上海のアートスポット☆特集

現代アートが身近な街・上海。工場跡地や斬新な建築物を鑑賞しながら美術館&ギャラリーめぐりを楽しもう。

こんにちは、上海ナビです。
美術館やギャラリーというと、ちょっと敷居の高さを感じる方も多いかもしれません。でも、上海市内に点在する「アートスポット」と呼ばれるエリアは、散策、カフェでのお茶、お土産探しなど、さまざまな楽しみ方ができる場所。ほかにも、廃工場の雰囲気を楽しむ、建築物として鑑賞するなどの楽しみ方も。ギャラリー街なら基本的に無料で楽しめるのも魅力です。どんな場所なのか、早速ご紹介して行きましょう。
上海のアート事情についてはこちらの記事で。ちょっと古い内容ですが、基本は変わっていません。
この記事もあわせてどうぞ。

アートスポットに行こう!

賑わうのは土日。注目の企画展は平日でも混み合うことがあります

賑わうのは土日。注目の企画展は平日でも混み合うことがあります

お出かけ前にまず知っておきたいのは、上海のギャラリーや美術館には月曜日定休の施設が多いこと。また、休館日以外でも展示の入れ替え期間は閑散としていて、併設のカフェやショップも閉まっていることがあります。「展示には興味がないけど、アートスポットの雰囲気を楽しみたい」という方も、注目されている企画展の開催期間に訪れるのがお勧め。アート展情報は『上海ナビ』でも最新情報を随時アップしています。
マップ型フリーペーパーが便利

マップ型フリーペーパーが便利

「もともとアート大好き!」「鑑賞優先で効率的にまわりたい」という方は、上海市内の美術館やギャラリー、文化施設などで入手できるアート系フリーペーパーの入手を(どれも英語併記あり)。マップ付きで最新イベントも把握できるので、ナビもよく参考にしています。
アートスポットめぐり専用バス!

アートスポットめぐり専用バス!

意外に欧米諸国からの旅行者にとても注目されている上海アート。彼らをターゲットにしたアートスポットめぐり専用の循環バス「CITY ART BUS」も市内を走っていたりします。運行は週末のみ、運賃はその時期の指定の展覧会の入場チケットを見せることで無料になるとのこと。
公式サイト http://artinthecity.cn/en/(英語)
それでは早速、主なスポットを見ていきましょう。

上海らしさ満点の定番スポット

廃工場の雰囲気も味わえます

廃工場の雰囲気も味わえます

上海のアートスポットといえば、文革時代に稼動していた工場の敷地などを使ったものが主流。一つのエリアで複数のギャラリーや美術館を見て歩くことができます。

M50

2002年ごろから丁乙、張恩利、曲豊国など、上海を代表する現代アーティストたちがアトリエを構え始めた、上海でもっとも有名なアートスポットです。主な建物は紡績工場として使われていたものだそう。楽しむコツは、業務用エレベーターや裏手の階段でどんどん建物内に入ること。「入っちゃいけない雰囲気」のところにおもしろい作品との出会いが待っているのが「M50」の魅力です。最近は敷地内にカフェなども増えてきました。
散策も楽しめます

散策も楽しめます

平日でもアート好きの若い子でいっぱい

平日でもアート好きの若い子でいっぱい

こんな階段の上に隠れギャラリー多数

こんな階段の上に隠れギャラリー多数

香格納画廊

香格納画廊

ナビのお勧めギャラリーもいっぱい。「香格納画廊」は上海のアート事情を語る上でははずせないギャラリーです。
周辺散歩もお勧め。グラフィティアートや蘇州河沿いの手つかずの空き地なども絵になります。
莫干山路沿いの壁は名物の一つ

莫干山路沿いの壁は名物の一つ

畑があったり、

畑があったり、

コントラストの強い風景が隠れてます

コントラストの強い風景が隠れてます


紅坊

「M50」に続く定番といえばここ。1950年代に使われていた鉄鋼系の工場をリノベーションしたアートスポットです。大型美術館が点在しているほか、ライブハウス、メーカーのショールーム、飲食店などもあり、広い芝生広場は休日になると子ども連れでにぎわいます。地下鉄の駅が近く、初心者でも行きやすいのがポイント。
元工場敷地内に彫刻作品が点在

