人工湖に浮かぶ歴史ミュージアム。貴重な文物や工芸品を展示する企画展も開催。
こんにちは、上海ナビです。
ナビが上海に来てから意識するようになったことといえば、「建築家の仕事」です。日本では、どの建物を誰が設計したかなんて気にもとめずに生活していましたが、上海市内では今も現在進行形で有名建築家たちの作品が建設中。それが日本人の作品だとわかるとうれしくなったりします。今日ご紹介する「奉賢博物館」も、日本人建築家・藤本壮介の作品だそう。2019年5月オープンの大型博物館です。入場料はなんと無料(2019年6月現在)! 早速出かけてみることにしましょう〜。
「奉賢博物館」へ行こう!
「奉賢博物館」があるのは市街地の南側に位置する奉賢区。最寄駅の地下鉄5号線「金海路」駅からは路線バスを乗り継ぎます。日帰り小旅行気分で出かけてみましょう。
3つ目の「湖堤路湖畔路」で下車
乗るバスは「奉賢21路」。3つ目の「湖堤路湖畔路」で下車します。運賃は2元、乗車時間は7〜8分(約15分に1本ほどの間隔で運行)。釣り銭は出ないので、必ず小銭か交通カードをご用意ください。
円形の建物がつながっています
建物はこんな感じ。3つの丸い建物が回廊でつながっています。
入り口では荷物検査と身分証のチェックがあります。日本人旅行者の場合は、荷物検査の後にロビー中央のカウンターへ行き、パスポートを提示して整理券をもらえば入場可能。チケットは無料です。
※公式サイトにはチケット予約のページがありますが、こちらは中国人の身分証のみの対応になっています。外国人は予約不要で直接入館できますが、混雑を避けるため平日に行くことをお勧めします。
入り口で荷物検査があります
|
|
ここでパスポートを提示
|
貴重な資料の数々を鑑賞しよう
それでは早速館内を歩いてみましょう。主な展示フロアは2階、地下1階、2階の企画展フロアです。皆さんにはぜひ現地で発見を楽しんでいただきたいので、さわりだけご紹介したいと思います。館内での写真撮影は基本的に許可されています。
産業と歴史を展示
2階:常設展まずは2階から。戦国時代(三国志の時代)から近代までの奉賢区の歴史と産業について理解を深めることができます。奉賢区という地名自体初めて聞いた方もいるかもですが、実は上海の現在の市街地よりもずっと長い歴史がある地域。塩作りや織物で発展してきた街だそう。
地下1階:常設展
奉賢区は海に面した地域で、約1000年前に築かれた石垣の防波堤が残っていることでも知られます。その技術や海沿いの街作りに関する資料が展示されています。
2019年夏の企画展
2階:企画展フロア今後入れ替えで様々な企画展を開催していくというこちらのフロア。ナビが訪れた日は、博物館のオープニングイベントとして「雍正故宮文物大展」が開催されていました。北京の故宮博物館に収蔵されている清の第5代皇帝・雍正帝の時代の文物を展示する企画展で、初めて上海にやってきたという貴重な品々がずらり。
雍正の時代は、陶磁器の文化が大発展したのでしょうか。詳しくないナビでも釘付けになってしまうような陶磁器の数々が展示されていました。好きな方にはたまらない世界かも。
以上の展示は2019年8月16日までの限定企画展。今後も工芸品や歴史的資料、古代の服飾や陶磁器などさまざまな企画展を開催するそうです。
周辺を歩こう
「奉賢博物館」は、金海湖(通称:上海之魚)という人工湖をメインにしたリゾートエリア内にあります。この人工湖をデザインしたのはドバイのパーム・アイランドを手がけた会社だそう。真上から見ると金魚の形の広大な湖です。2019年現在、まだ周辺は工事中の場所が多いのですが、今後郊外型ホテルなども建設されるのだそう。
エリア内には公園やフラワースポットが点在。ナビが訪れた6月は、コスモスなど初夏の花が一面に咲いていました。こういう、地平線が見えるほど広い場所に来ると、上海市って計り知れないほど大きいなと思います……。まだ更地のエリアも多いので今後様変わりするかも。音楽フェスなんかも開催できそうなエリアだと思います。
ただし、2019年現在周辺にはレストラン、売店などは一切ありません。コンビニも自動販売機ももちろんありません。博物館内にもありませんでした……。夏場などは炎天下を歩くことになるので、必ず飲み物を持参しましょう。「金海湖」駅の周辺や構内にも売店は一切ないので注意が必要です(2019年現在)。
いかがでしたか? 地下鉄網が拡大し、自家用車でのドライブを楽しむ層が増加中の上海は、見どころが郊外へと広がってきている気がします。旅行者の皆さんにはちょっと不便な場所かもですが、でも「普通の旅行者が行かない場所に行きたい!」という方にはうってつけ。歴史や工芸品、建築に興味のある方は、ぜひ「奉賢博物館」まで足をのばしてみてください。
以上、上海ナビがお伝えしました。