ちまき作りにトライ!

中国伝統・家庭料理にトライ☆シリーズ第1弾!端午の節句に欠かせない“ちまき”作りに挑戦!

中国に伝わる伝統料理や家庭料理を自分で作ってみよう! という新企画がスタートしました。トップバッターは、上海ナビに度々登場しているさおリンです。みなさん、こんにちは!
いや~普段料理らしい料理をしない私だけど、大丈夫なのかな? と不安な気持ちを抱えつつ挑戦したのは、ちまき! 中国語で言うと、粽子(ゾンヅ)ですよ!

なぜ今回ちまきに挑戦するのかというと、もうすぐ端午の節句だからです。え? でも端午の節句って5月5日でしょ? もう過ぎてるじゃん! と画面にツッコんだ推定302人の皆様、残念でした! ここ中国では、今現在でも端午の節句 = 端午節 (ドゥァンウージエ) と言えば、旧暦の5月5日 (今年は6月8日) ! そして端午節には、みんなこぞってちまきを食べる風習があるのです。

【なんでちまきを食べるの?】
昔々、楚の国の屈原 (BC340~278) という詩人が、国の行く末を嘆き62歳の時に川に身を投げました。彼の死を悲しんだ民達は、彼の遺体が川に住む龍に食べられないように、ちまきを川に投げ入れました。以来、彼の命日に弔いの意味をこめて、今でも毎年旧暦の5月5日にちまきを食べるそうな。

ちまきを作った経験はおろか作り方さえ知らない私は、料理上手の人に教わるしかない! という結論にたどりつき、私が留学時代からお世話になっている胡阿姨 (フーおばさん) にヘルプを求めに来ました! かっぽうぎまで借りちゃった♪
■ まずは材料の買出しへ
肉も野菜も何でも揃うってことで、胡阿姨の家の近くのカルフールに来ました。
野菜は、パック売りのもの以外は、量り売りが基本なんですよ。買いたい分を透明の袋に入れて、秤コーナーへ行くことをお忘れなく! ちなみにボードに書かれている値段は、500g (一斤) 当たりの価格がほとんどです。
おっ! 惣菜コーナーでちまきを発見! これが完成形ね、フムフム…。よし! 頭に焼き付けた! ちまきといえども、豚肉入りや小豆入りやいろいろありますが、今日はオーソドックスに豚肉のちまきを作りますよ!

ちまきを包むために使う笹の葉がスーパーに無かったので、市場にやってきました。市場の品揃えはスーパーに負けず劣らずで、とっても新鮮&リーズナブル! ただ、100%と言ってもいいほど中国語しか通じないので、中国ビギナーの人にはつらいかも? でも市場での買い物は楽しいですよ。身振り手振りで頑張れば、なんとかなっちゃいます!
笹の葉がありました! 500gで3元です。ところで、野菜の値段はどうやって聞けばいいのかというと、「一斤多少銭 (イージンドゥオシャオチエン)?」 もしくは 「这个怎么卖(ヂェガゼンママイ)?」 と言えば500gの値段を教えてもらえます。しかしそれが安いのか高いのかよくわからなかったりするんですが(笑)、中国スタイルの買い物を楽しんじゃいましょう。

~豚肉のちまき作りにトライ!~

ちまき作りにトライ! ちまき作りにトライ!

■ まずは、お肉の下ごしらえ編 ■

1. 脂身と赤身が層になっている 「五花肉(ウーホァーロウ=日本語ではバラ肉/三枚肉、韓国語ではサムギョップルですね)」 をまず水できれいに洗います。脂身の毛が気になるなら、包丁でシャッシャッとこそぎ落としましょう。

1. 脂身と赤身が層になっている 「五花肉(ウーホァーロウ=日本語ではバラ肉/三枚肉、韓国語ではサムギョップルですね)」 をまず水できれいに洗います。脂身の毛が気になるなら、包丁でシャッシャッとこそぎ落としましょう。