元工場敷地内に彫刻作品が点在

民生現代美術館

民生現代美術館

クラブ、ライブハウスとしてもお馴染みの「Shanghai on Stage」

クラブ、ライブハウスとしてもお馴染みの「Shanghai on Stage」


西岸

市内南部の黄浦江沿いエリアに広がるアートゾーン。2013年ごろから施設大型美術館が建設され始めました。旧龍華空港に近いため、飛行機の格納庫を使った美術館がこちらの見どころ。ジョギングや散策、ピクニックでも行ける公園みたいな雰囲気も魅力です。範囲が広く、一日で全部見るのはやや難しいので、見たい展覧会を開催している美術館に絞ってお出かけを。
龍美術館(西岸館)

龍美術館(西岸館)

西岸文化芸術中心

西岸文化芸術中心

余耀徳美術館

余耀徳美術館

約2kmの川沿いストリートに個性的な大型美術館が点在しています。
「西岸文化芸術中心」の裏手には、アトリエやアート系オフィスが集う「西岸文化芸術示範区」が登場。2016年現在、今後が楽しみなエリアです。
住宅みたいな戸建てオフィスやアトリエ、ギャラリーができ始めています 住宅みたいな戸建てオフィスやアトリエ、ギャラリーができ始めています

住宅みたいな戸建てオフィスやアトリエ、ギャラリーができ始めています


半島1919創意園区

その名のとおり、1919年に建てられた上海有数の古い紡績工場跡地を利用しているスポットです。古い工場そのままの景観と、意外に日本関連の展示が見つかったりするのが特徴。ただし市内からはかなり離れており、そのためかイマイチ盛り上がっていないのが残念。が、廃工場や古い建物好きにはたまらない場所です。
郊外の廃工場跡地にアトリエが入っています。雰囲気は抜群 郊外の廃工場跡地にアトリエが入っています。雰囲気は抜群 郊外の廃工場跡地にアトリエが入っています。雰囲気は抜群

郊外の廃工場跡地にアトリエが入っています。雰囲気は抜群

雑居ビル型アートスポット

廃ビル、廃倉庫などにギャラリーが詰まった施設も定番です。おもしろい構造のビル内を探検する楽しさも。

1933老場坊

このジャンルでいちばん有名なアートスポットといえばここ。牛の屠殺場として使われていた建物にギャラリーや個人オフィス、飲食店などが入っています。注目の展覧会が開催されるのは数年に1度ほどで、アートスポットとしての知名度は低いかもですが、建物の構造は芸術的。スロープや狭い階段が入り組む特殊な構造のこの建物、ナビは何度行っても飽きません。
内部は迷宮のよう。どこで写真を撮っても絵になります 内部は迷宮のよう。どこで写真を撮っても絵になります 内部は迷宮のよう。どこで写真を撮っても絵になります

内部は迷宮のよう。どこで写真を撮っても絵になります


北外灘111芸術園区

最近の注目はここ。1920年代にイギリス人が建てたという倉庫をアート系オフィスビルにリノベーションした建物です。展覧会の頻度は少ないものの、若い上海人の好みがわかるディープな雰囲気の企画展が注目を集めています。交通もやや不便でエレベーターもないけれど、こういうところに自分のオフィスを構えたくなるイマドキ上海人の気持ち、わかるかも。
外灘から徒歩圏内。ローカルなアートイベントを不定期で開催しています 外灘から徒歩圏内。ローカルなアートイベントを不定期で開催しています

外灘から徒歩圏内。ローカルなアートイベントを不定期で開催しています

ここも含め、北外灘、蘇州河エリアは隠れギャラリーの宝庫。なかでもナビのお勧めは「OCAT上海館」です。入るのをためらってしまうようなビルですが、現代アートの学術研究などを目的としている骨太のギャラリー。難解な作品が好みという方はぜひ。
かつて船着き場だったこの界隈は廃倉庫の宝庫。今後もギャラリーは増えそうです かつて船着き場だったこの界隈は廃倉庫の宝庫。今後もギャラリーは増えそうです

