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この場末感が魅力的!? 日本ゆかりの歴史建築が点在する北外灘のオールド美食街。

こんにちは、上海ナビです。
上海は、海、山、リゾートではなく、街歩きや探検を楽しむための観光都市です。ガイドブックには乗っていないストリート、車移動では気がつかない史跡もいっぱい。丹念に街を歩いた人だけが知っている場所、お店などがたくさん隠れている街なのです。今日ご紹介する「乍浦路」も、お散歩大好き派の上海通なら必ず知っているストリート。戦前の日本にまつわる史跡を眺め、庶民派グルメを楽しみながら上海を代表する観光地「外灘」まで歩いてみましょう〜。

「乍浦路」に行こう!

最寄りは「四川北路」駅2号出口

最寄りは「四川北路」駅2号出口

「乍浦路」があるのは「外灘」の北側エリア。最寄りは地下鉄10号線「四川北路」駅です。この駅周辺から南下して行くのが王道の歩き方。
2号出口を出て左の四川北路を左へ

2号出口を出て左の四川北路を左へ

すぐ目の前の武進路を左折

すぐ目の前の武進路を左折

一本目右手の角が乍浦路入り口です

一本目右手の角が乍浦路入り口です

<乍浦路の歩き方>
まず知っておきたいのは、共同租界日本人居住区のこと。1920年代前後(日本の大正時代前後)、上海と日本の長崎県はパスポートなしで行き来できたといい、上海には数10万人の日本人が住んでいたそうです。当時上海に住んでいた主な日本の有名人といえば内山完造や金子光晴。李香蘭も有名です。彼らにまつわる史跡は「魯迅公園」周辺に集まっています。
「魯迅公園」エリアより南側にあるのが「乍浦路」。「四川北路」駅から「外灘」エリアまで続く約1kmの路地です。お散歩に丁度いい距離ですよね。北側には、ややマイナーな日本ゆかりの史跡が点在。南側には80〜90年代に一斉を風靡した美食街があります。それでは早速、「乍浦路」 の北側の起点となる武進路とのT字路から歩いてみましょう。

武進路〜海寧路

数100mの短い範囲に見どころが集まっています。日本人が住んでいた形跡を探しながら歩いてみましょう。
通りに入るとすぐ右手に見える白い建物が旧西本願寺です。プレートを見ると、岡野重久が設計し、島津工作所という会社が建てたとのこと。竣工は1931年です。当時上海に住んでいた日本人たちの葬儀もここで行なわれていたそう。建物の雰囲気やレリーフなどは、東京・築地の西本願寺に似ていますよね。現在はイベント会場(ショーパブ?)として使われているそう。ナビが訪れた日は閉まっていました。
乍浦路入り口

乍浦路入り口

すぐ右手にこんな建物があります

すぐ右手にこんな建物があります

外側からじっくり観察 外側からじっくり観察 外側からじっくり観察

外側からじっくり観察

その先、こんな商店街を眺めながら進むと、右手に果物屋さんが見えてきます。
こんな商店街の、

こんな商店街の、

右手にくだもの屋さん

右手にくだもの屋さん

奥にこんな建物が見えます

奥にこんな建物が見えます

この奥には日蓮宗のお寺として使われていた建物が。屋根や木の階段、階段の手すりなど、日本のお寺そのものですよね。
建物のパーツだけ見ると日本の建築そのもの 建物のパーツだけ見ると日本の建築そのもの 建物のパーツだけ見ると日本の建築そのもの

建物のパーツだけ見ると日本の建築そのもの

今は普通に住宅として使われています。敷地内には猫がちらほら。猫好きが住んでいるのでしょうか。
普通に住人が出入りしています

普通に住人が出入りしています

猫が飼われていました

猫が飼われていました

洗濯物がいっぱいの中庭の奥に

洗濯物がいっぱいの中庭の奥に

この左手奥にも日本建築らしい面影を残した建物が。ここも住宅として使われているようです。
この建物

この建物

階段がお寺!

階段がお寺!

中は住居になっています

中は住居になっています

庶民的なものがいっぱい

庶民的なものがいっぱい

乍浦路は海寧路を渡ってさらに続きます

乍浦路は海寧路を渡ってさらに続きます

さらに進むと交通量の多い海寧路にぶつかります。その手前にも古い建物や飲食店が並んでいます。
海寧路手前にいつも行列のお惣菜屋さん

海寧路手前にいつも行列のお惣菜屋さん

こういう雑居ビル、市内では見なくなりました

こういう雑居ビル、市内では見なくなりました

海寧路〜武昌路

海寧路を渡ってさらに南下してみましょう。
通りの様子です

通りの様子です

この一帯には地元の人に人気の飲食店がぎっしり並んでいます。こんなお店が見つかりました。
小吃「老萬昌」

小吃「老萬昌」

広東料理「珠江大酒店」

広東料理「珠江大酒店」

焼き小籠包「金彪生煎王」

焼き小籠包「金彪生煎王」

湖南料理「湘蒸味」

湖南料理「湘蒸味」

海鮮中華「王朝海鮮大酒楼」

海鮮中華「王朝海鮮大酒楼」

日本料理(?)「江戸っ子木白屋」

日本料理(?)「江戸っ子木白屋」

昆山路との交差点にこんな建物を発見。1923年竣工の建物だそう。一階には拉麺屋さんが入っています。もしここがフランス租界エリアだったら、カフェやバーが入る複合ビルにリノベーションされてしまっているかも。庶民的なままで残っているのが乍浦路の老房子のいいところです。
牛肉拉麺のお店

