上海から行ける中国の世界遺産!

週末旅行で世界遺産へ! 上海から日帰りor一泊で行ける話題のスポットへご案内♪

こんにちは、上海ナビです。
最近人気の旅のスタイルといえば世界遺産めぐりですよね。その国らしい風景や文化に触れることができるのはもちろん、「行ってきた」という達成感も得られたりします。中国も広大なだけあって世界遺産の宝庫。もっとも有名なのは「万里の長城」でしょうか。でも、『上海ナビ』的には行くのがけっこう大変な場所です。ということで今回は、上海から日帰り、または1泊でふらっと行ける距離の世界遺産に出かけてきました〜。

蘇州古典園林 (1997年登録)

中国国内の観光客にも大人気

中国国内の観光客にも大人気

上海周辺でもっともポピュラーな世界遺産といえば、蘇州市内に点在する庭園の数々です。登録されているのは、蘇州4大庭園と呼ばれる「拙政園」「留園」「獅子林」「滄浪亭」と「耦園」「退思園」「網師園」「環秀山荘」「藝圃」の計9ヵ所。以前、北京から上海に下りながら旅をしてきた友人を蘇州に連れて行ったとき、「私が求めてた中国の感じはこれ! 北京はちょっと違うな〜と思った」と、蘇州を絶賛してたことがありました。のんびりと中国の伝統美を楽しめるからでしょうか。
庭園内でスケッチする人も

庭園内でスケッチする人も

太湖石を配置した独特な造園美

太湖石を配置した独特な造園美

古い楼閣が残っています

古い楼閣が残っています

運河沿いをのんびり歩きながらまわると、3〜4ヵ所で一日たってしまいます

運河沿いをのんびり歩きながらまわると、3〜4ヵ所で一日たってしまいます

行き方指南:上海からスピーディーに行くなら、高速鉄道で「蘇州園区」駅へ(約20分。「蘇州駅」を利用するより快適)。ここからタクシーで蘇州地下鉄1号線「時代広場」駅へ(約5分)。ここから地図を見つつ、地下鉄と徒歩でまわるのが通です(退思園だけかなり離れているので、上海から同里観光も兼ねて長距離バスで)。ビギナーの方は4大庭園からめぐってみましょう。4大でもけっこうハードなので、日帰りで行くなら代表する庭園「拙政園」のみでもOK。ツアーを利用するのもお勧めです。
※2014年夏以降、各庭園の入場料が10〜20元ほど値上がりしました。
ツアーで手軽にまわろう!
※2019年より、「拙政園」など主要庭園の入場チケットが事前予約制になっていますのでご注意ください(2019年5月追記)。

<蘇州園区駅が便利なワケ>
ナビ個人の感想ですが、「蘇州駅」はとにかく利用者が多くてゴミゴミしています。タクシーに乗るにも行列だし、待合室も椅子が足りないほど。周辺には気の利いたレストランやカフェもありません。でも、「蘇州園区」駅は静かで利用者が比較的少なく、改札が一つのシンプルさが◎。蘇州地下鉄1号線「時代広場」駅へはタクシーですぐ(タクシー乗り場は並びません)。「時代広場」駅周辺は外資系ホテルや新しいショッピングモールが多いので、観光帰りにここでのんびり夕食やお酒を楽しむことができます!

杭州西湖の文化的景観 (2011年登録)

蘇州に続く上海周辺の人気都市といえば杭州。市内の真ん中に位置する「西湖」は、湖の風景を楽しんだりボートに乗ったりという、一般的な湖系観光地とはちょっと違う楽しみ方があります。それが西湖十景めぐり。それぞれの地点に、有名な『白蛇伝』の伝説が残っていたり、往年の文人墨客たちが詩や絵画に残した風景があったりします。産地でもある龍井茶を湖畔で飲みつつ景観を眺めるのもお勧め。
西湖十景の「花港観魚」

西湖十景の「花港観魚」

「三潭印月」

「三潭印月」

「柳浪聞鶯」

「柳浪聞鶯」

夕暮れから夜にかけての湖畔散策もお勧めです。時間があれば一泊を

夕暮れから夜にかけての湖畔散策もお勧めです。時間があれば一泊を

行き方指南:上海から高速鉄道で「杭州」駅へ(約1時間)。ここからタクシーで西湖の目的ポイントへ(最短5分)。西湖の外周は15kmなので、一周するならレンタサイクルがお勧め。ただし西湖十景は季節的要素が強く、中秋の夜、春の柳が芽吹く時期など、その時期限定で見られる風景も多いので、無理にすべてまわるよりはその時期に合う風景の周辺で過ごすのがいいかも。ビギナー向けコースは、「断橋残雪」から「平湖秋月」へ、堤防から孤山方面へ歩くコースです。

