモクセイの花に見立てるなんて、なんだかロマンチックですね。

4. 西芹百合  12元
中国語で「芹菜」はセロリのこと、「百合」はユリネでした。セロリとユリネの炒め物は強火で仕上げられシャキシャキ!塩のみのシンプルな味付けで、ユリネの甘みが引き立ちます。

5. 咸肉冬瓜汤  8元
「咸」は塩辛い味付け、「咸肉」は塩漬けの肉やベーコンを指します。「冬瓜」は予想通り冬瓜、そして「湯(タン)」はスープ。薄めの塩味で仕上げられたベーコンと冬瓜のスープはお肉のダシがしっかりと効いて、どんなお料理ともよく合います。

いかがでしたか?ナビの友人は本当に中国語が全くできません。もちろんナビがヒントを出したりお手伝いをしたりしたところもありましたが、基本的にメニューは全て自分で決め、指差しで注文し、支払いも金額を紙に書いてもらって済ませていました。中国語ができなくたって、ローカルのお店に行くことはできるんです!もちろん何だか分からず注文して変なお料理が出てくることもありますが、この安さなら諦めもつくというもの。むしろ、日本ではなかなかできない経験を楽しんじゃいましょう。皆さんも、中国語ができるできないに関わらず、一度は地元の庶民派食堂に足を運んでみてください。高級中華レストランでは絶対に出会えないような一品が見つかるかもしれませんよ!以上、ご案内は上海ナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2007-03-30

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