地下鉄と路線バスで昆劇のふるさとへプチトリップ。昆山市内に位置する見どころ豊富な隠れ水郷。
こんにちは、上海ナビです。
「川沙古鎮」「新場古鎮」「三林塘」「召稼楼」など、上海近郊の隠れ古鎮をたくさん紹介してきた『上海ナビ』。でも、実はまだまだ紹介できていないストック中の隠れスポットがあるんです。ということで今回蔵出し的にご紹介するのは、上海市内から地下鉄と路線バスで行ける「千灯古鎮」。場所は上海市と蘇州市の間にある昆山市で、京劇と並ぶ中国の伝統芸能・昆劇の発祥地としても知られている場所なんですよ。早速出かけてみることにしましょう〜。
「千灯古鎮」へ行こう!
「千灯古鎮」があるの上海市の北西に隣接する昆山市。最寄駅は地下鉄11号線「花橋」駅です。初心者でも行けるよう詳しくご紹介します。
※11号線は終点が二手に分かれる路線です。必ず「花橋」駅行きに乗ってください。
「花橋」駅1号出口を出て、
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すぐ正面のバスターミナルへ。出て左にもバス停がありますのでご注意を。正面です
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17個目の「千灯」で下車
乗るバスは「253路」。17個目の「千灯」で下車します。運賃は1元、乗車時間は約40分(約15分に1本ほどの間隔で運行)。釣り銭は出ないので、必ず小銭か交通カードをご用意ください。
※帰りのバス停は、降りたバス停から離れています。古鎮の門のある道路(尚書路)を、降りたバス停方向へ曲がらず、東へ進んだところ(「千灯中心小学」の校門向かい)にあります。ご注意ください。
ここに到着
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バスの進行方向とは反対に進むとすぐこの門があります
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門をくぐり、ローカル商店街を進みます
入り口の駐車場左手にチケット売り場があります。古鎮内の散策だけなら無料ですが、記念館やお寺などに入る場合は30元の通しチケットが必要になります。窓口は現金のみとのこと。スマホ決済にすっかり慣れ、財布を持たずに来たナビ。窓口に相談したところ、「美団」「同程」などのアプリで買ってくださいとのことでした(在住者の皆さんにはアプリの方が便利かも)。あと、不思議なのですがチケットは平日60元、土日祝日30元とのこと。お得に楽しみたい方は休みの日にお出かけを。
※タクシーが通らないエリアにあるため、必ずバスの乗り方をマスターしてお出かけください。「無理」という方はチャーター車の利用を。
運河沿いの村を気ままに散策♪
それでは早速敷地内を歩いてみましょう。所要時間はのんびり散策して2時間ほど。数カ所に案内板や地図があるので迷いません。
こんな風景が迎えてくれます。
運河沿いの街です
夕方は早めに閉まってしまう街。朝や昼間がお勧めです
最初ナビは、「千灯」という地名から「多分ランタンがたくさんある街。夕方以降に行った方がいいのかも」と思ったのですが、元は「千墩」という地名で、それが「千灯」に改名されたのだそう。「墩」は「丘状の場所」「古墳(墓地)」などの意味があります。呉越の時代、この一帯に多くの「墩」があったためにこの地名になったそうなのですが、この地にその「墩」があったのは紀元前500年頃の話だそう。自然に風化され、丘自体も現在は見ることができません。
船にも乗れます
船の料金は一艘単位(6人乗り)で80元。家族やグループ旅行の方にお勧めです。水面から見る風景はまた違ったイメージなのかも。
顧堅記念館
昆劇発祥の地としても有名な「千灯古鎮」。敷地内には、昆劇の創始者として知られ1300年代に活躍した戯曲作家・顧堅の記念館があります。祝日やイベント開催時には昆劇のステージを開催することもあるそう。この街で生まれた昆劇は、2001年にユネスコの「人類の口承及び無形遺産の傑作の宣言(無形文化遺産)」に指定されています。
「顧堅記念館」のほか、通し券で入場できるお勧めスポットは以下。皆さんにはぜひ現地で発見を楽しんでいただきたいので、少しだけご紹介しますね。
立派なお寺があります
延福禅寺村の中心的存在の古刹。創建は937年と言われ、明代、清代に修復されて2003年に現在の形になったそう。この境内にある玉佛殿には、2004年にギネスに認定された世界最大のヒスイの涅槃像があります。これも「千灯古鎮」に来たなら必見の珍品。
顧炎武故居
顧炎武故居明代(1600年代)にこの村に住んでいた思想家、経学家の顧炎武の邸宅と庭です。文革時に破壊され、その後修復されたもの。江南風の建築物と造園美を鑑賞できます。一角には顧炎武のお墓も残っています。
ほか、地名にちなんだ展示館「千灯館(古代のランプを展示)」もお勧め。あとは、なぜこの場所にあるのか不明でしたが「徐福記念館」なるものも。日本にも多くの伝承が伝わる徐福、興味のある方は覗いてみては。その他、通し券では計13か所の記念館、展示館などに入場することができます。
お土産と食事
こんな感じの店舗が並んでいます
村内にあるお店はこんな感じ。ローカルな雑貨店がメインなので、喜ばれそうなお土産を探すのは難しいです。でも、チープでレトロでヘンなものが好きな人にはたまらないかも?
現地の人にとっては、江南地方の古鎮でよく作られている豚もも肉の煮込み「万三蹄」が定番土産のよう。でも、旅行者的にはこれ持ち帰れないですよね……。
敷地内で目立っていたのは「奥灶麺」のお店。昆山名物の麺料理で、魚だしに醤油ベースのスープ、大きい具がドンとのっているのが特徴です。が、この日はものすごい暑さで熱々スープの麺を食べる気にならなかったナビ。「奥灶麺」のお店で焼きそばを頼んでみました。村の外側には農村料理の食堂などが並んでいますが、村内で何か食べる場合は麺料理店一択になります。
素朴な食べ歩き系のお店も点在しています。
地元の人の溜まり場
あと、気になったのは素敵な茶館やカフェがちらほら見つかること。次回はこういうお店でのんびりするのもいいなと思いました。
おしゃれなカフェや、
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川沿いのこんな茶館もあります
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いかがでしたか? 今回ナビが訪れたのは日曜日だったのですが、人出も多すぎずゆったり散策することができました。日本人、欧米人などの旅行者にもまったく遭遇しなかったので、まだまだ知られていない場所なのだと思います。といっても、「今後注目を浴びそう」という感じでもありません(笑)。ぜひ皆さんも、「一般旅行者が行かない場所」を目指すなら「千灯古鎮」を目的地候補に入れてみてください。
以上、上海ナビがお伝えしました。