木涜古鎮 (蘇州)

ムードゥーグージェン木渎古镇

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清代の邸宅と庭園が点在する水郷。蘇州西郊外の歴史的古鎮を散策しよう。

こんにちは、上海ナビです。
上海旅行の日程に必ず入れたい場所といえば郊外の古鎮や水郷です。でも、「ガイドブックで大々的に紹介されている場所は食指が動かない」という方は多いはず。かといって、行くのが大変な場所も避けたいですよね。そんな方にお勧めなのが、今日ご紹介する「木涜古鎮」です。高速鉄道と地下鉄で、気ままに身軽に旅したい人にはうってつけ。蘇州の歴史と風情を一ヵ所で楽しめてしまうのも魅力です。早速出かけてみることにしましょう。

「木涜古鎮」」に行こう!

「木涜古鎮」があるのは蘇州市の西郊外。こう書くと遠そうですが、今回ナビは時短節約ルートで行ってきました。中国初心者でも行けちゃうはずです。
約30分で到着します

約30分で到着します

まずは高速鉄道で蘇州駅へ。上海市内の各鉄道駅(上海駅、上海虹橋駅など)から約30分で到着です。市内の切符販売所で個人購入した高速鉄道の切符は片道39元(二等席)でした。
蘇州駅からは、蘇州地下鉄2号線に乗って「広済南路」駅で1号線に乗換え。終点の「木涜」駅で下ります。所要時間約25分、切符は4元です。駅からはやや離れているため、タクシーか三輪自転車で。ナビは三輪自転車で向かいました。片道15元、約15分で到着です。ここ数年、三輪自転車は蘇州観光の必需品になってますよね〜。ここまで、上海から片道58元、1時間半以内で来られました!
※地下鉄5号線開通後(2020年以降)は最寄りが「木涜路」駅となり、徒歩で行けるようになります。
右の丸が蘇州駅、左が木涜駅です
※2016年末以降、地下鉄4号線が開通予定。路線図は取材時点のものです

右の丸が蘇州駅、左が木涜駅です ※2016年末以降、地下鉄4号線が開通予定。路線図は取材時点のものです

地下鉄1号線「木涜」駅。終点です

地下鉄1号線「木涜」駅。終点です

1号出口を出ると、

1号出口を出ると、

三輪自転車乗り場があります

三輪自転車乗り場があります

運賃は15元でした

運賃は15元でした

入り口の地図をチェックしつつ入っていくと、徒歩5分ほどで古い街並になってきます。
北側のこの門の前で降ろされます

北側のこの門の前で降ろされます

地図を見つつ商店街、駐車場を抜けると

地図を見つつ商店街、駐車場を抜けると

街並に入ってきます

街並に入ってきます

出発前に日本で鉄道の切符だけ予約しておきたい方はこちらを。
バス派は「旅遊集散中心」へ。木涜行きは土日のみ運行、運賃は100元(要予約、中国語のみ)。
「鉄道やバスはもちろん自力で行くのは絶対無理!」という方はチャーター車が便利です。

蘇州には「山塘街」が実は2ヵ所

蘇州には「山塘街」が実は2ヵ所

「木涜古鎮」とは?
街が形成されたのは約2500年前の春秋時代。始皇帝の時代からこの地名が使われていたといいます。現在残っている家屋は主に清代のもので、東西1kmほどの運河沿いが散策街になっています。この散策街、「山塘街」とも呼ばれているのですが、蘇州には山塘街が2ヵ所あります。もう一つのほうが観光エリア内にあって大規模なため有名ですが、歴史は木涜のほうが古く、呉の国王が職人の街として発展させた歴史があるのだそう。両方行って比べてみるのもお勧めです。
庭園鑑賞も楽しめます

庭園鑑賞も楽しめます

「木涜古鎮」は「園林古鎮」としても知られています。蘇州といえば庭園ですが、「木涜古鎮」は庭園と水郷の雰囲気を一ヵ所で味わえるのが特徴。明代前後には古鎮内に30もの邸宅があったそうです。水郷と庭園という蘇州の魅力を凝縮した場所だといってもいいのかも。世界遺産に登録されてからますます観光客が増え、入場料が高騰している蘇州市内の庭園ですが、喧噪を離れてのんびり建築や造園美を鑑賞するなら「木涜古鎮」まで足をのばすのもお勧めです。
※「木涜古鎮」は2016現在世界遺産には登録されていません。

「木涜古鎮」を歩こう!

