上海で日本を食す!日系フードチェーン店特集

居ながらにして世界中の美食を味わえる街、上海で世界に戦いを挑む日系フードを大特集!大手チェーンだけではない、地元密着型の日系店ががんばる上海の今をご紹介します。


こんにちは、上海ナビです。国際都市上海と言われて久しいこの街。毎日の生活の中でも、外国人に会わない日はないくらい、いろいろな国の人達が街中を行き交っています。そのため、上海には世界中の料理が集まってきています。外国で生活していても、ふるさとの味は忘れがたいものなのは国籍を問わずなのでしょう。もちろん、日本人だって例外ではありませんよ!特に上海には、数万人の日本人が住んでいると言われています。これはニューヨークを抜いて今では世界一なんだとか。そんな上海には、日本系のレストランがひしめき合っています。なかには、中国人の経営による、日本料理に似ている料理(これを勝手にチャパニーズと名付けました。)を提供するなんちゃって日本料理レストランも多く存在するのですが、海を越えて挑戦をする、日系レストランもとてもたくさんあるんです。
今日は、そんなチャレンジを続ける日系フードチェーンについて、ご紹介したいと思います。

〜合い言葉は「がってんしょうち!」〜

埼玉県を中心にチェーン展開する「がってん寿司」。上海1号店が浦東の世紀大道駅近く、96広場にあります。リーズナブルな値段設定と、日本に限らず、世界中から集めた新鮮なネタで上海に住む日本人をはじめ、中国人、上海在住の外国人のハートをがっちりとつかんでいます。

「いつだって素直な気持ちは忘れちゃならねぇ。イキ良く、今日も元気に笑顔一丁!がってんしょうち!いいネタ握るぜぃ!」(がってん寿司ホームページより)

「カランカラン!」という鐘の音を合図に、その日一番のお勧めを紹介するのは日本のがってん寿司と同様、それらのネタはほぼ販売開始とともに、売り切れてしまうのも本家と同じなのだそう。
回転するベルトの上には寿司だけではなく、デザートのケーキや枝豆などの酒のつまみ、ときにはローズ岩塩が回ることもあり、おいしいものなら何でも回してしまえ!と言う、お店のコンセプトが現れています。
休日はもちろん、平日でも行列必至。でも、その並ぶという行為そのものも、食欲をかき立てる一つの鍵になっているような気がしました。なぜって、並ばずに入れたときより、並んで食事を楽しんでいる人達を観察した後の方が、おいしいのですから。これはナビの経験上の話なので、個人差はあると思いますが。
店長の橋本さん。とても陽気な方です。

店長の橋本さん。とても陽気な方です。


日本と同じ経営を心がけているそうですが、サイドメニューが充実しているのは日本と違う点なんだそう。やはり、寿司だけでおなかいっぱいになれるのは日本人の特権なのかもしれませんね。
逆に、上海の「がってん寿司」にお出での際は、ぜひこのサイドメニューをご堪能ください。日本では楽しめない上海アイテムです。

〜食用パンを広めたい!〜

日本でおいしいパンというと、何となく神戸を思い浮かべるのは東京出身のナビだけでしょうか?文明開化の時代に多くの外国人技師が住んでいたのが神戸。神戸の街はそんな外国人技師達によって作られた、異国情緒漂う街ですが、ここ上海も同じような経緯をたどった街です。にもかかわらず、なぜか西洋食文化は根付かなかったのは、文化の違いというものなのでしょう。これほどパンが似合う街なのにおいしいパン屋さんが少ないのはとても残念だったのです。
そんな上海に、2010年とうとう日本のおいしいパン屋さんができました。それが「ドンク」です。

「ドンクは明治38年 神戸生まれ、仕込みから焼き上げまでの全てをお店で行うことにより、最高品質のパンをお客様にお届けしています。」(ドンクホームページより)

「フランスパンは、焼き上がりから8時間しかおいしくたべることができないんです。」そう語ってくれたのはドンク上海1号店の店長、山谷さん。「中国の人は、まだまだ自宅でパンを焼き直して(つまりあたためて)食べることをあまりしないんですよね。だから、食パンやフランスパンも、買ってきて冷たくなってもそのまま食べる。そうすると、あまりおいしくない。やっぱり包子(中華まん)の方がいいってなっちゃうじゃないですか。食用パンをおいしくたべてもらいたい。おいしくたべる方法を教えてあげたい。そこからが始まりだと思っています。」
彼らの戦いはまだ始まったばかり。いつの日か、上海の至る所でおいしいパンを焼くにおいが漂う日が来るのかもしれないですね。

