上海最東端の巨大レイクリゾート! 開発中の湖畔エリアを眺めながら水辺散策を楽しもう。
こんにちは、上海ナビです。
上海の風景といえば、高層ビル群や庶民的な下町など、大都会の風景や活気ある生活風景を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。でも、実は市内には広大な農村地帯や水と緑を満喫できる大型公園などがたくさんあります。今日ご紹介する「滴水湖」は、上海の広さを改めて実感できるエリア。上海の最東端に位置する巨大人工湖です。どんなエリアなのか、早速出かけてみることにしましょう。
「滴水湖」に行こう!
駅を出るとすぐ湖畔
「滴水湖」があるのは、地下鉄16号線の終点「滴水湖」駅。駅を出てすぐ湖畔に出ます。「滴水湖」駅までは市街地から約1時間半。少しでも時間を短縮したい方は、「龍陽路」駅から16号線の「大站車(快速)」に乗車を。
上空から見るときれいな円形
地図でみるとこんな感じ。上海市の最東端にあることが分かります。ナビは今まで気づかなかったのですが、浦東空港行きの飛行機に乗ると離着陸前に空からまん丸の湖が見えるそう。それが「滴水湖」です。
地上で見ると向こう岸が見えない広さ
☆
「滴水湖」とは?2003年に完成し、2007年ごろからレジャーエリアとして整備され始めた人工湖です。設計はドイツのGMP社が手がけたそう。面積は約5.6㎢で、中央には水滴が落ちたときに真ん中に現れる水玉をイメージしたオブジェがあります。周囲は金融系、ソフトウェア、IT系企業向けの開発区になっており、2016年現在ビルの建設などが進められています。ただし市内からかなり遠いため、レジャーエリアとしてはまだ上海市民には馴染みがない場所。その分人が少なく静かに散策できます。
お勧めの時期は春〜秋。ナビが訪れたのは8月でした。日差しが強くかなり暑かったのですが、「滴水湖」のある南匯エリアの名産の桃やスイカを売る人たち、テントを張って日帰りキャンプを楽しむ人たちなども。リゾート感が増すので、暑い季節もお勧めです。
のんびり湖畔散策♪
上の赤丸が駅、下が「クラウンプラザ」です
それでは早速湖周辺を歩いてみましょう。主な見どころが集まっているのは、地下鉄の駅がある湖の西側エリアです。今回ナビは、駅から湖南側にあるホテル「クラウンプラザ上海ハーバーシティ」まで歩いてみました。直線距離で約2km。いろいろ立ち寄りつつ、写真を撮りつつのんびりあるいて2〜3時間のお散歩コースです。
※「せっかく来たのだから一周したい!」という方もいるかもですが、2016年現在見どころはほぼこのエリアのみです。バスでぐるっと一周してみたナビですが、東側は湖畔がフェンスで囲ってあるエリア、工事中のエリアもあり、散策に向きません。
デッキに屋台がずらり
駅から西側へ歩き始めると、デッキの上に素朴な土産物や食べ物を売る屋台がずらり。貝細工、ゴムヘビなど、日本の海辺の土産物店と品揃えがなんだか似てる!?
人数が集まったら出発するシステム
途中にクルーザー乗り場が。モーターボートは45元(8分/4名以上で出発)、遊覧船は50元(30分/10名以上で出発)とのこと。
空いてて穴場のバーベキュー場
さらに歩くと、右手に「西島」が見えてきます。バーベキュー施設があるエリアとのこと。ナビが訪れた日は夏休み中の土曜日だったのですが、空いていたのでかなり穴場。テーブル、コンロ、木炭、椅子などにひととおりの食材、ドリンクなどがセットになったプランもありました(298元/2名〜)。
きれいに整備されています
ちょこっと湖から離れて西側へ入ってみました。先ほどの地図で見た「山蘭路歩行街(美食天地)」が気になったのですが、行ってみると残念! 数件のローカル飲食店があるほかはまだ工事中でした。
この建物の1階がスーパーになっています
このエリアでにぎわっていたのが「臨港自貿進口食品中心」。輸入食材のスーパーでした。このあたりは自由貿易区らしいのですが、市内のスーパーと比べてもそれほど安い印象はナシ! でも、歩き疲れたときの休憩や、飲み物、アイスの調達には使えます。
イートインコーナーもあります
|
|
値段の格安感はありません
|
中国航海博物館
このスーパーのある甲港大道をさらに西へ進むと、奇抜な外観の巨大博物館「中国航海博物館」があります。こちらもドイツのGMP社が手がけたものだそう。このあたりではメインの見どころです。
