路線バスで行く、上海奥地の秘境水郷。1000年の歴史を持つ静かな村を散策しよう。
こんにちは、上海ナビです。
あまり知られていない郊外の観光スポットも、まあまあ網羅していると自負している『上海ナビ』ですが、それでも上海はまだまだ広い! まだご紹介できていない見どころ、発掘自体できていないスポットが実はかなりあったりします。今日ご紹介する「練塘古鎮」もその一つ。約1000年の歴史を誇る隠れた水郷なんですよ。ナビも存在は知っていましたが、行くのは今回が初めて。どんな村なのか早速ご紹介していきましょう〜。
「練塘古鎮」へ行こう!
「練塘古鎮」があるのは上海市青浦区。最寄りの地下鉄17号線「朱家角」駅から路線バスを乗り継ぐ旅になります。行き方はこんな感じ。
④「青蒸線」「青小線」「青楓専線」のどれかに乗ります
バスは、同じバス停から出る「青蒸線」「青小線」「青楓専線」の3路線が目的地「練塘汽車站(陳雲記念館)」の停留所に停まります。降りる人がいないと停まらないので、いくつ目の停留所かで覚えておくのはやや危険。車掌さんがいるので、切符を買うときに「練塘汽車站」のメモを見せ、着いたら教えてもらうのが確実です。運賃は2元、乗車時間は約20分です(5〜10分おきにバスが来ます)。最終は路線によって18〜20時と早めなのでご注意を。
帰りのバス停の場所と最終の時間をチェックしてから散策へ
※帰りのバス停は道路の反対側にあります。降りるのは乗ったときのバス停「珠渓路沪青平公路」。帰りのタクシーは捕まらないため、必ず帰りのバスの時間を確認し、バスの乗り方を予習してお出かけを。
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「練塘古鎮」とは?「練塘古鎮」が形成されたのは約1000年前。地名の由来は、三国時代に呉の国が水軍の練習を行なっていた塘(池沼)があったという伝説から。現在も清代前後に建てられた家屋と、古いもので600年の歴史を持つ石橋のある景観を楽しむことができます。近代の政治家・陳雲の出身地としても有名。村内には立派な記念館があります。名産は茭白(マコモダケ)。毎年不定期でマコモダケフェスタも開催されているそうです。
元の時代(600年以上前)に架けられた順徳橋
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文革などに関わった大物政治家・陳雲の出身地
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静かな住宅地です
ナビ的お勧めポイントは、とにかく静かでのんびり散策できる点。2018年現在それほど商業化されておらず、民家や運河の景観を眺めながら散歩するのがメインになります。水郷の敷地は、運河を挟んで東西にのびる1kmほどの道のみ。橋を渡ったり路地に入ってみたりしながら往復して約1時間という感じです。ですので、ショッピングやグルメ、アクティビティを楽しみたい派は「時間が余り過ぎた」「何もなかった」という感想になっちゃうかも。でも、風景写真を撮ったり、河畔でビールを飲んだり、静かに農村風景や史跡のある風景を満喫したい派にとってはすぐ時間がたってしまう場所です。自分好みの場所かどうか吟味してからお出かけください。
静かな水郷で気ままに過ごす
それでは敷地内を歩いてみましょう。案内板やルートは特にないので、川沿いを気ままに歩けばOK。入場料もありません(2018年現在)。
今回ナビが訪れたのは、郊外旅行にぴったりのシーズン・春。お天気も最高で、しかも土曜日だったのですが、村内はこんなに静かでした! 観光客は、サイクリングで来たと思われる地元の人数組のみ。休日はどこも大混雑な上海ではかなり貴重なスポットです。
ちょうどフラワーシーズンでした。
そこに暮らす人たちの生活を垣間見ることができます。
掘り出し物がありそう
雑貨屋さんや渋い骨董屋さんが点在。
細道にもどんどん入ってみて。
古い漬物屋さん跡地。中は住宅になってました
文化財に指定されている橋や家屋もお見逃しなく。ただし文化財住宅はまだ人が住んでいるため、内部の見学はできませんでした。
銅像もいたるところに
水郷から少し外れたところには、この地で生まれた政治家・陳雲の記念館があります。鄧小平の後に党中央顧問委員会主任などを務めた大物ですが、この界隈の貧しい農家の出身だそう。入場は無料ですが、パスポートの提示が必要です。ほか、村内には陳雲の通った小学校も残っています。
食事はこちらで。村内には食堂が4〜5軒あるのですが、そのなかでもいちばん地元の人で賑わっていた「下塘街麺館」を選んでみました。麺料理のほか、上海郊外の農村ならではの素朴な料理が揃っています。ナビが頼んだのは、セリと干し豆腐の炒め物(手前)と、淡水白魚と卵の炒め物。ビールに合います♪
干しマコモダケ
お土産の品揃えはこんな感じ。定番は干しマコモダケです。ほか、その場で食べ歩けるちまき、ご当地お菓子などのお店がちらほら。
「練塘古鎮」の楽しみ方
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シーズン基本的に外を歩く場所のため、気候のいい春、秋がお勧めです。ただし、今回ナビは3月下旬に訪れたのですが、清明節に近かったからかお墓参りの人たちでバスが大混雑しました(途中、郊外型の大型霊園がいくつかあるため)。お勧めの季節ではあるのですが、3月末〜4月上旬は移動がやや大変かもしれません。地下鉄、バスともに難しそうと思った方はチャーター車でどうぞ。
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セットで楽しむ最寄駅は「朱家角」駅なので、ぜひ「朱家角」もセットで。「朱家角」には外国人も泊まれる民宿が点在しているので、日程に余裕がある方は朱家角に滞在を。その間に「練塘古鎮」へ足をのばしてみるというのがお勧めです。にぎやかな水郷と静かな水郷の違いをより楽しめると思います。
☆さらに秘境を目指すなら
「食堂も売店もあるのか……。もっと観光化されていない水郷はないの?」という方は、さらにバスを乗り継いで「金澤古鎮」へ。ローカルバスが2時間に1本、村内には水を売る売店もないという秘境感を味わえます。
いかがでしたか? かなり離れてはいるのですが、2017年末に地下鉄17号線の最寄駅ができたことで「練塘古鎮」を訪れる人は今後どんどん増えそうです。工事中の場所も多かったため、来年以降はさらに変化しそう。静かな街並みを楽しみたい方は、ぜひお早めにお出かけください。
以上、上海ナビがお伝えしました。