予約見学制歴史建築☆大特集

一般旅行者が行かないレアな場所を目指す方はぜひ! 無料で上海の近代史に触れてみよう。

こんにちは、上海ナビです。
意外と日本人旅行者の皆さんが知らない上海の近代史。『上海ナビ』でも各ガイドブックでも、けっこう近代史については触れているのですが、未だに「フランス租界って何? 上海にフランス人が住んでいたの?」というような反応は多いです。でも、ゼロから歴史を学ぶのはなかなか難しいですよね。ということで今回は、「一般観光客は行かない」「無料」「期間限定or最近話題」という旅行者の皆さん好みの条件で、上海の近代史を感じられる場所にご案内したいと思います。
※以下、2019年2月現在公開されているスポットをご紹介しています。

予約して、無料で建築物を鑑賞しよう

開発が進み、古い建物をリノベーションした施設が増え続けている上海ですが、実は未だに閉鎖され放置されたままの古い建築物が数多く残っているようです。そんな建物を見学できるよう修復し、保護のために入場制限をしながら公開しているのが今回ご紹介するスポット。微信での事前予約が必要という日本人旅行者にとっては高いハードルはあるのですが、入場はすべて無料なんです。行ってみたく、なりますよね?

<予約方法をゼロから>
1、まずは中国で使える携帯番号とスマホを用意し、「微信(Wechat)」をのアプリをダウンロード。「スマホ自体持っていない」「難しいことは無理」という方は、現地のガイドさんなどに頼んでみましょう。
中国語のみですが、上海情報が満載

中国語のみですが、上海情報が満載

2、上海のローカル情報やニュースを発信している「上海本地宝」の公式微信をフォローします。
※日本語の漢字を入力して検索できます。この先、中国語の簡体字を打つ必要もあるので、念のため簡体字の入力ができるように設定を。
「外滩」と送信するとすぐに予約ページに飛ぶアドレスが送られてきます

「外滩」と送信するとすぐに予約ページに飛ぶアドレスが送られてきます

3、2019年現在、ここから予約できるのは外灘の歴史建築群と「沪港銀行歴史展覧館」です。外灘の建築群を予約したい場合は、左下のキーボードのボタンを押してチャット画面を表示させ、「外滩(入力時のピンインは“waitan”)」を送付。「沪港銀行歴史展覧館」の場合は「沪港(ピンイン“hugang”)」のメッセージを送付します。
4、ここからは外灘の建築群を例に解説します。「预约入口」のURLを押すと、現在見学できる施設の一覧が出てきます。ナビは「中国銀行」を選びました。「中国銀行」の表示をタッチします。
ここから見たいスポットを選んで予約します ここから見たいスポットを選んで予約します

ここから見たいスポットを選んで予約します

日時、時間を選び、名前、パスポート番号などを入力

日時、時間を選び、名前、パスポート番号などを入力

5、予約画面が出てきます。見学する日にちと時間を選び、その下に名前(アルファベットでOK)、携帯番号、パスポート番号を入力。いちばん下のボタンをクリックします。
※希望の日時が定員に達してしまっていることもあります。
予約完了画面。これを当日入り口で見せて入場します。無料です

予約完了画面。これを当日入り口で見せて入場します。無料です

6、予約完了。見学当日、この画面のQRコードを係員に見せればOKです♪
※QRコード部分、ナビの名前、予約番号はグレーで消してあります。
<ここに注意!>
施設によってオープンしている曜日が変わります。人気スポットは定員に達してしまっていることも多いので、必ず行きたいという方は1週間前くらいには予約を。また、見学時間の表示が「14:00〜16:00」のようになっている場合は、その間に到着して自由に見学できるタイプですが、上の「中国銀行」のように「12:30」と書かれているものは、必ず12:30までに入り口に到着していなければ入れません(5分前には到着するようにしましょう)。あとは念のためパスポートも持参を。
2018年末まで公開されていた「上海総商会」

2018年末まで公開されていた「上海総商会」

公開は期間限定の場合があります。2018年まで公開されていた「Prada邸(栄宅)」は、何度か公開が再開されたりしているので今後も見るチャンスがあるかも。「ブルガリホテル上海」併設の「上海総商会」も2018年末まで公開されていました。

実際に行ってみました!

