「中国茶館」と言ったって、身構える必要全く無し。地元ではと~ってもカジュアルに利用されている茶館でちょっと休憩してみましょう!
皆さんこんにちは、上海ナビレポーターのマチです。
上海で生活していても、あんまり中国的な文化にどっぷり浸かっていない私ですが、日本に居た頃と大きく違うのは、「ほぼ毎日と言っていいほど中国茶を飲んでいる」 こと!
日本では某飲料メーカーのCMのせいか 中国茶=烏龍茶やジャスミン茶 のイメージがとっても強いみたいですが、ちゃうちゃう! 上海でちゃんと中国茶のお店に行くとそのイメージが覆されますよ!
最近では中国茶の授業にちょこっと通っていた私ですが、今回は同じ中国茶教室に通った 茶メイトの上海ガール★ティナと一緒に中国ならではの休憩文化 「中国茶館でのひと時」 をレポートします。
~ 今回やってきたのは 「南香茗茶行」 です ~
「南香茗茶行」 は、襄陽南路にある中国茶葉専門店&茶館です。もともとは上海きっての普洱 (プーアル)茶 の品揃えということで大変有名ですが、日本人に人気のある烏龍茶 (鉄観音や高山茶などがメイン) や茶の湯の中にお花が開く工芸茶などもあり、お土産用の茶葉をお探しの方にも手頃な商品が見つかるお店なんです。
私の場合、時々この辺を通りかかるついでに立ち寄るお店ですが、実はここの併設の茶館の存在が前々から気になっていたんですよね! はて、一見どこが茶館?とお思いでしょうが…。
実はお店の正面玄関から入って、右手奥が茶館なんです。普段は照明が落ちているので 「営業してるんかなぁ?」 と最初はその経営状況を心配していましたが、さすが茶文化が浸透している中国! その後お店の前を通りかかると、友達同士なのか商談中なのか、お茶を飲んでいる中国人の姿を見かけること数回。なるほど、知る人ぞ知っていた!だな。
茶館がメインというお店でもないので、他の茶館に比べるとお客さんは少なめ、だけどかえってとても静かな時間が過ごせそうな気がします。お茶とともに、瞑想…いやいや、たまには環境を変えて読書や仕事などに集中したい人にもうってつけ!
~ 今日は優雅に一番大きな半個室へ ~
私達が茶館に入ったときは丁度他のお客さんと入れ替わりだったので、お客さんは私達のみ。ならば遠慮せずにと1番大きいテーブルに陣取っちゃいました。ここには立派な茶盤 (お茶をいれる台) が用意され、このまま茶芸教室にもなりそうな勢い!
メニューはお経本のようなシブいもの、そして英語表記の付いた赤い見開きのメニューと2種類用意されていますが、内容はいずれも同じ。赤メニューの方が探しやすいです。
メニューは烏龍茶の中でも鉄観音や岩茶など、そして緑茶やローズの香りが楽しめる中国紅茶などで全体の50%、残りの半分はやはりお店自慢の普洱 (プーアル) 茶の数々です。
お茶のお値段は1人58元~。普通の茶葉なら高くても150元前後ですが、ヴィンテージものの普洱茶になると、70年物でな~んと1,888元! お茶にこんだけのお金をつぎ込める人がいたら、見てみたい~~~っ!
~ お茶の淹れ方を楽しむ~
ちょっとここで、お茶淹れスタイルのミニミニ講義!
中国茶は茶葉によって淹れ方もさまざま。烏龍茶などは小さな茶杯と聞香杯を使う 「工夫茶」 というスタイルがポピュラーですが、茶葉そのものが美しい緑茶や花茶などは透明のグラスに直接入れたり、磁器の蓋碗 (フタつきの小さな碗) を茶壷 (急須) のように使ってお茶を淹れる方法なんかもあるんです。
「工夫茶」では茶杯と聞香杯を使い、最もお作法が難しそうな飲み方。でも、実はそんなに難しくも、堅苦しいものでもないんです。熱い聞香杯から茶葉の新鮮な香りを楽しむ瞬間が醍醐味!
緑茶など茶葉の色や形が美しいものは、こうしてガラスの茶器に入れて飲むのが一番! 中国では緑茶が最も一般的に飲まれるお茶で、この飲み方もと~っても普通の飲み方!
「蓋碗」 は、お茶を飲むための蓋付き茶器。しかしこれ1つで茶壷 (急須) と同じ役割もしちゃうんです。ここから直接お茶を飲む方法と、さらに茶海 (ピッチャー) に移したものを小さな茶杯に注ぎ分けていただく方法があります。
では、実践編!