かつて船着き場だったこの界隈は廃倉庫の宝庫。今後もギャラリーは増えそうです


五角場800号芸術空間

雑居ビル型は、人気ギャラリーが入居していないと廃れてしまうのが早いのが欠点。ナビが「大丈夫かな。もうダメかな」とふと思い出してしまう場所がこちらです。が、ダメならダメなりの廃墟感、放置されっぷりを楽しめるのが上海のアートスポットのいいところ?
空間はおもしろいので、このまま寂れてしまうのは惜しいかも 空間はおもしろいので、このまま寂れてしまうのは惜しいかも

空間はおもしろいので、このまま寂れてしまうのは惜しいかも

アートスポットの多いエリア

市内のあちらこちらに美術館やギャラリーが分布している上海。そのなかから、主要美術館が比較的多いエリアを選んでみました。

発電所をリノベーションした上海当代芸術博物館

発電所をリノベーションした上海当代芸術博物館

上海万博跡地エリア

パビリオンを美術館として再利用した施設が点在しています。巨大な建物をそのまま使った美術館ばかりなので、広い空間を生かしたダイナミックな展示を楽しめます。ナビのお勧めは、上海ビエンナーレの会場としても利用されている「上海当代芸術博物館」。このエリアの美術館は無料でたっぷり見学できるのも魅力です。
中華芸術宮

中華芸術宮

上海二十一世紀民生美術館

上海二十一世紀民生美術館

このエリアの美術館はカフェがおしゃれ

このエリアの美術館はカフェがおしゃれ


上海外灘美術館

上海外灘美術館

外灘

歴史建築内にアート施設が見つかります。代表格は「上海外灘美術館」。周辺のエリア「洛克・外灘源」も数年前にビエンナーレの会場の一部として利用されるなど、それらしい雰囲気を味わえます。レストランやホテル内にも中国の有名アーティストの作品が見つかるので、建造物内を探検してみて。
建築物鑑賞も楽しめるエリア

建築物鑑賞も楽しめるエリア

ファッション誌撮影のメッカ「圓明園路」

ファッション誌撮影のメッカ「圓明園路」

外灘3号内にもギャラリーがあります

外灘3号内にもギャラリーがあります


フランス租界エリア

大々的なギャラリーや展覧会はないけれど、センスのいいこじんまりしたギャラリーが隠れています。ナビのイチ押しは岳陽路の「James Cohan Gallery」。「これぞフランス租界の雰囲気!」という感じの庭付きの邸宅がギャラリーになっています。路地の奥の隠れ家探し、普通の人の生活も眺めながらギャラリーめぐりを楽しんで。
James Cohan Gallery

James Cohan Gallery

Leo Gallery

Leo Gallery

そのほかのお勧めアートスポット

2016年10月現在、最新の美術館は「劉海粟美術館」

2016年10月現在、最新の美術館は「劉海粟美術館」

2000年代初めごろ、「向こう10年くらいで市内に200ヵ所の美術館やギャラリーができる」という報道を見たことがあるナビ。当時は、上海アートを専門に取材していた記者と「そんなわけないと思う」と笑い合った記憶があるのですが、じわっと現実になりつつある気がします。ここまででまだご紹介していない施設のなかで、ここ2〜3年内にオープンしたお勧めはこちら。
彫刻がテーマの公園「静安彫塑公園」

彫刻がテーマの公園「静安彫塑公園」

ほかにもこんな美術館やギャラリーがあります。

いかがでしたか? 古い建造物や観光地ではない風景など、アートスポットには旅行者の皆さんに見ていただきたい風景がたくさんあります。それ以上に感じていただきたいのが、若い上海人の現代アートへの関心の高さ。美術館内を眺めると、10〜20代のおしゃれな若者にたくさん遭遇します。そんな彼らを観察するだけで、今の上海が見えてくるかもしれません。
以上、上海ナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2016-10-06

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