2. 五花肉を2cm×5cmくらいの大きさに切っていきます。こうやってみると脂身のボリュームがすごいなぁってひいちゃうかもしれないですけど、肉のちまきはこの脂身が肝心なんです! 関係ないですが、中国家庭ではやっぱり中華包丁を使うんだ~ってちょっと感動。

2. 五花肉を2cm×5cmくらいの大きさに切っていきます。こうやってみると脂身のボリュームがすごいなぁってひいちゃうかもしれないですけど、肉のちまきはこの脂身が肝心なんです! 関係ないですが、中国家庭ではやっぱり中華包丁を使うんだ~ってちょっと感動。

3. ここで登場するのが老抽 (ラオチョウ)! こってりコクがあるのと濃い色が特徴の中国版たまり醤油ですね。カラメルが入っているのでちょっぴり甘いんです。

3. ここで登場するのが老抽 (ラオチョウ)! こってりコクがあるのと濃い色が特徴の中国版たまり醤油ですね。カラメルが入っているのでちょっぴり甘いんです。

4. その老抽を、切り終った五花肉の上にかけていきます。胡阿姨は軽量スプーンなんて使わず、ドバドバっといきます。

4. その老抽を、切り終った五花肉の上にかけていきます。胡阿姨は軽量スプーンなんて使わず、ドバドバっといきます。

5. 生姜と万能ネギをみじん切りにしたら、五花肉の上へ。

5. 生姜と万能ネギをみじん切りにしたら、五花肉の上へ。

6. 塩・うまみ調味料・チキンパウダーをふりかけます。

6. 塩・うまみ調味料・チキンパウダーをふりかけます。

7. さらに黄酒 (紹興酒) をかけたら、よ~く混ぜ合わせます。お肉に味をしみこませるため、このまま2~3時間漬け込みます。

7. さらに黄酒 (紹興酒) をかけたら、よ~く混ぜ合わせます。お肉に味をしみこませるため、このまま2~3時間漬け込みます。

■ 笹の葉 準備編 ■

1. 買ってきた笹の葉は、水洗いしたあと、一枚一枚ふきんで拭いてきれいにしておきます。

1. 買ってきた笹の葉は、水洗いしたあと、一枚一枚ふきんで拭いてきれいにしておきます。

2. 底が深めのフライパンか鍋に笹の葉とたっぷりの水を入れ、フタをして約10分間強火~中火にかけます

2. 底が深めのフライパンか鍋に笹の葉とたっぷりの水を入れ、フタをして約10分間強火~中火にかけます

3. 蒸しあがった笹の葉はとってもいい香り&しなやかになりました! 鍋から引きあげて、冷水につけておきましょう。

3. 蒸しあがった笹の葉はとってもいい香り&しなやかになりました! 鍋から引きあげて、冷水につけておきましょう。

■ もち米準備編 ■

1. もち米を磨ぎます。もち米は、中国語で “ 糯米 ヌオミー ” ですよ。

1. もち米を磨ぎます。もち米は、中国語で “ 糯米 ヌオミー ” ですよ。

2. サラダオイルを一周ぐるっと細くかけ、よく混ぜ合わせます。その後、塩をひとつまみパラパラとかけて、さらに混ぜ混ぜ。

2. サラダオイルを一周ぐるっと細くかけ、よく混ぜ合わせます。その後、塩をひとつまみパラパラとかけて、さらに混ぜ混ぜ。

3. 五花肉をつけこんでいたタレを登場させます! もち米の上にタレだけをまんべんなくかけてくださいね。間違ってお肉まで一緒に混ぜてしまわないように!

3. 五花肉をつけこんでいたタレを登場させます! もち米の上にタレだけをまんべんなくかけてくださいね。間違ってお肉まで一緒に混ぜてしまわないように!

