旅行者のための上海安全情報~中国茶詐欺などケース事例紹介

頻発中の中国茶詐欺の手口とは? 旅行者が実際に遭遇した被害をケース別にご紹介。

こんにちは、上海ナビです。
いくつか海外の都市に滞在したことがあるナビですが、上海はそのなかでも特に治安のいい街だと感じています。夜の一人歩きも問題なくできますし、パトカーが出動する様子なども滅多に見たことがありません。でも、一方で日本人には想像もつかない方法の詐欺行為やスリの被害が多発しているとのこと。特に「シャッター押して→中国茶詐欺」の事例は、何度も何度も何度も注意喚起しているナビ。でも、使い古された手口に日本人旅行者の皆さん、引っかかりすぎです!! しっかり読んで、楽しい旅を!

ケース① 中国茶詐欺

頻発エリア:人民広場、南京東路、豫園商城
キーワード:シャッターを押して下さい、日本語を勉強している、お茶会がある、私も上海に詳しくない
人民広場エリアを歩くときは気を引き締めて!

人民広場エリアを歩くときは気を引き締めて!

<手口>
1、二人組の男女
2011年の夏休みだけで、しかも上海旅行に来たナビの知人だけで3件も発生している多発中の詐欺行為です。「シャッターを押して下さい」「え! 日本人なんですか?」「私たち、実は日本語を勉強してるんです」と、ごく自然な出会いを演出してくるそう。その後、いっしょに観光しつつ仲良くなってお茶会または茶館に誘うという手口です。ナビにこの被害を報告してくれたのは20代の男子。中国茶には興味がなかったのに買ってしまったそうです。いかに手口がうまいかわかりますね。被害者は日本人男性に多いようです。ご注意を。
最新情報
<2012年>
○外灘エリアで同様手口あり。ナビ知人談「メガネをかけた素朴な男女に『シャッターを押して』と言われましたが、撮ろうと思った角度が逆光で、しかも全然意味のない風景の前に立つので『ここでいいの?』と聞いたらOKとのこと。渡されたカメラも使い古しの安物デジカメでうまくシャッターが下りない。撮影が目的ではなく声をかけたことがすぐわかって、早々にその場を離れました」(2012年11月)
<2013年>
「茨城に親戚が住んでいるんです」など、いかにも親しみやすそうな自己紹介をしてくるケースもあり(2013年4月)
○豫園エリアにて、2人組の女性に「シャッターを押して下さい」と頼まれ、茶館に連れて行かれる例が多発中。日本語が話せない、英語での声がけパターンも。被害金額はお茶だけで300元(2013年8月)
<2014年>
○地下鉄10号線「豫園」駅1号出口にて、「青島から来た」という男女に英語でシャッターを頼まれるケースが頻発中。ずっと見ていたという人の話では、旅行者が通りがかるたびに同じ場所でシャッターを頼み、何かに誘っていたとのこと(2014年2月)
<2015年>
○「豫園」駅1号出口で依然日本人被害者が後を絶ちません。英語でシャッターを頼んでくる女性2人組、「青島から来た」という自己紹介の人物に充分気をつけて下さい(2015年4月)
○外灘で「西安から来た」という男女に、シャッターを頼まれたあと、お茶を飲みに誘われたという報告。「西安から来た。1週間の休みで上海を旅している。男性は日本が大好きなデザイナー。森ビルが好きで勉強してる。日本語は3ヶ月勉強したので少し話せる。パソコンは日立を使っている。車はレクサスが好き。名前は劉?、りゅうさん。女性は日本のカートゥーン(ちびまる子ちゃんなど)が好き」これらのことをほぼ一方的に英語に日本語を交えてノートにペンで書きながら話します。男性は優しそうな坊主頭(TKOの木下さんのような)の若者、女性はスラッとした綺麗な若者だそうです(2015年11月)
<2020年> 最新版‼︎
○街での声がけが、SNSや出会いアプリ、ネット掲示板に移行しています。「日本人の友達がほしい」「日本に住んだことがある」「上海のことを教えられる」「いっしょに食事しましょう」などの投稿で知り合った人が、現地で連れて行ってくれたレストランにて法外な値段を請求するケースがあります。現地で初めて会う素性のわからない人が提案する店には絶対に行かないようにしてください。勧められた店は事前に検索し、予算や評判を調べることで被害を防げます。ネット検索で見つからない店はぼったくり店の可能性が高いです(2020年1月)

ポイントと撃退法

<ポイント>
彼らは海外で偶然友達ができたら浮かれてしまう日本人の特徴を利用します。在住年数の長いナビは、「上海は日本以上に偶然の出会い、奇跡の出会い、うまい話などはない!」と思っています。
親切でシャッターを押してあげることもできないんですね……
という意見をよく聞きます。でも、冷静に考えてみて下さい。皆さんは日本国内の観光地で中国人旅行者に英語でシャッターを頼みますか? 頼みませんよね? 同じ日本人でも、極力頼みやすそうな人を選んで頼みますよね? シャッターを頼みたい場合どうするかを一般の中国人に聞いたところ、「カメラやスマホの盗難が怖いから、観光地の警備員やガイド、店員に頼む」という意見ばかりでした。「親切で……」と思う気持ちと、旅先での非日常な気分を巧みに使った詐欺であることを知っておいてください。
<撃退法>
まず、第一に無視です。まわりにいくらでも警備員や清掃員がいるのですから、あなたがシャッターを押してあげることはありません。でも、どうしても親切心が動いてシャッターを押してしまった場合、中国茶の話、どこかへ行こうという話には絶対乗らないで下さい。でも、多くの日本人旅行者がシャッターを押し、知らない人の誘いに乗ってしまいます(現状、そうなのです)。うっかりついて行ってしまったら、場所、詐欺師の顔、移動ルートなど、写真をバンバン撮る、領収書や連れて行かれた場所の住所がわかるもの、パンフなどを収集して証拠をおさえること。それもせず、すっかり騙されてしまったら、体験談をネットなどに書き込んでほかの人が騙されないよう手口の詳細を伝えて下さい。『上海ナビ』の掲示板にも体験談が多数書き込まれていますので参考にして下さい。
一般的なお茶屋さんは試飲無料。お店の人との交流も楽しめます

