お酒好きなら並んででも行きたい南宋風ご当地居酒屋! 徐家匯エリアの純中国式飲み屋さん。
こんにちは、上海ナビです。
普段日本では、居酒屋で軽いおつまみを注文しながら飲むのが大好きなナビ。上海にも日本の居酒屋はあるにはあります。でも、紹興酒と、ちょっとしたご当地中華を少しずつ味わえるお店、しかも一人でも気兼ねなく行けるお店は、日々新しいお店を開拓しているナビでもなかなか見つかりませんでした。そんな中、「ここ、いいかも!」と思ったのが今回ご紹介する「虫二酒肆」。こういうお店を待っていた地元上海人も多かったらしく、2017年現在大行列ができているお店なんです!
「虫二酒肆」へ行こう!
「虫二酒肆」があるのは、地下鉄1、9、11号線「徐家匯」駅に直結しているショッピングビル「美羅城」内。駅からの行き方はこんな感じ。
4階まで上がると左手にお店が見えます
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まだ朝10時なのにこの行列!
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昔の飲み屋さんがモチーフ
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「虫二酒肆」とは?オープンは2017年春。上海では、「桂満楼」「外婆家」などの杭州発のリーズナブルな料理店が大流行していますが、「虫二酒肆」はその系列の中でも特にお酒に力を入れたお店なんです。店名の「虫二」とは、杭州の史跡「湖心亭」の石碑に刻まれた文字から取っているそう。意味は中国の成語「風月無辺」から。とにかく美しい自然風景を表す言葉です。「酒肆」とは南宋時代の「酒を飲ませる店」の意味。素敵な店名ですよね。
整理券です
2017年現在、人気爆発中の「虫二酒肆」。確実に席を確保するには、ランチは朝10時、夜は午後15時半に直接お店へ行き、整理券をもらう必要があります。店員さんは中国語のみの対応で、オーダーにスマホと微信が必要(なくてもできますが、スタンダードは微信オーダー&決済です)なので、日本人旅行者にはかなりハードルが高い店です。でも、「日本人客ばかりの店は嫌だ」「旅行者向けの店は興味がない」という方には、挑戦する価値があるお店だと思います。
午前中から紹興酒でいい気分♪
今回ナビは、日曜日の午前10時にお店に到着。10時半オープンとのことだったので、整理券をもらって「美羅城」内を散策しつつ時間を潰しました。中国語がわからない場合は、整理券をもらう際に人数を指などで伝えます。「几点钟可以进去?(何時に入店できますか?)」「我没有中国手机和微信,可以用餐吗?(中国のスマホや微信を使っていないのですが、大丈夫ですか?)」などのワードも控えておくと便利です。
※夜の整理券受付は15時半から店頭で行われます。そのほかの時間に夜の予約はできません。
店内はこんな感じ。南宋時代の浙江省の居酒屋さんをイメージしているそう。小さなテーブルが多いので、1〜4人くらいで行くのがいいかも。大人数向けではありません。
メニューはこんな感じ。これを見て、テーブルに貼ってあるQRコードをスマホにスキャンしてオーダーします。スマホ、微信を使っていない場合は店員さんを呼びます(外国人アピールをすれば対応してくれます)。日本語、英語メニューはないので、翻訳アプリも準備しましょう。
木の板はお酒メニュー。右の封筒を開けると、
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書状みたいな、こんなメニューが
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今回ナビがオーダーしたのはこちら。少し頼んでのんびり飲むイメージのご当地おつまみの数々です。
激辛ペーストをつけて食べます
餐前茴香豆(無料のお通し)
席に着くとまず出てくる無料サービスのウイキョウ豆。紹興酒に詳しい方、魯迅の小説を読んだことがある方ならお馴染みですね。紹興酒のおつまみの大定番、ソラマメのウイキョウ風味漬けです。添えてある黄色いジャムみたいなものは、なんとイエロー唐辛子のペーストでした(激辛!)。もう、これだけでけっこう飲めてしまう気が……。あと、おしぼりは出ないので、ソラマメを手で食べたい派、皮を剥きたい派はウエットティッシュの持参を〜。
紹興酒のおつまみといえばコレ
甘糟毛豆(15元)
おつまみといえばまずは枝豆。上海では、「糟卤」という、調味紹興酒に漬けたゆで枝豆がポピュラーです。日本人でも酒好きなら100%ハマる美味しさ。これの作り方を聞いてくる日本人旅行者、けっこういるんですよね。日本でも「糟卤」って売ってるのかな。
クリーミーな、ババロアみたいな食感の豆腐でした
蘇小小豆腐(15元)
「蘇小小」は、南北朝時代の芸妓の名前。詩や書画も得意だったという才女で、現在は杭州の西湖畔のお墓で眠っています。彼女の美しさや才能をイメージした三種の豆腐盛り合わせ。わさび味、麻婆豆腐のソースのような味、ポタージュのようなクリーム味の、三つのタレでいただきます。
しっかり味なのでおつまみにぴったり
東坡土猪肉(18元)
日本語でいうとトンポーロー。杭州風の豚の角煮です。5×5cmくらいの角切り一つなのですが、甘辛のしょうゆ味が濃厚なので、2〜3人でつつきながら食べるのでも十分かも。「これほど紹興酒に合う味はない!」と思ってしまうほど、お酒が進む一品です。
ほうれん草炒めです
孜然菠菜(18元)
取り分け系の野菜料理を頼むならこれ。ほうれん草のクミンシード炒めです。上に乗った泡みたいなものは、ほんのり塩味で味のアクセントになります。
<お勧めお酒メニュー>
「虫二酒肆」の特徴は、南宋時代の飲み屋さんというコンセプトに忠実だからなのかビールがないこと! 「いつもはとりあえず生ビール!」という方も、ご当地流の飲み方にしたがってみましょう。
グイグイ飲める感じ
龍杯(19元)
「ビールは諦めるけど、でもとりあえず冷たいものを」という方にお勧めなのがこれ。上海郊外の農村エリアでもよく作られている米酒です。アルコールは3度で、氷入り。冷たく冷やしたものがジョッキで来ます。韓国のマッコリよりもさっぱりして飲みやすい感じ。
紹興酒をおしゃれに
氷酿中国黄(35元)
「あんまり飲めない」という女子にお勧めなのはこれ。紹興酒カクテルです。甘口で、紹興酒の独特なクセも抑えられているので飲みやすい! ピックに刺さっているのは、丸くくり抜いたスイカとハミウリです。
濃厚で深みのある風味
鎮店黒酒(38元/約2合)
「虫二酒肆」の看板メニュー的オリジナル紹興酒です。紹興酒好きなら、「真っ黒で濃厚で香り高い味」といえば「絶対美味しい!」と思っていただけるはず。予想通りの美味しさです。かなり濃厚なので、ちょこちょこ舐めるくらいのペースでどうぞ。陶器入りのお土産用も販売しているそうです。
以上、少しずつ食べて、けっこうフラフラになるまで飲んでも、数人で割ると一人100元行きません! この価格帯のお店は上海では今や貴重です〜。
いかがでしたか? ナビが訪れた2017年現在は異常な混み方が続いている「虫二酒肆」ですが、こういったスタイルのお店が増えてくれば客足も落ち着いてくると思います。「小料理×紹興酒」のお店が増えるのはナビ的にも大歓迎。ぜひ皆さんも、地元のお酒好きに混じって伝統料理と紹興酒の美味しさを味わってみてください。
以上、上海ナビがお伝えしました。