上海の路線バスに乗ってみよう!

いちばん安い観光の足! 車窓の風景を楽しみながらローカルな旅を楽しもう。

こんにちは、上海ナビです。
上海市内の移動というと地下鉄やタクシーがクローズアップされがちですが、実は隠れた人気があるのが路線バス。窓から風景を楽しめる、地下鉄で行けないところに行ける、運賃は一律2元(約30円!)、普通の上海人の生活を垣間みられるなど、旅行者にとっていいこと尽くしなのです。乗り方も思うよりカンタンなんですよ。観光の足に使えば一気に上海通になれる路線バスの旅。この記事を読んでチャレンジしてみて下さい。
空港から市内へのエアポートバスについて知りたい方はこちらの記事をご覧下さい。
外国人観光客向けのこんなバスもあります。
バスと渡し船のセット使いでさらにローカルな旅を!

上海の路線バス基礎知識

白地に黄緑ラインのバスが主流(2014年7月現在)

白地に黄緑ラインのバスが主流(2014年7月現在)

まずは上海市内の路線バスの基本情報から。路線数は把握できないほどあります! 現地サイトでも詳しいバス情報がわかりますよ。
<基本情報> ※2014年7月現在
運賃:市内一律2元(上海から郊外行きは10元前後、郊外のみの路線の一部で1〜1.5元)
子供料金:身長120cm以下は無料(子供の単独乗車は禁止)
市内の路線数:1000路線以上あります!
運行頻度:5〜10分に1本(市内の路線バスは基本的に時刻表はありません)
始発と終電:各路線によって始発5時半前後、最終は22時前後(一部深夜運行専用バスあり)
お役立ちサイト
「上海公交線路査詢」(中国語のみ) http://bus.mapbar.com/shanghai/xianlu/ 
路線番号をクリックすると、そのバスの始発と最終時刻、停留所名、運行地図が見られます。
「8684上海公交査詢網」(中国語のみ) http://shanghai.8684.cn/
出発地と目的地を入力すると、乗るべきバスが検索できます。

日本の路線バスより乗り方カンタン!
日本国内でも知らない街で路線バスに乗るときって緊張しませんか? 降りる場所を見極めてボタンを押さなければならないし、乗るときに支払うのか降りるときに支払うのかが地方によって違うし、整理券を取り忘れたらどうなるのかわからないし、目的地まで随時変わっていく車内の料金表を凝視してなければなりませんよね。

でも上海の路線バスは、市街地なら一律どこで下りても2元。交通カードも使えます。整理券はありません。乗降者がなくても全部のバス停で必ず停まるので、地名がわからなくても「いくつ目の停留所か」を覚えておけばOK。ボタンを押す必要もありません。ただし車内には両替機がありません。1元硬貨を多めに用意するか、交通カードの利用をお勧めします。

<交通カードの買い方、使い方はこの記事で紹介しています>

路線バスに乗ってみよう

それでは実際にバスに乗ってみましょう。初めてでも絶対乗りこなせるよう徹底解説いたします!
バス停を探す
上海の市中心地のメインストリートは、徒歩10分圏内に一つ見つかる間隔でバス停が設置されています。市街地で一般的に旅行者の皆さんが使うエリアのバス停は2種類。ポール状のものと、ベンチ、雨よけなどがついたタイプがあります。
ポール型

ポール型

ベンチ付き型

ベンチ付き型

各バス停には、停車するバスの番号と停留所名のプレートがあります

各バス停には、停車するバスの番号と停留所名のプレートがあります

バス停の表示をマスター
以下、二つを知っておけば迷いません。まずはバス停に掲示されているものをじっくり見てみて。
一、路線名=番号
日本の路線バスは「○○経由××行き」のような名前ですが、上海は一部を除きすべて番号です(数字のあとに「路」をつけて呼びます)。目的地に行くバスの番号を覚え、その番号のバスに乗ればOK。各バス停には、そのバス停に停まるバスの番号と路線が書いてあります。
各バスのフロントガラス上部と、前のドアの部分に番号が。ここを見て乗るバスを判断します 各バスのフロントガラス上部と、前のドアの部分に番号が。ここを見て乗るバスを判断します

