北海公園 (北京)

ベイハイゴンユェン北海公园

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その歴史、1000年以上!北京は故宮(紫禁城)からではなく、この北海公園を中心に都づくりが行われたんですよ。

「北京の公園は、ただものではない!」 …ということで、
“公園” という軽~いネーミングに反し、国宝級な価値を持つ場所が揃う北京の公園!今回は、「北海公園」 をご紹介しましょう。

この公園、何がいったいスゴイんだと思いますか?もちろん、シンボルタワー 「白塔」 の存在も見逃せませんが、何かきっと “世界で一番~” みたいな枕詞が付けられるに違いない!ということで、チョッと調べてみると、やっぱりありました!
実はこの園内にある皇室庭園は1000年以上前に築かれたもので、“世界で一番古い” 皇室庭園としても有名だったんですね。

【北海公園の豆知識】
13世紀、元の初代皇帝であるフビライが美しいこの地を大変気に入り、この場所を中心に元の都を造ったのが始まり。以来、明、清の3時代に渡り、ずっとこの地が皇帝の御苑として栄えたそうです。

一ヶ所の庭園をもとに都の構成を決めるということは、世界中の都造りの歴史においても極めて稀なことだそうです。
故宮の北西側、景山公園の左手に位置する北海公園は敷地面積約70ヘクタール。大きさでは天壇公園や頤和園に及びませんが、古代神話の仙境をイメージして造られた庭園内には、そのランドマークとなる 「白塔」 を含め、約50以上の美しい景点があるんです。湖(北海)を取り囲む形で、北岸/東岸/瓊華島/団城/北海植物園と大きく5ヶ所に見所が散在しています。

~北東部 「東岸景区」 が最も “公園らしい” エリアです~

公園の北門がこちら。公園内には他に東門と南門(こちらが正門だそう)の合計3ヶ所の入り口があります。入り口横でチケットを買い中に入ります。
門から湖を右手に眺めつつ歩いていくと、典型的な “中国の公園” の光景に出くわします。みんなで集まりダンスをしたり、新体操のリボンのような技を見せるご婦人方も!
そういう意味ではここも市民に開放された公園なんです。
右手を見ると、敷地内の半分以上を占める湖 “北海” が広がります。水平線の上の青空には雲がほんわり気持ちよく浮かんでいます。

★そんな神様もいるんですね!
この赤壁の建物には 「先蚕壇」 という看板が出ています。看板があるからには有名な史跡なんだろうけど、門も閉まっているし分からんなぁ。
とりあえず看板を読んだところ、清代には皇后や貴妃たちが蚕の神を祭っていた場所だそうで、今では幼稚園として高級官僚の子弟が入園しているそうです。
でも、蚕の神って…?!
その付近には 「蚕壇商店」 という名のお店がありましたが、特にシルクを売っているわけではないみたいです。

★何やら気になる脇道に遭遇
遊歩道の脇に見えるのは、「濠濮間」 との表示が出た小道です。何となく “和” の雰囲気が漂うので中に入ってみましたが、この先時間が読めないのも不安なのですぐ出てきちゃいました。
北京の大きな公園内にはこうした脇道がよく出没するので、探険好きには1つ1つの発見が結構楽しいかもしれません。
あまり有名では無い様子ですがこちらも景点の1つで、奥には他にも建物があるんです。ちなみに 「濠濮間」 とは “世間を離れ、静寂な自然の中で過ごす境地” を意味する故事成語なんだそう。まさにベストマッチな名前です。
別の脇道にも入ってみました。門の中へ入ると、ここは景点でなく土木関係の事務所のような…。何はともあれ、そんな所とは思わせなかった門を一枚パチリ!
湖を囲うように立つ木々の緑、それに加えてこの青い空がとっても新鮮!赤壁に映る影ですら自然の趣を感じさせるんですから、旅というものはいいモンです。

