北外灘(ベイワイタン)を歩こう

新旧のコントラストがくっきり!外灘の外白渡橋から東大名路を通って秦皇島路まで、大開発中の今が見られる注目のエリア「北外灘」を歩こう。

こんにちは、上海ナビです。大阪、神戸と上海をつなぐ客船は、今でもたくさんの旅行者に利用されています。5、6年前までは、よく船を利用して上海と日本を行き来していたナビ。船着き場のある北外灘こと東大名路には、2泊3日の船旅で仲良くなった「船友」との別れや、「ここからどうやって市中心に行けばいいの!?」と迷って血の気が引いたことなど、たくさんの思い出が詰まった場所です。船を利用して上海に来たことのある皆さんは、このエリアにどんな思い出がありますか?
そんな北外灘は今、開発の工事が急ピッチで進行中。甲板に洗濯物がたなびく貨物船、ロシア語の書かれた巨大コンテナ、なんだかわからない錆びたドラム缶……。当時、上海に上陸したてのナビを圧倒した物品の数々が、どうやらなくなりつつあるようなのです。今後の都市計画図を見ると、キラキラのビルが建ち並び、巨大観覧車が建つ予定だという北外灘。横浜かお台場か上海か、分からなくなってしまう前に北外灘の「今」をリポートします。

〜北外灘への入口へ〜

北外灘の玄関口は「黄浦路」。この界隈は、最近リニューアルされた築100年を誇る橋「外白渡橋」で有名ですね。
外灘側から橋を渡ると、8〜90年代に日本人バックパッカーのたまり場だったオールドホテル「浦江飯店」があります。このあたりの風景は昔と変わっていないのではないでしょうか。
黄浦江をそのまま道なりに北へと歩くと一気に別世界へ。5つ星ホテル「ハイアット・オン・ザ・バンド」がそびえ立っています。最上階には、水着で楽しめるジャグジープールつきのバーがあるんですよ。
でもここは昔の下町「北外灘」。高いビルの撮影に四苦八苦していたナビを見て、近所のおじさんたちが「おっ、お姉ちゃん、ちゃん撮れる?肩車してやろうか」などと冗談を飛ばします。世界のハイアットホテルが建とうが、昔からの住民たちは健在。「北外灘」、意外とおもしろい街かも!
黄浦路をさらに道なりに進むと、北外灘のメインストリート「東大名路」にぶつかります。
ここを右折すると、「東大名路橋」が。橋から望む風景は、古き良き上海の姿です。

〜新旧のコントラストがくっきりの街並〜

まずは目に留まったピカピカの新しい建物をご紹介しましょう。皆さんが外灘から眺めたことのあるビルもあるかもしれません。
そのすぐ向かいには昔ながらの家屋もあります。近代的なビルが目の前にあるというのに、普通に暮らしている住民たち……。
小さい椅子の上で黒ごまが干してありました。

小さい椅子の上で黒ごまが干してありました。

軒先にあったこのランタン。ほこりまみれだけどカワイイ!

軒先にあったこのランタン。ほこりまみれだけどカワイイ!

びっくりなのは「公平路」です。

びっくりなのは「公平路」です。

こーんなバラックのような廃墟街(まだ住民は住んでます!)のすぐ前に……

こーんなバラックのような廃墟街(まだ住民は住んでます!)のすぐ前に……

バーンとそびえ立つ超高級マンション!これのどこが「公平」路?

バーンとそびえ立つ超高級マンション!これのどこが「公平」路?

〜古き良き港町の風情も〜

船着き場の多い「東大名路」は、古い港町でもあります。取り壊しを免れそうなモダン建築群もずらり。
残念ながら取り壊しが決定してしまった古い家屋も……。そこここで取り壊し作業が行われているので、ほこり対策を万全にして出かけましょう。
かろうじて残っていた倉庫群。横浜の「赤レンガ倉庫」みたいに、取り壊さないでうまくリノベーションしてほしいな。

〜東方明珠の別の顔を発見!〜

黄浦江に沿って走る東大名路は、どこにいても上海のシンボル「東方明珠」を見ることができます。外灘から眺めるのとはまったく違うイメージのテレビ塔に出会えますよ。

駐車場のゲートの向こうに見えました。それはそうと東大名路橋の手前にあるこの駐車場、ほんの数年前までは異臭を放つゴミ処理場でしたよね。

工事現場の向こうにひょっこり。こんな写真、もう来年は撮れないと思います。

がれきに刺さったテレビ塔。「これ、どこから撮ったの!?」なんて言われそうな撮影スポット、皆さんも探してみて下さい。

〜帰りは渡し船で浦東へ出よう〜

東大名路を東へ道なりに歩くと、「秦皇島路」に出ます。そこを右折すると、突きあたりに船着き場が。浦東側に行ける渡し船が出ている埠頭で、なんとたった5角で約10分のクルージングが楽しめるんです。
この改札に5角硬貨を入れれば乗船可能。この渡し場はまだ切符購入不要です。もちろん、交通カードも使用可能。
待合室は実に殺風景。でも、頻繁に出航しているので待ち時間は5〜10分ほど。
船の中はこんな感じです。あくまで庶民の足としての船なので、座席はありません。自転車やバイクは乗ったまま乗船。
でも、窓の外は絶景。隠れた観光スポットでしょ? 夜は19時までやっているので、夜景も楽しめます。
浦東側に着きました。ここからテレビ塔のある陸家嘴まではタクシーで10分ほど。観光やショッピングをして帰るもよし、夕暮れの濱江大道でカフェに立ち寄るもよし。歩き疲れたナビは、そのまま「正大広場」のレストラン街へ夕食を食べに行きました。
いかがでしたか?上海にリピーターの旅行者が多い理由は、半年や1年で街の様子ががらりと変わってしまうからではないでしょうか。上海の魅力は、常に「あのエリアは今後どうなるんだろう」「あのビルは壊されるらしいけど……」なんて考えてしまう、放っておけない街なところだとナビは思っています。皆さんも上海を訪れた際は、開発中のエリアにカメラを持って出かけることをオススメします。なぜって、もう数ヶ月後にはなくなってしまう風景がたくさんあるから。あなたの撮った一枚が、今後の歴史資料にもなるかもしれませんよ。以上、上海ナビがお伝えしました。

その他情報

行き方:地下鉄2号線「南京東路」駅下車。南京東路を東に進み、外灘(中山東一路)に出たら左折します。外白渡橋を渡ると黄浦路に出ます。道なりに進むと東大名路に出ます。徒歩30分。
関連タグ:外灘秦皇島路東大名路外白渡橋

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-06-15

ページTOPへ▲

その他の記事を見る