各バスのフロントガラス上部と、前のドアの部分に番号が。ここを見て乗るバスを判断します

黄緑と水色の路線があります

黄緑と水色の路線があります

この路線表、黄緑と水色がありますが、黄緑は通常運行の路線、水色は深夜のみ運行の路線という意味。通常運行の黄緑表示には、赤い矢印の上に始発と最終の時間が書いてあります。水色の深夜運行路線は、到着時刻が書かれています(深夜運行路線のみ時刻表があります)。
黄緑の路線は通常運行のバス。赤い矢印の上に始発と最終の時間が

黄緑の路線は通常運行のバス。赤い矢印の上に始発と最終の時間が

水色は深夜から早朝にかけて運行。時刻表があります

水色は深夜から早朝にかけて運行。時刻表があります

各バス停名はこんな感じ

各バス停名はこんな感じ

二、停留所は交差点付近にあり
日本のバス停より断然わかりやすいのがバス停名。「○○路××路」という停留所名が多いのですが、これは「○○路と××路の交差点付近」という意味。この場合、先にくる道路名にバス停があり、後の道路名は近くで交差する道路名を指します。これを知っておけば、地図アプリなどを見るだけでどこに着くかすぐにわかりますよ。
920路のバスが来ました〜

920路のバスが来ました〜

乗車する
ナビは今回「天平路淮海中路」のバス停から「淮海中路陝西南路」に行きたかったので、「920路」に乗ることにしました。バスが来たら前のドアから乗車します。ドアを入ると運転席のところに料金箱と交通カード用タッチパネルがあるので、ここで先に料金を支払います。現金の場合は1元硬貨のみ使えます。両替機はないので注意が必要です。
目的地がいくつ目のバス停か確認してから、

目的地がいくつ目のバス停か確認してから、

前のドアから乗車します

前のドアから乗車します

左が交通カードをタッチするタッチパネル(赤い数字は、上が運賃、下が時間)。硬貨の場合は右下の黄色い「硬币口(コイン投入口)」から1枚ずつ入れます

左が交通カードをタッチするタッチパネル(赤い数字は、上が運賃、下が時間)。硬貨の場合は右下の黄色い「硬币口(コイン投入口)」から1枚ずつ入れます

ワンマンバスが主流

ワンマンバスが主流

※市内を走るバスのほとんどはワンマンバス。運転手への話しかけは原則として禁止されているよう。数年前のガイドブックには、「切符は切符を売る係員から乗車後に買う(現在このシステムになっているのは郊外行きとエアポートバスのみ)」「○○へ着いたら教えて下さい、と乗務員に伝えておく」などのバス利用法が書いてあります。古い情報なのでご注意を。
平日午後の混み具合です

平日午後の混み具合です

バスの車内で
平日昼間の移動ならほとんどの場合座れる混み具合です。ひと昔前に上海旅行をされた方なら、「上海のバス=ギュウギュウ詰めで降りるの大変」のイメージかも? でも、今は地下鉄や電動バイク、マイカーなどの利用が増えているので、バスの混雑は緩和されています。車内アナウンスは中国語と英語(一部の路線で上海語も)です。
車内にも路線図が貼ってあるので、わからなくなったら再チェック

車内にも路線図が貼ってあるので、わからなくなったら再チェック

ニュースや広告を流すモニターもあります

ニュースや広告を流すモニターもあります

お年寄りに席を譲ってみよう

お年寄りに席を譲ってみよう

※上海は日本以上にお年寄りに席を譲る習慣が定着しています。上海市民のお年寄りは、「敬老カード」で路線バスに乗ることができ、このカードでお年寄りが乗車すると「敬老卡(ジンラオカー)」のアナウンスが流れます。満席だった場合、このカードで乗車してきた人がいたら必ず席を立ちましょう。黄色いシートが優先席になっています。※2016年6月より「敬老卡」が廃止されます(2016年5月追記)。
後ろのドア付近に行って降りる準備を

