湖畔に佇む箱形の大型シアター。クラシックや演劇の公演と、斬新なデザインの建物内探検を楽しもう。
こんにちは、上海ナビです。
意外に思うかもしれませんが、上海にはクラシック音楽やバレエ、ダンスなどの鑑賞を趣味にしている人がたくさんいます。この分野にそれほど興味があるわけではないナビも、たまにチケットをもらって行くと満席だったりするのに毎回びっくりしています。観客がノリノリで手拍子したり、演奏が終わると大歓声が起こるのも上海ならでは。演奏家の皆さんも楽しそうなのです。そんな音楽ホールのナビイチ押しの場所が今日ご紹介する「上海保利大劇院」。早速出かけてみましょう。
「上海保利大劇院」に行こう!
「白銀路」駅は地上に駅があります
「上海保利大劇院」は上海市街地の北西、嘉定区にあります。最寄り駅は地下鉄11号線「白銀路」駅。駅からはかなり離れていて、2016年まで白銀路が工事により一部通行止めため(2015年2月現在)迂回しなければなりません。駅前でタクシーを拾って行くのが一般的です(駅からは5〜6分)。ただし「白銀路」駅前は人通りが少なく、タクシーがあまり走っていないのが不安。ナビは10分ほど待ってやっと捕まえることができました。
ほか、市街地からバスで行く場合は以下のようなルートがあります。
1、上嘉線:「上海南駅」のバスターミナルから乗り、「白銀路沪宜公路」下車
2、沪唐専線:「上海駅」(共和路のバスターミナル)から乗り、「白銀路沪宜公路」下車
劇場の東側にあるこのバス停に着きます
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バスを降りるとすぐこんな看板があるので迷いません
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場所ははっきり言って不便です……。でも、お客さんはほとんどがマイカーで来るそう。「自力で行けないかも」と思う方はチャーター車の予約を。
夜の公演がある日は公演終了後に「上海保利大劇院」の西側の駐車場から地下鉄3、4、11号線「漕楊路」駅行きの無料シャトルバスが出ます(当日このバスがあるかどうかは直接お問い合わせ下さい。公式サイトにもバスの出発状況が表示されます)。
また、劇場内、劇場周辺には飲食店が一切ありません。夜の公演を見る場合は、市内で夕食を済ませてから行くことをお勧めします。2015年2月現在、周辺にはショッピングモールやホテルなどが建設中。1〜2年後には食事やショッピングを楽しめるエリアになりそうです。
安藤忠雄氏も講演で訪れています
<「上海保利大劇院」基礎知識>オープンは2014年の秋。設計を担当したのは日本人建築家・安藤忠雄で、『情熱大陸』(TBS)などでもこのホールの仕事に関わる様子が紹介されていたようです。館内には1466席の大ホール、数100席(配置により変化)の小ホール、水辺の野外ステージなどがあります。今後は展示施設やカフェなどもオープンするのだそう(2015年2月現在)。ホールの東側には「遠香湖」が広がっているため、「水景劇場」とも呼ばれています。
公演内容は、主に国内外の演奏家によるクラシックの演奏会、京劇、演劇、子ども向けの演劇やミュージカル、ダンスなど。国内アーティストの演奏会で30元〜、海外アーティストで80元〜とチケットの価格が手頃なため、地元の親子連れなども気軽に訪れています。チケットは公式サイトや電話での予約(英語OK)と、直接会場で買う方法があります。当日券は売り切れる場合があるため、事前購入がお勧め。
チケット売場は7号口を入ったところにあります
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公演のない日もここは営業しています(9:00〜20:30)
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そのほか、嘉定区内の指定郵便局などでチケットを取り扱っています(詳しくは公式サイトを) |
建物を見てみよう!
まずは建物全体をぐるっと見てみました。四角いメタリックな建物に穴が。その穴から奥に通路が続いている斬新なデザインです。
白銀路側(建物の北側)です
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正面エントランス
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遠香湖側(東側)
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見上げるとこんな感じ
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野外劇場です(穴の中が客席)
白銀路側の正面から左手(湖側)へと歩いて行くと、南側側面に野外ステージが見えてきます。ステージ奥の階段を上がると、西側側面の穴に入って行くような通路が。
野外ステージの奥になだらかな階段
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階段の上から見た野外ステージ
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建物の西側。上り坂の通路です
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ここからまた屋内に
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小ホールへのエスカレーター
ここを入ると小ホールへの長いエスカレーターがあります。先ほど、白銀路側の側面から見えた穴の中のエスカレーターですね。
この日は小ホールが開放されていなかったのでエスカレーターを上ってまた同じ場所に降り、東側側面へ進んでみました。その先には、またまた先ほど見た野外ステージの客席部分がありました。ここから外へ出て、ひと通り外側の散策は終了です。順路どおりに進むと、建物全体を ぐるっとまわりながら上れる構造なんですね。ここまで、公演がない日でも、入場券がなくても入ることができました(2015年2月現在)。
上って、
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下りてみました
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東側側面の空洞の中に入ったり
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さらに進むと先ほどの野外劇場の客席が
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ほか、印象的だった一角です。ぜひいろいろ探検してみて下さい。
心地良さ満点のホールでステージを堪能
夜はまた雰囲気が変わります
場所も遠いし、昼間はまったく人の姿がなかった「上海保利大劇院」周辺。ほんとにここに公演を見に来る人がいるのかな……と不安になりつつも、夜のホールに潜入してみました。が、ちゃんとお客さんがいっぱい! 地元の人にとってはもうお馴染みのホールなのかも。
館内を散策してみました。コンクリート打ちっぱなしの壁や、登ってもなぜか疲れを感じない階段など、安藤忠雄の設計だな〜と思わせられる場所がいっぱい。
ロビー
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大ホール入り口
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ここでチケットを切ります
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2〜3階席への階段
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1階エントランス奥にクロークと自動販売機があります。2015年2月現在、売店、飲食店はありません。トイレは各階に2ヵ所ずつありました。
大ホールの中はこんな感じ(ナビは3階席でした)。床、椅子、壁などすべて木製。大理石のような冷たいイメージの建材を使うことが多い上海の公共施設ですが、「上海保利大劇院」のホールは軽やかでぬくもりがある空間。3階席の、思った以上の高さにもちょっと興奮しました。
今回ナビが鑑賞したのはアイリッシュダンスのステージ(3階の末席で80元)。アイルランドから招いたダンスチームの舞台で、とても楽しめました。お客さんもなんとほぼ満席! ※公演中の写真撮影や飲食は禁止されています。
いかがでしたか? 上海郊外のベッドタウンや商業街は、2015年現在もどんどん発展中です。何もないところにポンッとランドマークができ、その周辺が街になっていくという感じでしょうか。新しい街や施設は、市中心よりも郊外に多くなっている昨今の上海。ぜひ皆さんも、音楽鑑賞も兼ねて上海の最新の文化施設事情、建築物事情を見に行ってみてください。
以上、上海ナビがお伝えしました。