湖に浮かぶ寺院と古民家群。昆山市の歴史ある隠れ水郷を散策しよう。
こんにちは、上海ナビです。
地下鉄とバス網が広がり、今までなかなか行き方がわからないかった隠れスポットへのルートが完成されつつある2019年現在の上海。郊外探検大好きなナビが最近注目しているのは、地下鉄17号線「漕盈路」駅の駅舎の真上にあるバスターミナル「漕盈路公交枢紐」です。ツアーや観光バスではなく、2元の路線バスで郊外スポットに行けると話題のターミナルなんですよ。今日ご紹介する「錦渓古鎮」は、2019年6月に開通したこのターミナル発着のバス「昆山C6」で行ける隠れスポット。どんな場所なのか、早速出かけてみましょう〜。
「錦渓古鎮」へ行こう!
地下鉄17号線「漕盈路」駅1号出口の階段を上がります
「錦渓古鎮」があるのは上海市の北西に隣接する昆山市。先ほどご紹介した地下鉄17号線「漕盈路」駅の「漕盈路公交枢紐」からの行き方はこんな感じです。
乗り場はいちばん左手
乗車する「昆山C6」の路線図と時刻表です。本数が少ないのがややネックですが、待ち時間が長い場合は、「漕盈路」駅併設のモールで時間潰しを。降りるのは19個目の停留所「錦渓」です。運賃は2元(硬貨と上海の交通カードのみ使えます)、乗車時間は約40分です。
路線図です。19個目の停留所で下車
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時刻表です(2019年現在)
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ここに到着
「錦渓」のバス停からの行き方はこんな感じ。約15分ほど歩きます。ほかの観光地のように、客待ちしている三輪車やタクシーはないので自力で歩きましょう(有名ではない観光地って、そういうものですよね)。
通りの突き当たりの風景
入り口の右手にチケット売り場があります。敷地内に点在している古民家を利用した展示館の通しチケットは65元。入村自体は無料なので、展示館には入らない場合はそのまま入場できます。向かって左手には立派な橋が見えますが、こちらは車やツアーバスで来た人向けの駐車場までの通路。見どころは右手にあります。
乗車する「昆山C6」の終点は、ガイドブックで必ず紹介されている有名な水郷「周荘(周庄)」です。また、「漕盈路公交枢紐」からは以下のスポット行きの各バスが発着しています。待ち時間などに乗り場の路線図などをチェックしてみてください。このターミナル、使えます! しかも観光バスではなく普通の路線バスなので運賃はどれも2元!
「自力で行くのは難しそう」という方はチャーター車の予約を。
水辺の古鎮を散策
案内板
「錦渓古鎮」は呉越春秋時代に形成されたという歴史ある村。現在も元代〜清代に建てられた民家や石橋などが残る史跡スポットです。が、散策スポットとして旅行者に開放されたのは1995年。見どころとしては新しく、それまでほぼ誰にも知られていなかった街なのだそう。
人が少なくて静か
魅力はなんといっても美しい水辺の景観。そして、ここから直線距離で7〜8kmのところに一大観光地「周荘」があるので「錦渓古鎮」にはほとんど誰も来ないこと(空いていて静か!)。有名なほうが好みか、観光客が来ないマイナーな場所が好きかどうかで好みが分かれる場所だと思います。「ガイドブックに載っていない場所に行きたい」がモットーの方はぜひ「錦渓古鎮」へ。ナビが訪れた日も、日本人はもちろん欧米、アジア系の観光客などにはまったく遭遇しませんでした。
こんな景観が迎えてくれます。
船で村を巡れます
船は6人乗りで一艘150元。水辺がメインの村なので、上海周辺の水郷や古鎮ではいちばん船に乗ってみたい場所かも。
立派なお寺があります。入場無料
ナビ的に見どころのお勧めNo. 1なのは「蓮池禅院」。無料で見学できる禅寺です。創建は南宋の時代で、現在の建物は最近修復されたものだそう。立派な大型寺院です。
ミステリアスな水上墓地
本殿の奥、湖の上には神秘的な「陳妃水塚」が。1163年(宋代)に宋光宗(宋孝宗という説も)の妃を水葬した場所とされています(諸説あるよう)。この塚、湖の水かさが減っても台風などで増水しても、景観がまったく変わらず、水面の高さが一定に保たれているのだそう(科学で解明できないんだとか!)。「錦渓古鎮」最大のミステリースポットです。
境内には、湖(淀山湖とつながっている明鏡蕩という湖です)を一望できる書店兼茶室が。こんなところで1日ぼーっとしたいかも。
境内を出て村内を歩くと、数100年の歴史を持つ石橋が多数見つかります。それぞれ文化財に登録されています。
入場券(通しチケット)を購入した場合はこんな見所も見学できます。
おしゃべりしながら作業中
地元の人たちの生活も垣間見ることができますよ。ナビが出かけたのは平日だったのですが、観光客がほぼゼロ。たまに旅行者風の人を見るとちょっとほっとするほどでした……。
お土産&食事
金物屋さん
古鎮内のお店はこんな感じ。地元のお年寄りが経営している渋いお店が多めです。
お土産はこんな感じ。近隣で取れる魚やエビの干物がメインです。
こんな感じの食堂が見つかります
今回ナビは、お昼過ぎから夕方の日程で訪れたため、古鎮内で食事するスケジュールにしませんでした。でも、敷地内には良さそうな食堂が点在していてちょっと後悔。豚ももの煮込みなどの定番農村料理のほか、昆山名物の麺料理・奥壮麺などが人気のよう。メニューはこんな感じです。
一般的なメニューはこんな感じ
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周辺の有名水郷同様、名物は豚もも
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いかがでしたか? 長年上海を取材しているナビも、バスターミナルを調べていて偶然地名を見かけるまで、実は「錦渓古鎮」という地名すら知りませんでした……。どういう場所なのか知識ゼロの状態で行ったのですが、開放感たっぷりで静かな景観にすっかり魅了されてしまいました。ぜひ皆さんも、水辺の古鎮をのんびり散策してみてください。
以上、上海ナビがお伝えしました。