とはいえ、茶館では通常茶芸師さんにお茶を入れていただくので、私達はその様子を楽しみ、有難くいただく、といったところ!
私は 「陳年普洱茶 (58元/1人)」、ティナは 「清心鉄観音 (58元/1人)」 を注文してみました。
今日は蓋碗を使った淹れ方で!?
今までいくつかの茶館を体験してきたんですが、今回は初めて 「蓋碗」 を使った淹れ方でお茶を淹れていただくようです。家で蓋碗を使うときは、別の茶器に移さずそのまま飲んでいたんですが、お茶プロはどう出してくれるんでしょう?
★ お茶プロ、さすがに動きが素早い!!!
蓋碗にお湯を注いだら茶海に捨て、使用する茶器を温めます。
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蓋碗に茶葉を入れ、勢い良くお湯を注いだら蓋をします。
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2~3分蒸らしたら蓋を器用に押さえ、お茶を茶海に移します。
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茶海から茶杯へ1人分ずつお茶を注ぎ、完了です!
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蓋碗を使った飲み方は、ガラスコップを使った飲み方に続いて簡単で初心者にも取り入れやすい飲み方ですが、お茶プロの茶芸師さんは、普洱茶と鉄観音を同時進行で出してくださいました。出来上がりはほぼ同じタイミング、さすがやなぁ!向かって右が 「陳年普洱茶」、左が 「清心鉄観音」 です。お茶の色がぜ~んぜん違う! 違いが分かりやすい(笑)!
最近ご無沙汰だった普洱茶ですが、久々に飲むと他のお茶との味わいの違いは歴然! 口に含んだ一瞬は苦味のようなものを感じますが、次にまろやかさが広がり、飲み干すとほんのりとした甘みが残る感じかな。鉄観音の香り高さとは、また全然違います。
残りのお茶は、茶海に入れたままこうして保温し続けてくれるので、時間がたっても冷めずに美味しい状態でいただけます。1人茶館だって悪くないけど、2人以上ならイロイロ 「利き茶」 もできるので楽しいかも。ティナも普洱茶をお試し中です。
この茶館に行ったのは、ちょうど中国茶教室に2人で通っていたころ。そのせいか、ティナはメニューのチェックにも余念がない様子。フムフム…。ちなみに、鉄観音は半発酵茶と呼ばれる青茶 (烏龍茶) の1種で、ポリフェノールが豊富。肥満や老化予防に関心のある方にはいいお茶ですね。そして、普洱茶は高発酵させた黒茶と呼ばれるもので、消化促進やダイエット効果が有名ですが、冷え性の方にもオススメできるお茶なんですよ。
そうそう、茶館といえば、もちろんお茶うけが出てきます。お店によって多少の変化があるものの、ドライフルーツやヒマワリ/カボチャ/スイカの種などがと~ってもポピュラー。外を歩いていて地面がヒマワリの種カスだらけになっていたら、そこにお茶を飲む人あり!です。しかし、このお店ではフェイントで種シリーズ以外のお茶うけが出てきました。
今回登場したのは 「核桃糕(クルミ菓子)」 や 「番茄飴(トマト飴)」 に 「梅(梅の加工品)」 でした。この辺も割りと定番的な中国お菓子で、グニグニ伸びるような噛み応えが面白いんです。クルミが一番誰にでも受け入れやすい味。トマトは、ちょっと酸味があるけど意外に美味しい。トマトということを忘れ、別モノの食べ物と思ってトライしてみて!
なお、健康志向で冷えが気になる女性に、私がオススメなのはやっぱり普洱茶。特に冬場に温かいものを飲むとカラダもあったまるし、ダイエットに良いと念じながら飲むと脂肪が体内に蓄積されそうな気分をちょっと癒してくれますよ(?!)。
今日はここでティナと暫く休憩。「茶館に行く」 と聞くと、どうも高尚なイメージっていう人もいるかもしれませんが、上海ではと~ってもカジュアルな事なんです。私の家のすぐ近くにある別の茶館も、夜遅くまで現地の人たちで賑わっているんですよね。分かりやすく言うと、カフェのコーヒーがお茶になり、装飾が中華になった…。え、違う? やっぱり高尚であるべき?! もっと味わえ、と?!
それはさておき、皆さんもせっかく茶文化の発達した上海に来たなら、休憩がてら 「ちょっと茶ァ、しばこか」 をやってみてください。茶やから、このセリフでカフェ (昔は喫茶店と呼ばれていた) でコーヒーちゃうで。
ほな、また!