邸宅、庭園に入る場合のみ別途チケットが必要

邸宅、庭園に入る場合のみ別途チケットが必要

それでは早速古鎮内を歩いてみましょう。のんびり歩き、見どころに数ヵ所入って食事をして所要時間は約2時間半。特別なルートはないので、運河沿いを気ままに歩いてみましょう。散策だけなら古鎮への入場料は無料。庭園などに入る場合はその都度入場料(10〜40元)がかかり、各見どころの入り口では通し券(78元)も販売されています。
※18歳未満と60歳以上半額、6歳以下と70歳以上は無料。
運河沿いの散策街はこんな感じ。夏休み中の土曜日だったのですが、混雑していませんでした。のびのび歩ける穴場の水郷だと思います♪
のびのび散策できます のびのび散策できます

のびのび散策できます

運河の風景。蘇州の原風景という感じですよね。
古い石橋は数100年前に架けられたもの

古い石橋は数100年前に架けられたもの

古い運河が街に入り組んでいます 古い運河が街に入り組んでいます

古い運河が街に入り組んでいます

遊覧船乗り場もあります。運賃は10元/名とのことでしたが、6人揃うまで出発しない場合もあるよう。1艘60元と考えた方がいいかも。
清代の建築を見学できます

清代の建築を見学できます

清代に建てられた邸宅にも立ち寄ってみました(要入場券または通し券)。江南名園と称されている「厳家花園」、乾隆皇帝が木涜を訪れると必ず立ち寄ったという「虹飲山房」、庭に松の古木が植えられた文化財住宅「古松園」、清代の思想家・散文家として知られる馮桂芬の旧居「榜眼府第」などがあります。
厳家花園

厳家花園

虹飲山房

虹飲山房

古松園

古松園

榜眼府第

榜眼府第

明月古寺

明月古寺

2016年現在、内部が改修中の「明月古寺」は無料で入れました。935年に創建された仏教寺院で、文革中に破壊されたのち1990年代に再建。現在再び改修工事が行なわれています。工事中ではありましたが、地元のおばあさんが境内で延々と念仏を唱えているような、庶民的なお寺でした。
工事中でしたが、仏像群は見られました 工事中でしたが、仏像群は見られました 工事中でしたが、仏像群は見られました

工事中でしたが、仏像群は見られました

今風スポットがあります

今風スポットがあります

古鎮の西側には、古民家をリノベーションした店舗が集まる「香渓岸・ART」が。地元の若い子向けのお店が多い水郷「朱家角」風にしたかったのかもですが、閑散としていてちょっと残念な雰囲気でした。でも、古い家屋や水路をそのまま残している景観は見る価値あり。
敷地内の雰囲気です

敷地内の雰囲気です

バー、茶館などが点在

バー、茶館などが点在

ブックカフェも

ブックカフェも

2016年現在一部工事中

2016年現在一部工事中

その他にもこんな風景が。2016年現在、工事中のエリアもあるので今後変化もありそうです。
西側は公園みたいな雰囲気

西側は公園みたいな雰囲気

一方でこんな風景も

一方でこんな風景も

変身写真が人気です

変身写真が人気です

通り沿いの風景

通り沿いの風景

蘇州といえば刺繍が有名

蘇州といえば刺繍が有名

店先で書画を書く人も

店先で書画を書く人も

グルメ&お土産

このお店で食べました

このお店で食べました

食べ物の名物は、蘇州近郊の水郷同様「太湖三白(白魚、銀魚、白蝦)」と羊肉、上海蟹など。同行者がヒツジ嫌いで、上海蟹シーズンではない時期に訪れたナビ。とりあえず太湖三白のなかから銀魚を使ったたまご炒めをチョイス。ほか、お勧めの農家菜(農村料理)とのことでキノコと枝豆の炒めものを食べてみました。素朴な塩味で思ったより美味。完食しました。
銀魚とたまごの炒めもの