牛肉拉麺のお店

浦西公寓(ピアスアパート)

浦西公寓(ピアスアパート)

さらに進んだ右手にある「浦西公寓」は、このエリアでもっとも有名な歴史建築物。1931年竣工のマンションで、当時は「ピアスアパート」と呼ばれていました。住んでいた日本人はアヘン王と呼ばれた里見甫。ほかにも魔都・上海で暗躍していた富豪がたくさん住んでいたハズです。
入り口はここ。門が開いていれば中庭まで入れます 入り口はここ。門が開いていれば中庭まで入れます

入り口はここ。門が開いていれば中庭まで入れます

一週間だと2500元だそう

一週間だと2500元だそう

今も住宅として使われている「浦西公寓」。近くの不動産屋さんを覗いてみたところ、外国人向けのレンタルもOKのようです。賃貸の住居としてはかなり高額ですが、旅行で老房子ステイ体験をするなら一泊400元は妥当かも? 
「浦西公寓」周辺は味のある古い家屋や庶民的な風景がたくさん残っています。

武昌路〜蘇州河(外灘エリア)

武昌路より南は80〜90年代にもっとも賑わっていたといわれる美食街エリアです。
ただし2014年以降再開発が進む場所と取り残されている場所が混在状態。場末感満点の雰囲気を楽しむことができます。エレベーター付きのビルみたいなレストランが廃墟になっていたり……。取り壊しが決まっている家屋もあるようなので、雰囲気を楽しみたい方はお早めに。
武昌路。通りの左には新築マンションが

武昌路。通りの左には新築マンションが

右には取り壊しを待つ店舗が

右には取り壊しを待つ店舗が

かろうじて営業しているお店と廃墟化しているお店が隣り合っています かろうじて営業しているお店と廃墟化しているお店が隣り合っています かろうじて営業しているお店と廃墟化しているお店が隣り合っています

かろうじて営業しているお店と廃墟化しているお店が隣り合っています

このエリアがにぎやかになるのは深夜。暗くなり始めると、テントや台車だけの屋台が集まってくるんですよ。夜散歩も楽しんでみて。
※天候や時期によって屋台が出ない日もあります。
武昌路側に屋台がたくさん出てきます 武昌路側に屋台がたくさん出てきます

武昌路側に屋台がたくさん出てきます

天潼路(この周辺も2014年末現在再開発の工事中)を渡ってさらに進むと、もうそこは外灘エリア! 蘇州河にかかる「乍浦路橋」を渡ったところが乍浦路散策のゴールです。
2014年末現在工事現場だらけの天潼路を渡ると、

2014年末現在工事現場だらけの天潼路を渡ると、

乍浦路橋が。ここがゴール

乍浦路橋が。ここがゴール

逆さ陸家嘴

逆さ陸家嘴

「乍浦路橋」からの風景です。この橋の上は、川面に映る「逆さ陸家嘴(高層ビル群)」が撮れる場所。正面の鉄橋は「外白渡橋」です。ナビが訪れた日は雨が降りそうな日でちょっと残念でしたが、晴れた日や夜景がきれいな夜はぜひお勧め。しかもここ、旅行者にはあまり知られていません。橋を渡った先に見える教会から向こうは「外灘源」エリア。先ほどまでとは別世界の高級店が集まるストリートがあります。
こんな風景を眺めつつ、

こんな風景を眺めつつ、

外灘源まで歩いてみましょう

外灘源まで歩いてみましょう

乍浦路の散策コースをおさらい

「四川北路」駅から「乍浦路橋」まで、のんびり写真を撮りつつ、路地や住宅街に寄り道しつつ歩いたナビ。所要時間は約30分でした。以下、今回歩いたコースです。もっと歩きたい方、合わせて楽しめる見どころを探している方にお勧めのスポットも入れてみました。

いかがでしたか? 戦前上海に住んでいた日本人の一人・詩人の金子光晴の本を読むと、彼が虹口エリアから外灘、南京東路周辺まで日常的に歩いていたことがわかります。そんな当時の路地や建物がそのまま残っている上海。ぜひ皆さんも、気になる路地に入ってみたり、食べ歩きを楽しみながら乍浦路の歴史散歩を楽しんでみて下さい。
以上、上海ナビがお伝えしました。


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記事登録日:2014-12-19

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2012-12-16

利用日
女性 男性