今回ナビが上記の予約手続きで行ってみたのは以下の4施設。早速見ていきましょう〜。
今も銀行として利用されています

今も銀行として利用されています

中国銀行

「和平飯店」のすぐ北側に位置する「中国銀行」は、外国の共同租界として発展した外灘では唯一の中国が建てた建物なのだそう。銀行の歴史、昔の貨幣などが展示されています。こちらの施設は指定の時間に集合し、ガイドさんの解説(中国語のみ)を聞きながら展示品を見るスタイルの施設でした。一回の定員は20名とのこと。
集合時間5分前の様子。係員に予約画面を見せます

集合時間5分前の様子。係員に予約画面を見せます

こんな感じで説明を聞きながら展示室をまわります

こんな感じで説明を聞きながら展示室をまわります

蝋人形や世界の紙幣など、見ごたえたっぷり 蝋人形や世界の紙幣など、見ごたえたっぷり 蝋人形や世界の紙幣など、見ごたえたっぷり

蝋人形や世界の紙幣など、見ごたえたっぷり

左の白い塔の真下にある博物館です

左の白い塔の真下にある博物館です

外灘歴史記念館

外灘のシンボルでもある「黄浦公園」内の「人民英雄記念塔」。この塔の真下にある博物館です(塔の下へスロープをおりたところに入り口があります)。観光地のど真ん中なのに見学には予約が必要ということで、ガイドブックには掲載されていません。展示は、外灘エリアの近代史を紹介する内容。昔はユダヤ教会があったことなど、ナビも知らなかったことがたくさんわかりました。
塔の下をぐるっとまわる円形の展示フロア。外灘の歴史がわかります(英語の解説文あり) 塔の下をぐるっとまわる円形の展示フロア。外灘の歴史がわかります(英語の解説文あり) 塔の下をぐるっとまわる円形の展示フロア。外灘の歴史がわかります(英語の解説文あり)

塔の下をぐるっとまわる円形の展示フロア。外灘の歴史がわかります(英語の解説文あり)

鉄門ががっちり閉まっていますが、休館でありません

鉄門ががっちり閉まっていますが、休館でありません

一つ注意したいのは、予約した時間どおりに行っても入り口の鉄門が閉まっていること! 5分ぐらい門の前でうろうろしていると、中から係員が出てきて開けてくれました。閉めていないと予約していない一般客が入ってしまうからとのことでした……。
沪港銀行歴史展覧館(四川中路299号)

外灘から一歩入った場所、四川中路と九江路の交差点にある歴史建築です。建物は、上海の建築史を語るには外せないハンガリーの建築家、ラズロ・ヒューデックの作。入場するともらえる案内図にスタンプを押しながら館内をまわることができます。銀行のカウンター内や金庫にも入れたり。先ほどの2カ所はパネルや写真の展示メインでしたが、こちらは実際に館内をめぐる系の施設でした。
スタンプラリーをしながらまわります

スタンプラリーをしながらまわります

行員さん。蝋人形です

行員さん。蝋人形です

金庫の中も公開

金庫の中も公開

交響音楽博物館(宝慶路3号花園住宅)

2000年代終わりごろから閉鎖されていた庭付きの大邸宅が、交響音楽博物館としてリニューアル。上海交響楽団に関する資料と、この住居に暮らしていた人の資料を見学することができます。歴史とクラシック音楽好きなら必見かもしれません。実はナビ、2000年代半ばのまだ住宅だった頃にこの邸宅内のイベントに参加したことがあり、当時居住していた画家の徐さん(2014年他界)にもお会いしたことがありました。なので、個人的に特に思い入れがある歴史建築です。予約すればいつでも見にこられるようになったのはうれしいかも。
フランス租界の邸宅と上海のクラシック音楽史を同時に フランス租界の邸宅と上海のクラシック音楽史を同時に フランス租界の邸宅と上海のクラシック音楽史を同時に

フランス租界の邸宅と上海のクラシック音楽史を同時に

このQRコードから予約フォームに入れます

このQRコードから予約フォームに入れます

こちらの施設の予約法は上の3施設とは異なり、入り口にあるQRコードをスキャンして予約フォームに入ります(入力内容などはほぼ同じ)。当日の予約はできません。

無料見学系歴史建築の楽しみ方

まずはやっぱり自由に写真を撮れる点。文化財建築であっても、営業中の銀行やホテルなどでカメラを構えていると注意されることがありますが、見学施設として整備されているので写真は撮り放題です♪
足元を見てみよう

足元を見てみよう

ナビがつい注目してしまうのはフロアのタイル。展示館風にきれいに整備されている施設でも、床のタイルは当時のままという建物が多いのです。以下、ナビのフロアタイル写真のコレクションです。
「階段美」に上海で気がついたナビ

「階段美」に上海で気がついたナビ

あと、上海の歴史建築って階段が素敵なんですよね。「どうやって曲げたの?」と思う木製の手すり(時間を経てとてもなめらかになっています)や、見下ろした螺旋階段の構造の美しさ、手すりの下の柵の部分のデザインなどにも注目してみてください。100年くらい前のものとは思えないモダンさです。

<予約不要で無料の歴史建築>
観光地としてのレア度は下がってしまうけど、無料で見学できる歴史建築もまだまだあります。こちらは予約不要。合わせてどうぞ。

いかがでしたか? 「近代史はよくわからない」という方も、歴史建築内に足を踏み入れてみると「なぜこんなにヨーロッパ的な建造物が戦前に?」など、興味や疑問が湧いてくるはず。公開される建物は毎年変わったり増えたりするので、新しいお勧めが登場したら今後もその都度『上海ナビ』でお伝えしたいと思います。
以上、上海ナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2019-03-21

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