地下鉄と路線バスで『紅楼夢』の世界へ。淀山湖に浮かぶ古典小説の世界を再現した大型公園。
こんにちは、上海ナビです。
2017年末に地下鉄17号線が開通し、長らく未開の地(?)だった青浦区へ旅行者の皆さんも気軽に行けるようになりました。いろいろ見どころが点在している青浦区ですが、地下鉄開通前は専用観光バスでしか行けなかったのが今回ご紹介する「上海大観園」。80年代にオープンした定番スポットです。『上海ナビ』では観光バスではなく自由旅行で行けるようになるのをなんとなく待っていて、今までご紹介していませんでした(すみません……)。では、早速出かけてみましょう〜。
「上海大観園」へ行こう!
「上海大観園」があるのは、上海市の西郊外・青浦区。最寄駅は地下鉄17号線「東方緑舟」駅で、ここからさらに路線バスを乗り継いで行きます。ちょっと上級者向けで、旅人心をくすぐりますよね。行き方はこんな感じ。
「青商線」という名前のバスに乗ります。名前が似ていてややこしいので間違えないようご注意を
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「金商公路大歓園」の停留所で降ります。運賃は2元、乗車時間は約20分
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乗ったら車掌さんに運賃を払う(交通カードも可)タイプのバスです。乗り降りがないと止まらないバスなので、何個目の停留所かで覚えるのは危険。車掌さんに「大観園」のメモを見せれば降りるときに教えてもらえます |
本数は少ないけど、これで帰るのもアリ
帰りのバス停(降りたところの道路の反対側です)をよく見たら、「金澤古鎮」行きのバスでも行けることが判明。本数が少ないのがネックですが、新天地エリアから乗り換えなしで行けるのは魅力。「金澤古鎮」とセットで楽しむのもお勧めです。
「地下鉄もバスも無理!」という方はチャーター車が便利です。チャーター車なら、「周荘」や「朱家角」とセットで訪れるのがお勧めですよ。
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「上海大観園」とは?1988年にオープンした大型公園です。上海市最大の湖・淀山湖に囲まれたエリアにあり、面積は約15万平米。新しい観光スポットや注目の施設が続々登場している上海ですが、「上海大観園」はオープンして30年間変わらず地元の人の定番郊外スポットとして親しまれています。特に梅の咲く季節(2月下旬〜3月)は多くの地元観光客で賑わうんですよ。
入り口に『紅楼夢』の人物相関図が
「上海大観園」の特徴といえば、18世紀の中頃に書かれた中国の古典小説『紅楼夢』の世界を再現している点。日本語訳でもなかなか難解な『紅楼夢』ですが、お出かけ前に読めば数倍楽しめるはず。あと、「紅楼夢ならドラマで見た。ここがロケ地?」と思う方もいるかもですが、ロケ地は「北京大観園」なのでご注意を。興味のある方は、北京に行ったときに上海の大観園と比べてみるのもおもしろいかもですね。
優雅な庭園をのんびり散策♪
ここが入り口
それでは早速園内を見ていきましょう。敷地内は江南式庭園のような雰囲気。そのなかに小説に出てくる家屋や寺院が点在しています。散策の所要時間はのんびり歩いて1時間半前後。実際に来て見ていただきたいので、以下、見どころの半分くらいをご紹介したいと思います。
チケットを切ってもらいます
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案内板もたくさんあるので安心
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櫳翠庵
登場人物の尼僧・妙玉が修行したお寺。本当の寺院としても機能しているようで、本格的にお参りに来ている人もいました。
稲香村未亡人の李紈の住居。再現された建物ではあるのですが、本当に古民家みたいな雰囲気。
大観楼賈元春(妃)が里帰りして家族と過ごすために建てた屋敷。中は撮影スタジオになっていました。衣装込みで50元〜とのこと。
ほかにもこんな見どころがあります。水辺の景色や季節ごとの花も楽しんで。
練り歩きながら来園客に飴を配っていました
今回ナビは春節休み中に訪れたのですが、園内には『紅楼夢』をイメージした衣装の人が練り歩いていたり、歌のステージなども開催されていました。やや混み合いますが、行くなら祝祭日やイベントシーズンのほうがおもしろいかもしれません。
お役立ち情報
レストランは入り口のここだけ
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食事は?湖に囲まれた農村地帯にある「上海大観園」。周辺に食事できるような場所はなく、レストランは入り口手前にある「杏花村」というお店だけになります。お勧めできないというわけではないけれど、よくある団体向けの観光レストランです。「上海大観園」とセットで周荘、朱家角などにも行くという方は、そちらで食事する日程にしたほうがいいかも。そのほうがより名物を楽しめます。
ほか、園内にはお菓子やカップラーメン、ドリンク類を売るこんな売店もあります。
野菜を売る地元の人
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お土産は?上海のほかのローカル観光地同様、お土産はまったく販売されていません。この場合も、セットで周荘、朱家角に行く方はそちらで買うことをお勧めします。売っているものといえば、近隣の農家の方々がゴザを敷いて売っている産直野菜のみでした。
道端にヤギ
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徒歩圏内の見どころは?「周荘、朱家角には行かない。上海大観園だけで過ごす」という方は、周辺をのんびり歩いてみるのもお勧めです。出口のすぐそこには広大な淀山湖が。これを眺めるだけのためにドライブに来ている人もけっこういました。また、ちょっと歩くとヤギがいるような風景も。
いかがでしたか? もともと『紅楼夢』のファンという方はもちろん、日本人観光客に会わない場所に行きたい、路線バス以外では行けない場所に行きたいというチャレンジャーの方にもお勧めの「上海大観園」。「再現された庭園」とのことで実は期待していなかったナビですが、来てみると本当に史跡みたいで、絵になる風景もたくさんあってびっくりでした。ぜひ皆さんも、都会の喧騒を逃れて『紅楼夢』の世界に浸ってみませんか?
以上、上海ナビがお伝えしました。