明・清王朝の皇帝墓群ー明孝陵 (2003年登録)

北京、湖北省、河北省など、中国全土に点在している遺跡が世界遺産になっています。上海からもっとも近いのはここ、南京市内の「明孝陵」。明の洪武帝(1368〜1398年)とその妻の墓といわれており、現時点でまだ未発掘。謎が多いからか、まだ実態がわからないからか、世界遺産としてはあまり知られていません。が、ナビはミステリアスなまま保存されているというところに魅力を感じますね〜。
お墓に向かって動物の石像が続きます

お墓に向かって動物の石像が続きます

敷地内の建造物すべてに悠久の歴史が

敷地内の建造物すべてに悠久の歴史が

行くならぜひ梅の花の季節に

行くならぜひ梅の花の季節に

行き方指南:上海から高速鉄道で「南京」駅へ(約1時間半)。ここから南京地下鉄1号線で「新街口」駅へ。2号線に乗換え、「首宿園」駅へ。ここからハイキング気分で徒歩で。人気があるのは、敷地内の「梅花山」が見ごろを迎える初春と、山の紅葉が美しい晩秋。山ではありますが、夏はかなり暑いので体力が必要です。南京市内のほかの見どころもいっしょにまわれるツアーもお勧めですよ。

安徽南部の古村落ー西逓と宏村 (2000年登録)

蘇州、南京など、江蘇省の見どころを攻略したら安徽省へ! 特にこの西逓と宏村は、よほど旅慣れていないと自由旅行で気軽に行くという感じではない場所なので、外国人観光客に出会う率がぐっと低くなります。明〜清代の村落がそのまま保存されていて、村の形は「牛」がモデル。上海近郊の水郷とは雰囲気が違います。『菊豆』『南京の基督』『グリーン・デスティニー』など、多くの名作中国映画がこのエリアで撮影されたそう。
牛の胃のように、村の真ん中に池があります

牛の胃のように、村の真ん中に池があります

古い街並が点在。地元の人の案内がなければ入れない村落も

古い街並が点在。地元の人の案内がなければ入れない村落も

交通網がほぼないため、チャーター車やツアーで行くのが主流

交通網がほぼないため、チャーター車やツアーで行くのが主流

行き方指南:最速は上海から飛行機で黄山屯渓空港へ(約1時間)。ここからチャーター車で約1時間15分。村と村間の移動もかなり大変なので、空港で1日チャーターを申し込むことをお勧めします。バスも少なく、タクシーは基本的に値段交渉制、乗り合い制のため、語学力が必要となります。上海から黄山への列車もありますが、主に鈍行列車のため10時間以上かかることがあります。ほか、高速バス(約6時間)も。心配な方はこのツアーで↓。

黄山 (1990年登録)

中国の山といえば、ここ黄山の風景を思い出す方が多いのでは。切り立った山肌や漂う霧など、山水画のなかに迷い込んだかのような、どこからか仙人が登場しそうな風景を眺めることができます。周辺には温泉や史跡、古い街並も多く、先ほどご紹介した「安徽南部の古村落ー西逓と宏村」とセットで楽しむなら最低2泊はしたいところ。中国に慣れている方、バックパッカーの旅にこだわる方以外は、移動手段などがかなり大変なのでツアーをお勧めします。
天候によって見える風景が変わります

天候によって見える風景が変わります

できればロープウエーでなく自力で登りたい。山頂で、黄山ビールで乾杯!

できればロープウエーでなく自力で登りたい。山頂で、黄山ビールで乾杯!

のんびり行きたい派は、寝台列車(約12時間)で

のんびり行きたい派は、寝台列車(約12時間)で

行き方指南:「安徽南部の古村落ー西逓と宏村」とほぼ同じです。黄山は標高約1800mの山ですので、登る場合は防水登山ウエア、登山靴などの専門的な装備が必要(夕景、朝日などを見る場合はテントや寝袋も。近隣ホテルなどで貸し出しをしている場合もあります)。また、天候や季節によって入れないルートもあるため専門ガイドの指示に従い、単独行動は避けて下さい。切り立った崖が多いので危険な山だといえます。雰囲気を味わうだけならロープウェーの利用が便利。

京杭大運河 (2014年登録)

