上海の中心でアート、音楽、グルメ、ショッピング、お散歩を楽しむ! 市内観光と交通の拠点を徹底解剖。
こんにちは、上海ナビです。
上海の街には、日本の都市とは大きく異なるところがあります。それは、「駅=街の中心地」ではないこと。上海駅、上海南駅、上海虹橋駅など、主要ターミナル駅はすべて繁華街や観光地から離れたところにあるんです。地元上海の人たちは、「人民広場」を上海の中心地と考えているよう。繁華街へ通じるストリートが交わっていて、バスや地下鉄の路線も多く、地図の位置的に見ても上海のど真ん中。旅行者にとっても、街歩きや観光の拠点になる場所です。今回は、旅の目的を問わず誰にでもきっと役立つ人民広場エリアの主要スポットをご紹介したいと思います。
人民広場はこう歩く!
人民広場エリアは、ざっと区切ると北は南京西路、東は西蔵中路、南は延安中路、西は黄陂北路に囲まれたエリア。何も見ず、どこにも立ち寄らずに歩いても、一周一時間はかかるほどの広さです。地下鉄が便利な場所ではあるものの、とにかく駅構内が広いので乗り換えには大変な時間がかかります。また、出口番号を間違えるととんでもなく遠いところに出てしまうのでご注意を。荷物を持ったままの移動はオススメできない場所です。
人民広場からは、徒歩で行ける観光地もたくさんあります。徒歩30分以内の範囲には、南京東路、外灘、新天地など。地図を片手に周辺ウォーキングに挑戦するのもオススメ。
でも、ただ交通拠点として通り過ぎてしまうのはあまりに惜しい場所。博物館や美術館めぐりにショッピング、グルメ、散歩、エンターテインメント鑑賞など、ゆっくり過ごせば充分ここだけで一日過ごせてしまえる場所なんです。見どころを分けるなら、東西南北の4カ所。それでは早速各エリアをご紹介して行きましょう。
人民広場北エリア/南京西路周辺
南京西路側の人民広場北エリアには、ラズロ・ヒューデックの設計による「国際飯店(パーク・ホテル)」をはじめ共同租界時代のレトロモダンなビル群がずらり。サブカル系アミューズメントスポットもありますよ。地下鉄は7〜11号出口がこのエリアにあたります。
遠目でも分かるこのエリアの目印はこのビル!
<人民公園>こちらの見どころと言えばココ。都会の真ん中にありながら、深い緑の森に入れるオアシスのような場所です。園内には、国内外の現代アートをメインに企画展を開催している美術館「上海当代芸術館(MOCA)」、モロッコ料理が楽しめるラウンジ「Barbarossa」があります。アートファンはもちろん、深夜になると「Barbarossa」周辺にはさまざまな国籍のクラウドたちが集まって、上海とは思えない雰囲気に。
さまざまな種類のハスの花が咲く池やミニ遊園地周辺は、お年寄りや子どもたち、カメラマン、カップルなど、常に人でいっぱい。
北門あたりを歩くと、毎週末こんな集団に行き合います。体操するでもなく、何かに並んでいるわけでもない50〜60代くらいの方々。植え込みには何か紙を貼付けています。彼ら、何をしていると思いますか?
答えは「子どもの嫁(婿)探し」。親同士が自分の息子(娘)に合う人を探す場なんです。紙にはプロフィールが書かれていて、それを見て親同士が気になった人に声をかける仕組み。日本だったら、自分のプロフィールを親が公園に貼り出したっていうだけで大ゲンカになってしまいそうですが……。紙を見ると、30代前半の女性が多い感じ。女性が仕事で大活躍できる上海では、日本以上に晩婚化が問題になっているようです。毎週末集まっているので、興味のある方は見に行ってみては。
<新世界>人民広場北側のランドマークと言えばココ。10階建ての総合デパートで、スタイリッシュなショッピングモールが増えた上海のなかでも、独特のあか抜けない「中国のデパート」加減を保っている場所です。毎朝9時ごろ、お店の前で従業員全員が音楽体操を行うのが名物。館内には、「マダムタッソー蝋人形館」「セガ・プレイヤーズアリーナ」などのエンタメスポットも。上海で1、2を争う怖さのホラーハウスもあります。
このエリアのオススメスポット。
人民広場東エリア/西蔵中路周辺
人民広場エリアでもっともにぎやかな場所です。地下鉄の出口は2〜6号を目指しましょう。西蔵中路は横断できる場所が少ないので、スムーズに歩くなら地下通路や出口を把握しておく必要があります。
このエリアの目印はこのビル!