後ろのドア付近に行って降りる準備を

バスを降りる
上海の路線バスは降りる人がいなくてもすべてのバス停に停まるので、「目的地までいくつ目」ということを覚えておけば失敗なく降りられます。降り口は後ろのドアです。
<ここに注意!>
スリ被害
地下鉄同様、混雑した車内ではスリの被害に遭う人がいます(旅行者だけでなく、地元の上海人も被害に遭っています)。服のポケットやトートバッグなど口の開いたバッグに財布、スマホなどを入れないように!
大荷物、車椅子
上海の路線バスには、スーツケースを置く空間や網棚などはありません。身軽な格好で、街歩きの足としての利用をお勧めします。また、ノンステップバスや車椅子スペースがあるバスはまだごく一部なので、お年寄りや体の不自由な方は不便さを感じるかもしれません。

有名観光地に行けるお勧め路線

観光の足に使ってみよう

観光の足に使ってみよう

地下鉄の駅よりバス停のほうが近い! 地下鉄だと乗り換えなければならないけどバスなら1本で行ける! など、知っておけば便利なバスを数ある路線のなかから5路線をピックアップしてみました。
※2014年7月現在の路線です。工事などで迂回することもありますのでご注意ください。また、一方通行などの理由により、往路と復路では通過する道路が異なる場合があります。ルートは車内掲示の路線図などでその都度ご確認ください。
11路:下町エリアをぐるり循環
豫園付近を地図で見ると、人民路(途中から中華路)という円形の道路がぐるっと豫園エリアを囲んでいることが分かります。このバスはここを一周する路線。文廟、十六鋪、南市エリアなど、意外と地下鉄の駅から離れているスポットに近いところを通ります。循環しているので、窓から見て「あれ何!?」思ったところで気軽に降りてみて。カオスな下町めぐりができます。
24路:地下鉄だとかなり大変なルートを一本で
市街地北側のベッドタウン・長寿路エリアから南京西路、淮海中路、復興中路を通って豫園南側、南外灘エリアまで行ける路線。終点まで乗るのも大冒険できるけど、南京西路と淮海中路(陝西南路を通って行きます)の移動だけのピンポイント使いもお勧め。上海を代表するストリートなのに、この2ヵ所間の移動はけっこう大変なんです。でも、このバスを知っていれば便利♪
37路:バスで「外白渡橋」を渡ろう
静安寺エリアから南京西路を通り、人民広場、南京東路、外灘を経てレアな史跡が多い北外灘エリアへと行く路線。特に外灘は、上海を代表する観光地ながら地下鉄の最寄り駅からけっこう歩くんです。人民広場、南京東路エリアから外灘までのピンポイント使いも便利。蘇州河にかかる史跡「外白渡橋」を渡るので、車窓からウォーターフロントの絶景を眺めることができます。
167路:上海を縦断する見どころ満載路線
龍華寺エリアから上海体育館、徐家匯、衡山路、淮海中路、人民広場を通って魯迅公園前まで行くゴールデン路線。旧フランス租界エリアと旧共同租界(日本租界)をつないでいるので、歴史散歩にもぴったりです。この路線の乗り降りだけで上海を丸ごと楽しめそう。日程に余裕がない方は、終点まで一気に乗るだけ(約1時間、運賃2元)で車窓からさまざまな街並を楽しめますよ。
920路:淮海中路エリア滞在なら乗りこなしたい!
徐家匯、淮海中路方面から豫園エリアまで行ける路線。淮海中路だけで停留所が7ヵ所もあるので、街歩きやショッピング時は便利に乗り降りできます。メイン区間の淮海中路では911路(閔行区〜虹橋エリア〜上海動物園〜老西門)、926路(上海体育館〜外灘方面)と並走するので、乗り換えて別の目的地に行くことも可能です。

いかがでしたか? バスの魅力は何といっても普通の上海人たちに混じって街を移動できること。もし降りる場所を間違えてしまっても、そこは旅行者が滅多に行かないレアなエリアかもしれません。1〜2区間なら歩けちゃうバス停の距離感も魅力ですよね。ぜひ皆さんも、路線バスを乗りこなして気ままな街歩きを楽しんでみて下さい。
以上、上海ナビがお伝えしました。



上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2014-07-23

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