船の大型模型がいっぱい
ナビが訪れた日も遠足などでやってきた子どもたちや家族連れでいっぱいでした。中国古代の貿易船や文物から最新の貿易事情、船の構造、コンテナ船の仕事、ヨット競技、ドラゴンボート、海上レスキューなど、船と海に関するあらゆる展示品が並んでいます。説明はほとんど読まずに流し見したナビですが、あっという間に一時間経ってしまうほどの量でした。
湖畔側に戻ってさらに進みます。ウォーキングコースや木立の間を歩ける歩道なども。トイレや地図、案内板は数100mごとに設置されています。人工湖とはいえ、「滴水湖」周辺はもともと湿地や沼地だった場所。自然のまま残っている風景や水鳥の姿も楽しめます。
公園みたいに整備されています
|
|
ウォーキングコース
|
湿地帯
|
|
こんな散策道も
|
上から見ると花びらが5枚並んだような形
半島のように突き出した南島を入ると今回のゴール地点「クラウンプラザ上海ハーバーシティ」に到着! ドバイの建築会社「ATKINS」が手がけたリゾートホテルです。ホテルプライスではありますが、ビアバーやビュッフェレストラン、中華料理店など、宿泊客以外でも使えるレストランが充実しているのでここでの食事もお勧め。ホテル前はタクシーも捕まえやすいので帰りも安心です♪
その他の周辺スポット
ヨットも楽しめる湖です
「クラウンプラザ上海ハーバーシティ」を通り過ぎてさらに進むとヨットクラブが点在しています。インストラクターが常駐していて初心者もOKだそう。クラウンプラザがヨット体験付きプランなどを販売していることもあるのでチェックしてみて。
「ここまで来たら、上海の最果て、最東端に行きたい!」「海まで行きたい!」という方は、「滴水湖」駅2号出口を出て右手のバスターミナル(白い丸い屋根の建物)から「浦東33路」に乗って終点の「南匯嘴観海公園」へ。
モニュメントが点在する広大な公園から東シナ海を見ることができます。ここまで来ると、上海市街地がけっこうな内陸にあることがわかるハズ。最東端なので、海から昇る朝日を見ることもできます。タクシーは滅多に通らないため、バスの時間と乗り方を覚えてからお出かけを。
「滴水湖」の楽しみ方
お勧めはやっぱりのんびりと湖畔を散策すること。市内からやってきた在住外国人にもちらほら遭遇しました。ちょっと遠いけど、手軽にリゾート感を味わえる場所なのです。
かなり広いエリアを歩くことになるので、足に自信がない方はレンタサイクルの利用を。右の地図の自転車マークがあるところと、「クラウンプラザ」のロビー入り口前に貸し出し所があります(一時間30元〜/一人乗り用)。数人乗りしかない場合、デポジットが必要な場合もあります。ほか、地図の緑のラインに沿って循環バス「滴水湖観光線」が走っています(8:00〜18:00、約15分に一回の運行)。タクシー乗り場は「滴水湖」駅2号出口を出たところにあります。
看板を見つけて行ってみると、営業していないお店もあったり……
ネックになるのは食事。値段に妥協すれば、確実なのは「クラウンプラザ」内のレストランです。ほかは、「山蘭路歩行街」にちらほらオープンしていたローカルレストランか、屋台フード、コンビニのような選択肢になってしまいます。または思い切ってバーベキューでしょうか。「せっかくの上海旅行なんだから、いい店で上海料理を食べたい」という方は、滴水湖では食事をしない日程を組んだ方がいいかもしれません。
車窓の風景です
あと、ナビの個人的なお勧めは地下鉄16号線の車窓からの風景です。昔ながらの農村風景がそのまま残っていて、ヤギの群れが見えることも。三角屋根の一戸建ての民家と田んぼ、あぜ道が広がる風景は上海市内とは思えません。ナビ的には、蘇州行きの列車の車窓よりも断然中国らしくて素朴な風景が見える気がします。次回は、「書院」駅や「恵南」駅など、何にもなさそうな駅でふらっと途中下車してみようかな。
いかがでしたか? 湖畔でのんびり過ごしたい派はもちろん、ガイドブックであまり紹介されていない場所、ほかの旅行者が滅多に行かない場所、最果てや秘境に行った達成感を味わいたい方には、「滴水湖」はなかなか魅力的なエリアなのではないでしょうか。行けば上海市の予想外の広さも実感できるハズ。思い立ったらぜひ出かけてみて下さい。
以上、上海ナビがお伝えしました。