「運河公園」と「寒山寺」エリアの間に位置する何山橋から見た大運河

「運河公園」と「寒山寺」エリアの間に位置する何山橋から見た大運河

北京から杭州まで続く約2500kmの運河が世界遺産に登録されています。日本でいえば、沖縄本島から北海道までがすっぽり入ってしまう長さ。これを約1500年前から610年かけて掘ったのがこの運河です。気が遠くなる壮大さですよね。古代中国の戦乱の歴史、発展の歴史に影響を与えてきた運河なのです。ただし、見に行くというよりも「こういう運河と歴史があるんだ」ということを知っておくための世界遺産かも。見に行っても、そこには普通の運河があるのみです。景観も、風情あふれる感じではなく、タンカーがガンガン通行する実用的な運河です。
「寒山寺」周辺は運河を中心にこんな散策スポットになっています

「寒山寺」周辺は運河を中心にこんな散策スポットになっています

行き方指南:上海の最寄りを流れるのは蘇州市内。最初にご紹介した「蘇州古典園林」のルートで蘇州地下鉄1号線に乗り、「西環路」駅下車。この駅の西側に運河が流れています。全景を見るなら、駅北側の「何山橋」、南側の「獅山橋」へ(ちょっと歩きます)。運河沿いには「運河公園」があり、この公園の北側「楓橋景区」(有名な寒山寺があります!)も。最近整備され、散策が楽しめるようになりました。
※もちろん北京、天津などでも見ることができます。より歴史を感じたい方は河南省の開封市へ(上海から鉄道で約7時間)。隋の時代にこの運河の開通によってもっとも発展した街として有名です。

ここもお勧め! 上海から3〜4泊で行ける世界遺産

ナビが実際に行ったことがある世界遺産のなかでも、特にお勧めの場所をチョイス。時間をたっぷり取れる方、秘境に行ってみたい方はぜひ!
九寨溝
標高3000m級の山のなかにこつ然と現れる青い湖群。周辺の村落では、今もチベット族が素朴な生活を守りながら暮らしています。行くならお勧めは断然真冬! 観光客がほぼゼロなので、神秘的で雄大な風景を独り占めできます。
真冬はさらに神秘的な雰囲気

真冬はさらに神秘的な雰囲気

山道で少数民族に遭遇

山道で少数民族に遭遇

アクセス:上海から成都経由の飛行機で九寨溝空港へ(計3〜4時間)。ここからチャーター車で1時間半(タクシーはなく、現地での交渉制乗り合いチャーター車が一般的です)。

中国南方カルスト
貴州省、重慶市など広範囲にまたがる独特の地形が世界遺産になっています。もっとも有名なのは広西チワン族自治区の桂林とその周辺の景観。地面から突き出したような形の山が連なり、天然のアーチ、鍾乳洞などが点在しています。
観光地ではない、在来線の普通の線路沿いにこんな風景が!

観光地ではない、在来線の普通の線路沿いにこんな風景が!

桂林の川下り。途中、川岸に野生の水牛たちがいました

桂林の川下り。途中、川岸に野生の水牛たちがいました

アクセス:上海から飛行機で桂林両江空港へ(約2時間半)。ここからチャーター車で約1時間半。
※以上は、桂林旅行の拠点となる陽朔までの行き方です。ほかに雲南省の石林も有名です。そのほか、南方カルスト地形は周辺の貴州省を始め周辺地域全般で見られます。

四川省のパンダも世界遺産

四川省のパンダも世界遺産

<そのほかのお勧め有名世界遺産>
万里の長城、ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群、龍門石窟、開平楼閣と村落、五台山、四川省のジャイアントパンダ保護区、秦始皇帝陵、麗江古城、福建土楼……など、計47ヵ所(2014年現在)。

番外編:ここもチェック!

外灘は貴重な建造物の宝庫

外灘は貴重な建造物の宝庫

外灘18号
日本では横浜赤レンガ倉庫や大多喜町役場庁舎が受賞している「ユネスコ・アジア太平洋遺産賞」を受賞しています。こういった賞をもらっているのは、上海市内ではここが唯一(2014年現在)。館内を散策してみて下さい。
上海近郊の水郷も今後世界遺産に!?

上海近郊の水郷も今後世界遺産に!?

江南水郷城鎮
『上海ナビ』でもよくご紹介している周荘と、その周辺に点在している甪直、同里などの水郷群が現在世界遺産登録を目指しているそうです。ほかの秘境系世界遺産と違って都会から気軽に行けるので、もし登録されたら観光客が激増しそう。今のうちに行っておきます?

いかがでしたか? 行ってみたい世界遺産はあったでしょうか。今回いろいろまとめてみたナビですが、まだ行ったことがない中国国内の世界遺産がたくさんあることに気づいてしまいました。世界遺産の数は世界第2位の中国。どれも長い歴史が築いたもの、雄大な自然が作り上げた景観など、見応えのあるものばかりです。皆さんもまずは近場の上海周辺から、中国の世界遺産めぐりに出かけてみませんか?
以上、上海ナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2014-11-06

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