〜ミニクロワッサンブームに火を付けろ!〜

日本では全国的に有名になったミニクロワッサン。一時期はブームになって長い行列が、お店の前にできていたことを思い出します。すぐ横のガラス張りの厨房で、どんどん焼き上がるクロワッサンの甘い香りが食欲を刺激、ついついたくさん買ってしまったこともありました。そんなミニクロワッサンブームの火付け役にもなった「MiniOne」が上海にやってきました。「ドンク」プロデュースのこちらのお店、一号店は「ドンク」のすぐ隣にあります。食用パンとともに、クロワッサンも上海の家庭に広まる日は近いかもしれませんね。

〜豚骨ラーメンが大人気!〜

ラーメンって日本料理だってご存じですか?もちろん、中国にも「拉面(ラーミエン)」と言う料理はあるのですが、どうも日本のラーメンは独自の進化を遂げてしまったようです。醤油ラーメン、味噌ラーメン、塩ラーメンなど味付けもいろいろありますが、そんな中でも中国で一番人気なのが豚骨ラーメンです。濃厚なコクと旨味のあるスープは日本でもファンが多いと思います。そんなラーメンで勝負をするレストランが「Tokyo Dining」です。
お店は上海市内に4店舗。中の一つは上海で最も高いビル金融中心(上海森ビル)の中、そしてもう一つはなんと、万博会場内にあるんですよ!中国館を望む最 高のロケーション。世博文化中心(Expo Culture Center)の6階にある展望レストラン。3時間待ちで入場するパビリオンの中というちょっと変わったロケーションながら、連日多くの人で賑わっている んだそう。その他、3店舗も上海ではもっとも理想的な場所なので、推して知るべしでしょうか。人気のラーメン以外にも、牛丼、親子丼などおなじみのメ ニューから、ビールのおつまみまで、その品揃えはまさに日本のファミレス!大人から子供まで家族揃って楽しめるレストランです。

〜日本発のファストフード〜

おなじみの「吉野家」は今では上海市内だけではなく、中国各地に支店があります。日本同様「うまい、はやい、ヘルシー」を合い言葉に、今では多くの人が愛用しています。日本と少し違うのは、デート中のカップルが、おしゃれな店として利用している点でしょうか。確かに、他のローカルなレストランよりはかなり洗練され、店内も清潔感があります。人気No1はやはり牛丼!こちらは日本と変わらない味を提供してくれています。その他、上海オリジナルメニューも充実。旅の話の種に、上海「吉野家」をぜひご体験下さい!
コンボ(牛肉とチキンと野菜がのっている丼)

コンボ(牛肉とチキンと野菜がのっている丼)

こざっぱりとした店内は清潔感がある。

こざっぱりとした店内は清潔感がある。

〜熊本生まれ、世界育ち〜

九州で生まれた熊本の味、「味千ラーメン」。現在、国内103店舗、海外にはなんと400店舗以上を展開しているのだそう。中国には上海をはじめ、北京、大連など50都市以上に支店があり、世界に目を向けると、アメリカ、タイ、シンガポールなど10カ国以上という、世界の「味千ラーメン」になっています。ナビは中国に来て「味千ラーメン」に出会いました。それもそのはず、東京には1店舗しかないのですが、北京、上海にそれぞれ30店舗以上、その上中国各地に支店があるのですから、当たり前なんです。
日本の味を大切にしながら、その土地ならではの素材や、調理法を取り入れて、独自のメニューも開発してるんだそう。中国味千ラーメンオリジナルメニューもたくさんあるそうなので、自分の舌で楽しんでみて下さいね。

〜おいしいケーキを召し上がれ〜

名古屋発、季節ごとに変わるフレッシュなケーキ、こだわりの素材、製法で焼き上げた伝統菓子など、日本と同じ味というよりは、フランスの味そのままを日本と上海で味わえるというのが正しい感じな「シェ・シバタ」。こだわりの味を、ここ上海で守るのは若きエースの高橋パティシエ。基本的には、日本の「シェ・シバタ」の味を忠実に守りながらも、上海から新しいメニューの発信も続けているのだそう。豊富なフルーツをふんだんに使った色鮮やかなケーキがショーウィンドーを飾ります。特にベリー系がお勧め。鮮やかな赤い色は、特に中国人には好まれているのだとか。さらには70%カカオのスペシャルなチョコレートを使ったケーキは、隠れた人気メニューだそう。ちょっと高価ですが、試してみる価値有りです!
いかがでしたか?実は、まだまだご紹介したい日系フードチェーンはたくさんあるんです。今この瞬間にも、上海進出を果たした、もしくは計画しているお店があるはずなんです。また、上海発のお店が日本に逆輸入なんてことも今後は起こりうる事なのではないかと思います。旅行ビザの発行基準がゆるやかになり、多くの一般中国人が気楽に日本に遊びに行けるようになりました。今までは近いけど遠い国だった両国もグッと身近になった気がします。お互いを知ることが、友好の第1歩!特に食欲に国境なんて関係ありません。日本のおいしい食文化を知ってもらうことにより、日本と中国がもっと仲良くなれたらいいなと感じました。以上、上海ナビでした。


上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-07-22

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