~1番の見所はやっぱり「白塔」!~

こうして散歩道を気持ちよく楽しんでいるうちに、東門前にやってきました。東門から入った人が、まず一番に目撃する景色とは…!
ジャーン、“北海公園と言えばコレ!”とも言えるシンボルタワー、「白塔」 です。この先の橋を渡ると白塔山という小高い山へと続くんですが、そこを登っていくとこの独特のスタイルを持つ仏塔まで辿り着きます。
橋を渡る際の景色もなかなかのもの。その先には 「瓊華島」 という小島がつながっています。
「瓊華島」 に入るとすぐ目の前に山門のような建物がそびえ、その先には石段が続きます。
石階段をつたって山道を登っていきます。途中でふと目に入ったマンホールの蓋のようなものも、シノワズリグッズが見かけるようなデザイン。小さなところも抜け目無く凝っていますね。
途中にも、こんな山門があって目を引きます。頤和園や天壇公園でも同じようなデザインを見かけましたが、あれらもここと同様に清代のチベット仏教信仰の影響からなのかしら?と今更気付いてみたり…。
いよいよ、「白塔」 前までやってきました。
これは当初1651年に建てられたものが一度地震で崩壊したのち、また立て直されたものだそう。北京の建物で “戦火で消失” した話はよく聞きますが、“地震で崩壊” した話は初めて聞きました。
塔の上部には銅製の傘蓋と金メッキの火焔宝珠塔刹があり、この特徴的な形と共に北海公園を象徴する建物としてとても有名です。
「白塔」 の脇に立つのが 「善因殿」。上部は円形で下部は方形の建物は、四方の壁には445体の菩薩像が並んでいます。
そしてココでもう1つ見逃せないのが 「白塔」 から望む北京市街の景色!故宮や景山公園にある 「万春亭」 の姿も捉えることができるんですよ。
塔内には五大明王像のうちの1つ 「大威徳金剛神像」 が祀られています。明王像はどれも凄まじい怒相をしているんですが、これは如来の教えや命令を奉じ、煩悩を打ち破る役目を果たしているんだそう。この像は、牛の頭に人間の体という姿をしています。
「白塔」 を後にしようと、ふと南手に下り階段を見つけて覗いてみると、こちらにも何やら建物が。まるで亀の甲羅模様のような屋根に惹かれて下へと降りてみました。
こちらはチベット仏教寺院の 「永安寺」 でした。境内の奥から白塔を背後に建物を見ると、なんだかご利益がありそうな気分になれますよ。
この寺院内は 「法輪殿」、「普安殿」、「正覚殿」 などの建物で構成され、中には様々な仏像が安置されています。
中の装飾も素晴らしく、ぜひ足を運んでおくべきポイント!
たぶん、もう一度この階段を登らないと戻れない?
(他にも抜け道があるかも知れませんが…)
それにしても、毎度の事ですが急な階段だなぁ!
ちなみに、さっき見た 「白塔」 は、天壇公園などでも見かける写真のような石台の上に立っているんです。石台の角には建物の梁のようにニョッキリと龍が顔を出していますね。

~瓊華島の北側にはゴツゴツした岩山も~

白塔前を、登ってきた場所とはまた違う方向へ下っていくと、かなりゴツゴツとした岩山になっています。足元に気を付けながら下っていくと、その先にある湖沿いに長さ約300mの長廊(遊廊)なども見え、面白い景観に出会いますよ。
この岩山を下る前にも、前方に広がる北海の美観が楽しめます。
この岩山を下りきって湖沿いを歩くと、なぜか突然こんな場所に宮廷料理店 「仿膳飯荘」 が登場!ここは清朝宮廷のコックたちが1925年に開業した宮廷料理レストランだそうで、今も営業しているのが凄いんですよね。昼のコースメニューは150~2000元くらい。もし立ち寄るならば、いっそ2000元のものをオーダーしてみたいような…。

なお、このレストランの向かいから公園の北岸への渡し舟も出ています。
北海公園の“北岸エリア”には北海で最も美しいと言われる4700平方mの園中庭園 「静心斎」、その西に建つ 「天王殿」、さらに有名な 「九龍壁」 など、かなりの見所が集まっています。
特に、西太后やラストエンペラー溥儀もその地に立った 「静心斎」 なんか、ココまで来たら絶対見てみたいですよね!
ぜひ、ここは皆さん “写真ではなく本物の感動” をどうぞ!!!

さてさて、先ほどの湖沿いには回廊のような形でしばし建物が続きます。
ゆるやかに弧を描くように歩いていくと、また門が見え、その先にある永安橋を渡ります。この橋を渡ると 「承光殿」 や 「団城」 のある “団城エリア” に到着し、公園全体の南門へと到着です。
こちらの橋のたもとにも、先ほど陸山橋から入ったときと同様の門が立派な姿で建っていますね。

今日は南門から北海公園とお別れです。最後にこんな小話を1つ。

「一池三山」 という中国皇室庭園の造園法にのっとった北海公園では、白塔に登って南を望むとその先には瓊華島を入れて大小3つの島が一直線上に湖の上に浮かび上がるような配置になっているそうです。

この構造は、中国古代の神話には海上に3つ仙人の住む山があり、その島には不老不死の薬があるといういわれにのっとったもの。皇帝の不老不死を望む願いが伺え、また中国古代の魅力を彷彿とさせる話だと思いませんか?

ちなみにこの 「一池三山」 を見ないとこの皇室庭園の魂に触れたことにならないそうなんです。これを行く前から知っていたナビ、楽しみにしていたくせに、ウーッカリ見逃して帰ってきてしまいました。まあ、それだけ他にも魅力的な景色が広がっているわけなんです。
次回こそは、ぜったい忘れずに魂に触れて来るぞー!

記事登録日:2007-12-15

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スポット登録日:2007-12-15

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女性 男性