一般的なお茶屋さんは試飲無料。お店の人との交流も楽しめます

『上海ナビ』では、お茶は茶葉市場や信用できる専門店で買うことをお勧めしています。

ケース② 中国画詐欺

頻発エリア:南京東路、人民広場、豫園周辺
キーワード:有名な画家、日本でも個展をやった、肩書の多い名刺


観光ストリート南京東路は要注意ゾーン

観光ストリート南京東路は要注意ゾーン

<手口>
40〜50代男性が日本人旅行者に声をかけ、実は自分は有名な画家であることを告げます(なぜか日本語ペラペラ)。観光地の土産物店にいる場合も。美大の客員教授、美術教会理事などの肩書が入った偽造名刺を見せ、自分の作品を買うよう促してきます。値段は1000元前後と、有名画家の絵にしては格安です。
中国画の適正価格、知っていますか?

中国画の適正価格、知っていますか?

<ポイント>
犯人は、「中国の有名な画家」という肩書に日本人が弱いことを熟知しています。趣味などの教室で水墨画をたしなんでいる人、『なんでも鑑定団』などを見て有名な画家の名前をいくつか知っている人(中高年層)などがいちばん危険。「お詳しいですね〜。あの画家が私の師匠だったんです」などと言われたら、ころっと騙されてしまうはずです。犯人は、相手のなんとなくの知識をうまく突いてきます。
<撃退法>
まず、こちらも無視です。中国の有名な画家には、個展の開幕セレモニーに招かれたとき、美大の授業に出たとき、本人のアトリエに招かれたとき以外は会えません。日本と同じですね。日本の有名な画家も、道ばたで旅行者に声をかけたりしません。また、「有名だから」に食いついてしまうのは見る目のない証拠。日ごろから中国画などを研究している、毎月美術館に通うなどの愛好家であれば絶対騙されないはずです。
中国画や掛け軸は「朵雲軒」の4階で。ここで遭遇する有名画家なら本物です。ただし取り巻きがいて近づけないはず。名品は素人には手が出ないほど高額なのが普通です。旅行者が思いつきで買えるものではないということを知っておきましょう。

ケース③ スリ、盗難

上海駅周辺は治安が悪い!

上海駅周辺は治安が悪い!

<スリ>
観光地や繁華街の人ごみ、地下鉄やバスのなかでは、財布、スマホ、パスポートに意識を集中してください。ファスナーのないバッグを持たない、パックパックは前に抱える、コートなどのポケットに貴重品を入れないなどは各自で徹底を。
夜間のATM利用は避けよう

夜間のATM利用は避けよう

<盗難>
夜間のATMの利用は地元の人も控えています。ほか、飲食店で椅子にバッグなどを置きっぱなしにする、エコノミーホテルの部屋に貴重品を置きっぱなしにするなども厳禁です。

その他のケース

自転車ルールも知っておこう

自転車ルールも知っておこう

<交通事故>
上海の車は左ハンドル。自転車は右側通行です。日本と逆の交通ルールが多いので、充分気をつけましょう。レンタサイクルを利用する際も頭の切り替えが必要です。また、道路を渡るときは小走りではなく歩いて渡ること。まわりの人のペースに合わせてみましょう。
一人で歩いている子どもは見かけません

一人で歩いている子どもは見かけません

<子どもの誘拐>
上海では中学生くらいまでは登下校時の親(祖父母)の送り迎えは常識。ナビも帰国したときに子どもだけで下校する日本の小学生を見て、日本は安全だな〜と思ってしまいます。子ども連れで旅行する方は目を離さず移動を。小学生の単独行動も禁止です。
バーへは、友達同士やカップルで行こう

バーへは、友達同士やカップルで行こう

<バー、クラブで>
夜の繁華街では、路上で声をかけつつ薬物を販売している人に遭遇することが、中国では薬物関連で捕まると死刑になりますので注意が必要です。また、日本人男性が中国人ホステスにぼったくられる、騙されるなどの話はよくあるので省きますが、あまり話題にならないのは日本人女性の被害。ステキな欧米人男性が声をかけてくることもありますが、その場で楽しむのはOKでも絶対ついていかないこと。上海のバーやクラブは、友人同士やカップルでわいわい楽しむ場です。
そのほか、気になる安全情報は以下の記事をご覧下さい。

いかがでしたか? 上海で旅行者が遭遇するかもしれない犯罪は、すべて自分がしっかりしていれば大きな被害にならないものばかりです。どんな手口であっても、「これが日本の街で、この人が日本人だったら?」と考えてみると、いま置かれているありえない状況が見えてきます。偶然の出会い、うまい話は日本以上に「ない」と思って下さいね。
以上、上海ナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2014-03-24

ページTOPへ▲

その他の記事を見る