ウミガメが料理を運ぶ非接触型ファミリーレストラン。体にやさしい低温調理メニューが人気。
こんにちは、上海ナビです。
新型コロナ(COVID-19)の影響がまだ残りつつも、徐々に日常を取り戻している2020年初夏現在の上海。今日ご紹介するのは、収束の兆しが見えた3月にオープンし、瞬く間に行列店になったレストラン「Caretta Land 」です。ウミガメ(カレッタ)が「低温調理」の洋食を運んでくるお店なんですよ。非接触型サービスの新しい形として各業界からも注目されているよう。ウミガメが何をどう運んでくるのか、早速出かけてみることにしましょう〜。
「Caretta Land 」行こう!
最寄りは「陸家嘴」駅2号出口
「Caretta Land」があるのは陸家嘴エリアの大型モール「正大広場」内。最寄駅は地下鉄2号線「陸家嘴」駅です。
今回ナビは、平日の午前11時に入店。休日や夜の食事時は行列ができるので、時間をずらしてお出かけを。待ち時間に購入できるよう、入口の隣にはドリンク売り場もあります。
話題性は今No. 1
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「Caretta Land」とは?2020年3月にオープンしたファミリー向けレストランです。ターゲットは子供連れと若い女性とのこと。2020年5月現在、TikTokのグルメ関連動画で1位の閲覧数を記録しており、特に小学校低学年くらいまでの子供を持つ若い親世代に絶大な人気があるそう。人気の理由は海辺をモチーフにしたテーマパークのような店内と、足元の下をウミガメのロボットが自由自在に動きまわり、彼らの卵の中に注文した料理が入っている、というトリッキーでユニークな仕掛け。気になりますよね。
注文から料理が届くまで
タブレットで注文、支払いを済ませます
オーダーは、各テーブルに設置されているタブレットから選びます(中国語のみですが、すべて写真付き)。支払いは、オーダー後にタブレットに表示されるQRコードから微信で支払います。わからない場合は店員さんが来てくれます。
完全に無人ではないので、わからないことがあれば店員さんを呼べます
メニューは基本的にセットのみ。ややボリュームがあるので、大人の人数分を頼んで子供に分けることもできそうです。値段は118〜398元/セット。ドリンクもすべて付いています。また、「Caretta Land 」の料理の特徴は時間をかけた「低温調理」にこだわっていること。そのため、できあがりまで20分ほどかかります。
料理ができあがると、こちらに向かって足の下をウミガメが泳いで来ます。
テーブルの横に置かれている貝の下へ。産卵中の様子です
ウミガメは、テーブル近くに置かれている貝の下部分に入り込み、そこで料理の入った卵型カプセルを産卵。その卵が上がってくると貝が開き、料理の入った卵のケースを受け取ります。
種類はアカウミガメです
いろいろツッコミどころもありますが、とにかくこの方法だと調理場からテーブルまで料理が空気に触れないというメリットがありますよね。非接触型で人員コストもカットできますし、なにより2020年初夏現在はウイルスや菌に敏感になっている人が多いのでこの方法が特に注目されたよう。最初は「なぜウミガメなのか」と思いましたが、フロアの下(海の中)を卵(料理)を抱いて移動する仕組みに対応できるのはウミガメだけですよね。
低温調理のヘルシーメニュー
まずパンが来ます。待ち時間が長いので、時間に余裕を持ってお出かけを
今回ナビは、228元のセットメニューをオーダーしました。低温調理ということでやや時間がかかるため、待っている間、先にパンが運ばれてきます。
※2020年5月現在の内容です。
前菜三種
228元のコースでは、5種類の前菜から3種を選ぶことができます。ナビが選んだのは「5J火腿双色甜瓜(生ハムとメロン)」「低温慢煮八爪魚(タコの低温グリル)」「時令蔬果沙拉(季節のサラダ)」。小皿おつまみみたいでお酒がほしくなりますが、アルコールメニューは扱っていないとのこと。
ジューシーなサーモン。食べ応えあり
低温慢煮三文魚メインはこちら。サーモンの低温グリルです。パサパサしておらずジューシーで意外に本格派。付け合わせはいくらと海ぶどうで、粒マスタード入りマヨソースが添えられています。子供も挑戦できる大人料理といった感じ。メインはほかにローストチキン、牛ほほ肉の煮込みなどがあります。
やさしい風味のカボチャリゾット
意式蘑菇培根南瓜烩飯きのことベーコンが入ったカボチャのリゾットです。こちらも「ファミレス」の先入観で食べると意外に本格的。カボチャが甘すぎず、お米もやや固めに仕上げています。子供と分けながら食べるのにぴったりのメニューですね。
形がややリアルですが
栖蠵亀亀奶凍ウミガメの形のムースです。ほんのりチーズ風味のミルクプリンといった感じ。
すっきりレモン味
深海之藍ドリンクは5種類から選べます。ナビが選んだのはレモン味のソーダ。運ばれている過程でこぼれないような、ウミガメの卵型カップに入っています。
いかがでしたか? 2018年ごろに話題になった無人店舗やロボットレストランが軒並みフェードアウトしているなか、「Caretta Land」は新たな形で成功した例といえます。確かに、ただのロボットでは子供も親世代も興味を持ちませんよね。ナビは、産卵後のウミガメが調理場に戻るときのそそくさとした速さがツボにはまりました。一過性かもしれませんが、「アイデアをスピーディーに形にしたもの勝ち」な上海のビジネスシーンを観察しに行くのもお勧めです。
以上、上海ナビがお伝えしました。