4. これでもかっていうほどよ~く混ぜ合わせます。

4. これでもかっていうほどよ~く混ぜ合わせます。


■ いよいよ、ちまきを包みます!
本日のメインイベントである、ちまき包みタイムがやってきました。まずは胡阿姨にお手本を見せてもらいましょう。
笹の葉を3枚とり、くるりんと三角形にセットします。葉っぱの大きさによって、使用する枚数は調節してくださいね。ポイントは、笹の葉をそれぞれ半分の幅くらい露出させるつもりで重ねて持つこと。凹面が内側になるようにしてくださいね! 葉っぱのでっぱりがあるのは外側ですよ!

そのまま片手に笹の葉を持ち、もう一方の手で、もち米を三角形の3分の1まで入れます。スプーンでぐいぐいしながら、ギッシリ詰めていきましょう。五花肉を1つ、入れます。
五花肉が隠れるように、上からもち米を詰めていきます。ギリギリまで入れちゃってください。

笹の葉の向きに沿うように、巻きあげていきます。ここで重要なポイントは、“ 笹の葉を押しあげながら包む ” ということ! 葉っぱが切れちゃうので、絶対に引っ張っちゃだめですよ。指を添えて、ぎゅっぎゅっときつく巻いてくださいね。
もう1枚笹の葉を使って上から包みこんだら、たこ糸で、縛ります。
● 私もトライ! ●
胡阿姨に手取り足取り教えてもらいながら、真剣に挑む私。ちまきを包むのって、思っていたよりずっと難しい! どうしても緩くなっちゃうんです。でもたーのしい~!
ハイ、これ (右上の写真) が私のちまきと胡阿姨のちまきです。胡阿姨のちまきは綺麗な三角錐なのに、私のときたら、ぺしゃんこおにぎり型。たこ糸も、何も考えずにグルグル巻きつけたので、ちょっとホラー。

■ 茹でます! ■
鍋にちまきを入れます。ちまきがすっぽり隠れるくらい、水をたっぷり入れて、塩を少々ふりかけたら、フタをして強火にかけます。
沸騰したら、弱火にして、約8時間茹でます(もう少し短い時間で茹でる家庭もあるようです)。ちょっと一瞬気が遠くなるような時間ですが、おいしいちまきのためならば…! 途中で差し水をしながら、気長に待ちましょう。それにしても、蒸すのではなく茹でるんですねー。
じゃーん! 約8時間後、完成しました~! 見た目にはちゃんと出来上がっているのか謎なのですが、笹の葉の色が味のある色に変化していますねぇ。
■ いただきます!
おお~。ちゃんとふっくら!胡阿姨の言っていたとおり、五花肉の脂身のトロトロ具合がいい感じです。実は今回、急いで作ったため肉をタレに15分くらいしか漬け込まなかったんですけど、それでも十分味がついていておいしかったです。もっと漬け込んでいたら、どれだけおいしくなっちゃってたのかな?
自画自賛ですけど、初めてにしてはとってもおいしく出来たので、みんなであっという間に平らげちゃいました。
中国人の友達に聞いたところ、中国人の若人の間で、ちまきを包める人はほとんどいないんですって。上手か下手かはおいといても、胡阿姨のおかげで一応ちまきを包めるようになった私。イエーイ! 胡阿姨、謝謝依 (上海語でありがとう)!
ちまき作りは、難しかったけど面白かったです!
上海にはちまきの屋台もたくさんあるので、私もよく買って食べるんですが、やっぱり自分で包んだちまきの方がおいしく感じるものですね! みなさんも、ファミリーや友達同士でぜひ挑戦してみてくださいね。ちなみに今回の材料費は、約20元(300円)でした!
大~成~功~! というわけで、今回はこれにてお開き。次回もお楽しみに!

その他情報

レポーター: さおリン  年齢: 83年生まれ 滞在歴: 2003年〜 趣味: 歯みがき コメント: 人生は経験!経験は宝!in 上海!!! シリーズ名: さおリンのもぎたて上海直送便 

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-06-05

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