<沐恩堂>何度か人民広場エリアを訪れたことがあるという方でも、「知らなかった」という人が意外と多いのがこのキリスト教会。1800年代に建てられた歴史ある教会で、現在も多くのキリスト教徒がここを訪れます。無料で入れるので、その建築美をぜひ鑑賞してみて下さい。人民広場周辺はとにかく人が多くにぎやかなので、「静かな場所で休みたい」と思ったときにも重宝する場所。無料でお茶がふるまわれるときもあります。
<城市規劃展示館>上海の街の過去と未来を展示しています。巨大ジオラマがあることで有名ですよね。この建物の地下は、「1930風情街」という駅ナカコンコースになっていて、無料で1930年代の上海を再現した小さな街を歩くことができます。チープな雑貨屋さんや買い食いスポットも豊富。ナビのお気に入りは、日本にも昔あったようなレトロな喫茶店「老城珈琲」。静かで空いているので、外の喧噪に疲れたときのひと休みにぜひ。
その他のオススメスポット。
人民広場南エリア/延安中路周辺
南エリアに行くには、「人民広場」駅1号出口、または8号線「大世界」駅が最寄り。北と南では地下鉄一駅分の遠さなんです。ここのランドマークと言えば「上海博物館」。また、地下には「香港名店街」「迪美購物中心」などのショッピングスポットがあります。
主な目印はこちら。
「大世界」。※2010年8月現在工事中。
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上海市政府(市庁舎)。
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<上海博物館とその周辺>仏像、陶器、中国画、青銅器など、何千年もの歴史を持つ文物が多数展示されています。ミュージアムショップは、お土産調達にもぴったり。でも、館内だけ見学してすぐ移動してしまうのはもったいない場所。博物館北側には、カップルや子どもたちに大人気の噴水広場や、ハトが放された緑地があるんですよ。
<香港名店街と迪美購物中心>このエリアの地下には、値段交渉も可能な激安ファッションストリートがあります。アクセサリー、靴、小物などを売るショップがずらりと並んでいて週末は大にぎわい。掘り出し物探しにぜひ。
ほかにもこんな見どころがあります。
人民広場西エリア/黄陂北路周辺
他の3エリアの異なり、静かでハイソな雰囲気が漂うのが西エリア。地下鉄の出口からはやや遠く、「人民広場」駅11号出口から数分歩く感じになります。
主な目印です。
5つ星ホテル「JWマリオット上海」。
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「上海美術館」。
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<上海美術館>人民広場が競馬場だった時代に建てられた、古城のような建物でお馴染み。時計のある塔は広い範囲から見えるので、待ち合わせ場所としても役に立ちます。展示内容は定期的に変わりますが、上海ビエンナーレなどの人気イベント時は入場できないことも。中国画、現代アート、海外アーティストの作品まで、幅広いジャンルを扱う美術館です。
上海美術館のすぐ南側には、クラシックやバレエ、ミュージカルの公演が開催される「上海大劇院」があります。
その他のオススメスポット。
いかがでしたか? 「人民広場」は、主要文化施設、デパート、ホテルなどが集まる上海の中心地だということがおわかりいただけたのではないでしょうか。駅ではなく広場が中心なんて、日本人的にはちょっとしっくりいかないところはありますが、見どころの多さや市内各地へのアクセスの良さを考えると、やはりここが旅の拠点のような気がします。旅の計画、ホテル選びに、ぜひ覚えておいて下さいね。
以上、上海ナビがお伝えしました。