古代から近代までの上海の歴史を知っておこう。「人民広場」西側の歴史建築内ミュージアム。
こんにちは、上海ナビです。
2012年まで「上海美術館」として利用されていた人民広場エリア西側の歴史建造物が、2018年3月に「上海市歴史博物館」としてリニューアルオープンしました。上海ビエンナーレの会場として使われていた当時は、ナビも足繁く通った「上海美術館」。どんなふうにリニューアルしたのか早速出かけてみることに。北京や西安など、何千年もの歴史を持つ都市に比べて歴史が浅いと言われる上海ですが、展示物は見応えたっぷりでした。早速ご紹介していきましょう〜。
「上海歴史博物館」へ行こう!
「上海市歴史博物館」があるのは人民広場エリアの西側。最寄駅は地下鉄1、2、8号線「人民広場」駅の11号出口です。出口さえ間違わなければ行き方は簡単♪
オープン翌月の平日、お昼頃に訪れたナビ。入り口には10人ほど並んでいましたが、待ち時間は3分ほどでした。休日は大行列ができることもあるのでご注意を。入場料は無料です! 入り口には荷物検査のゲートがあります。
平日の行列はこのくらい(目安です)
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荷物検査があります
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展示物より建物の撮影に熱心な人多数
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「上海市歴史博物館」とは?まず知っておきたいのは建物について。竣工時期は1934年で、当時は「上海跑馬総会(競馬場のクラブハウス)」として使われていました。人民広場が戦前は競馬場だったことは有名ですよね。その後、上海博物館、上海図書館、上海美術館として利用され、2012年より閉鎖されていました。時計のついた鐘楼のある英国式のビルで、フロアや階段のタイル、手すりなどは現在も当時のままのものが使われています。建物自体も展示物と考えてよいのではないでしょうか。
戦前の英国式建築です。時間ごとに鐘も鳴ります
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レトロな螺旋階段
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館内はこんな感じ。「上海美術館」時代とほぼ変わってません
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競馬場の施設だったので手すりに馬。当時のままのものです
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「上海美術館」時代の『上海ナビ』の記事も見てみて。
地元中高年に大人気
展示されているのは、古代から近代までの上海の歴史に関する資料。土器や石器から現在の中国の建国、第二次世界大戦くらいまでの資料が展示されています。タッチパネル式で動くもの、最新の映像技術を使ったものなどもあって見応えは満点。アヘン戦争、辛亥革命などを予習しておくとより深く楽しめると思います。「入場無料で歴史について理解を深められる」という施設だからか、圧倒的に多かった客層は地元の中高年層とお年寄り。その次に多かったのは意外や欧米人旅行者でした。やや専門的な内容なので、子供連れの方は楽しめないかもしれません。
タッチパネルで時代や位置が動く地図
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ジオラマや模型の展示もあります
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一階フロア入り口の獅子
入り口には音声ガイド貸出(中国語、上海語、英語)、コインロッカー(中型のスーツケース、バックパックの収納可能)があります。身長130cm以下の子供は必ず大人の同伴が必要とのこと。車椅子とベビーカーは無料でレンタルできます。
上海の歴史を学ぼう
エスカレーターが設置されていました
それでは早速館内を見て行きましょう。建物は4階建てで、メインの東楼と企画展などを開催する西楼に分かれています。フロアの移動には、美術館時代にはなかったエスカレーターが!
撮影OK
展示内容は、1階の古代から4階の近代へと時代も上がっていきます。フロアごとに見ていきましょう。ただし実際に来ていただきたいので、詳しさ5分の1以下でお届けします。あと、館内は写真撮影OK(フラッシュは禁止)。カメラを持った写真愛好家風のお年寄りもたくさん来ていました。
東楼
1〜2階:古代上海約6000年前の石器時代から三国志の時代、宋、明、清代あたりまでの上海の資料が展示されています。解説(英語付き)を見ると、「虹口区の広中路で出土」など具体的で身近な地名が! 戦国時代の上海はどうなっていたのか、明代には徐光啓などの天文学者が登場し、海外貿易が盛んになったことなど、日本ではあまり知られていない歴史がわかる展示になっています。
上海に関わった歴史上の人物を描いた絵画コーナーも。魯迅と内山完造夫妻の友情を描いた作品も見つかりました。
アヘン戦争で使われた大砲
2〜4階:近代上海まず見ておきたいのは、アヘン戦争から租界の形成までの紹介。このあたりを知っておくと、今の上海にもその時代と同じ建物が普通に街に溶け込んでいることがわかるので、街歩きを数倍楽しめると思います。抗日戦争や上海にやってきたユダヤ人の歴史も、日本で一方的に得て来た情報のフィルターを通さずに見てみて。きっと何か自分なりに思うことがあるはずです。
抗日雑誌社のオフィス
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戦時中の上海でのユダヤ人の暮らし
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時計台が近い!
屋上:広場、レストラン最後は屋上へ。現代の上海を見渡せるという仕組みにしているのでしょうか。
人民広場の緑を見渡せます
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南京西路側の風景はこんな感じ
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一角にはレストランが。ランチセットで138元〜とややお高めですが、食事がまだという方は試してみてください。
西楼:企画展
定期的に展示が変わるという西楼。ナビが訪れた時期は、建国後に上海市長を務めた革命家・陳毅(外灘の銅像の人です)の生涯を紹介する企画展が開催されていました。
こちらもぜひ!
内容は盛りだくさんでしたが、「さらっと歴史をなぞっただけ感」はあるなと思ったナビ。「上海市歴史博物館」は、旅の日程が短く、だいたいの歴史を知っておきたいという旅行者向けの施設といったほうがいいかもしれません。もう少し知りたいと思った方はこちらへ。
展示の資料や紹介されていた人物、古代遺跡などについてより深く知りたい方はこちらへ。
租界時代、戦時中の建物がそのまま残っているエリアも歩いてみて。
いかがでしたか? 展示物よりも、やっと公開された懐かしい建物を熱心に見ている地元のお年寄りたちも印象的だったナビ。2018年4月の時点では、まだ完成していない展示ルームがあったり、ミュージアムショップもまだオープンしていない状態でした。展示も入れ替わりがあるようなので、定期的にチェックしていきたいと思います。
以上、上海ナビがお伝えしました。