銀魚とたまごの炒めもの

キノコと枝豆炒め

キノコと枝豆炒め

食べ歩き系の屋台もたくさんあります。
お土産では、松子棗泥麻餅(松の実とナツメ餡入りのクッキー状のお菓子)が有名だそう。木涜名物の烏米飯(黒米の一種)もよく知られているようです。
松子棗泥麻餅

松子棗泥麻餅

烏米飯

烏米飯

ほか、こんなお土産が売られていました。
地酒

地酒

刺繍やシルク製品

刺繍やシルク製品

栗

ハスの実

ハスの実

砂糖菓子

砂糖菓子

扇子

扇子

ナビのお勧めは竹細工。職人さんがその場で作って売っているお店があり、かご、大きめのザルで100元前後でした。

「裏水郷」歩きを楽しもう

古鎮や水郷の話をしたとき、旅行者の皆さんからよく「観光化されすぎてますね」という感想や、「観光化されていないからお勧めですよ」という声をよく聞きます。「観光化されていない」ということは、旅行者にとって魅力の一つなのかもしれません。が、ナビが思うに上海周辺には観光化されていない水郷や古鎮はないのではないかと思います。「木涜古鎮」ももちろん観光化されています。
急に人の気配がなくなったりします

急に人の気配がなくなったりします

でも、「上海周辺の古鎮&水郷あるある」としてナビがお伝えしたいのは、古鎮の敷地から出るととたんに「生の中国の田舎に放り出される」ことです。「観光化」が気になる方は、水郷の敷地外「裏水郷」へ。不安になるほど別モノの、まったく観光化されていない風景が迎えてくれます。「木涜古鎮」だけでなく、ほかの水郷や古鎮でも体験できるのでぜひ試してみて下さい。
クリーニング店

クリーニング店

床屋

床屋

深い路地

深い路地

犬猫がぞろぞろ。近所の住人とのんびり共存しています。
三つ子ちゃん

三つ子ちゃん

おじさんたちのテーブルで堂々と昼寝

おじさんたちのテーブルで堂々と昼寝

ご主人と店番中

ご主人と店番中

民家の入り口には鏡やハサミが。魔物を入れないためのおまじないなのでしょう。
中国の田舎ならではの風習が残っています 中国の田舎ならではの風習が残っています

中国の田舎ならではの風習が残っています

お勧め周辺スポット

木涜古鎮から見える霊岩山

木涜古鎮から見える霊岩山

「木涜古鎮」と合わせて行ってみたいのは、蘇州の西郊外エリアの山々。古鎮から西へ徒歩圏内には、巨石、奇石から成る標高182mの「霊岩山」が。春秋時代に越が呉の国王に美女・西施を献上した地として知られています。地下鉄1号線「木涜」駅の北側には、紅葉の美しさで有名な「天平山」(標高202m)が。また、「木涜古鎮」から南西へ車を15分ほど走らせると蘇州と無錫の間に広がる湖「太湖」に出ます。チャーター車を使う方はぜひ足をのばしてみて下さい。
地下鉄1号線の「木涜」駅から4つ戻った「蘇州楽園」駅周辺は、蘇州きっての日本人居住エリア。駐在員やその家族が多く暮らしているので、日本語が通じるお店、和食屋さんなどが多く、旅行者的にもちょっと安心できる場所です。滞在する場合は「シャングリラホテル蘇州」が便利。

いかがでしたか? 規模的にはこじんまりしている「木涜古鎮」ですが、写真を撮ったり路地を分け入ったりしているとあっという間に時間が過ぎてしまいます。次回は山や湖のほうにも行ってみたいと思ったナビ。ぜひ皆さんも、のんびり時間を取って蘇州郊外の歴史と自然に触れてみて下さい。
以上、上海ナビがお伝えしました。

記事登録日:2016-10-13

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2016-10-13

利用日
女性 男性