蘇州らしい水路の横丁「山塘街」で見つけた、地元刺繍職人さんお手製の“綉花鞋=刺繍靴”屋さん。
こんにちは、上海ナビです。
今回は蘇州市内中心部の西側に位置する 「山塘街」 で、見ているだけでも可愛い “ 綉花鞋 (シィウホァシィエ=刺繍靴) ” を中心に扱うお店を見つけてきました!
お店の名前は 「姑蘇巧手坊 (グースーチャオショウファン)」。中国四大刺繍の産地の中でもそのクオリティの高さは特に有名な蘇州ですが、「刺繍土産を買う!」 ということにあまりピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんね。それでも、このお店に並ぶ地元の刺繍職人さんが作った華やかな綉花鞋を手に取ると、思わず財布の紐が緩みそうになっちゃいますよ。
~まずは「山塘街」とお店の位置をご案内しましょう~
「山塘街」 は昔ながらの蘇州の街の様子を残しつつ、近年再整備された新しい観光スポット。水と橋と白壁の家が立ち並ぶ旅情あふれる通り沿いには、伝統工芸品店やレストラン、小吃 (シャオチー = B級グルメ) 店などが軒を連ねています。
ここは “ 上塘街 × 閶胥路 ” の交差点。北側に門が見えます。
閶胥路側の渡僧橋を渡り 「山塘勝跡」 と書かれた門の先へ入ると観光地の 「山塘街」 が始まります。北西にある虎丘までずっと続く川沿いの道 “ 山塘街 ” の東側一部が、この観光エリアになんです。暖かい季節にはオープンテラスの店なんかも出るんだとか。
門を越えてそのまま暫く直進すると、右の写真のような橋が見えてきます。
橋のたもとの左手に写真のような建物があるのでここで左折します。
軒先のショーウインドーからもチラリと姿を見せる綉花鞋ですが、店内に入ると左右にも色んな種類のものがズラリと飾られています。綉花鞋の色も華やかで、シンプルカラーに馴染んだ日本人には新鮮かも。
~綉花鞋の前に、まずはお手頃なスリッパから~
ショーウインドーの裏手側には、1足10元と当店の履物としては1番お安い、“ チャイナテイスト十分 ” なスリッパが並んでいます。この価格ならバラまき土産アイテムの候補にもなりますね (ナビも友人から頂いた経験有り!)。
ウインドー脇にある棚には、さらに上質なスリッパが並びます。先ほどの10元スリッパに比べると綿もしっかり入って穿き心地UP! こちらのスリッパは20元。
また、寒い季節にオススメ、足首近くまでスッポリ包み込むタイプのものなら、110元です。
~主役の “ 綉花鞋 ” はソールもさまざま~
店内の左右に並ぶ様々な綉花鞋。基本的には室内履きとして利用するものなんですが、こーんなキレイな室内履きを使うなら、いっそお部屋のインテリアも改造したい!と、シノワズリ好きなら欲が高まっちゃうかも?! 全て蘇州の刺繍職人さんが作ったものだそうです。
★牛筋底花鞋 (オックスフォードラバー底)/98元
ナビが最も心を奪われたのは、鮮やかなスカイブルーにピンクの花柄刺繍が施されたものと、金魚の刺繍が施されたもの! この “ ペタン、コロン ” とした形も何とも言えない乙女らしさ。
靴底はシッカリしています。フローリングの室内履きならこの牛筋底が滑りにくくてオススメ。
★橡胶底 (ゴム底)/96元
手前の黒い靴はヒール付きの突っ掛けタイプ。デザインさえ選べば晴天の屋外でも使えそうですね。奥はペタンコのスリッポンです。
★注塑底 (プラスチック底)/78元
プラスチック底タイプのものは、ほぼヒール付きのものになっています。フローリングか絨毯 (か畳か?) が主流の日本では、室内履きというより屋外履き用途になりそうですね。
店内に並ぶものをくまなく見ていくと、似たような刺繍でも靴全体のデザインや布地が違ったりと、その種類も多様。中には小学生用くらいのキッズサイズもありますよ。お店の玄関を入って左手側の棚には100元以上~の靴も並んでいます。
~シンプルな布靴はインソールで勝負!~
中国のおじいちゃん、おばあちゃんたちが履いていそうな、あの黒いシンプルな布靴も発見! 華やかな刺繍の施されたインソール (中敷) と組み合わせたら、こんに立派なプレゼントになっちゃった!
この靴は牛革底なので、見た目はシンプルでもお値段は299元と他よりお高め。でも、これなら屋外でもバッチリ使えますね! インソールはデザインで価格が異なるようです。
これは強烈! 「愛你一生 = あなたを一生愛します」。 中敷にして履き潰すのが愛情返しなのか、鑑賞用にこのまま置いておくべきか?(58元)
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お花や蝶々がラブリーで華やか。これなら、ヒョイっと靴を脱いだ時に周囲から絶賛の声が聞けそう。(95元)
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「これを中敷にしちゃうのはもったいない…。」 なんて方も、額に入れてお部屋に飾るという手もあるのですよ♪
シンプルな黒布靴は、靴底まで全布製のお手頃価格なものも用意されています (59元~)。こちらは男性/女性用のサイズ展開があり、ベーシックなスリッポンタイプから写真のようなストラップシューズもあります。
~赤ちゃん用の綉花鞋が、これまたキュートすぎる!~
サイズから考えて、自分には全く関係ないなと思っていた赤ちゃん靴。しかし、見れば見るほど “ 買う動機 ” を探している自分が…あれっ? それはさておき、オールシーズン向けのものから冬限定あったかデザインまでカラフル!
こーんなちっちゃい赤ちゃん用の靴も、靴底まで抜かりなくデザイン刺繍が施されているんですよ。中でも虎の顔をモチーフにした靴は、中国の端午節/満月 (生誕1ヶ月目)/100日目/周歳 (1歳) などお祝いのときに履かせるのが基本なんですって。虎の靴は1足39元。
この靴なんて、そのままお部屋にちょこんと置いておきたい(49元)! よく見ると、桃太郎のモモみたいな絵柄や、お花、蝶々など。赤ちゃん向けだから、同じお花の絵でもさらに優しくて愛着のわくものばかり。
~綉花鞋&スリッパ以外に、こんなアイテムも~
★刺繍ポーチ、携帯電話入れ
お店の入り口近くには、リーズナブルなポーチ類もたくさん並んでいます。刺繍の施された携帯入れ (5元) やお得感のある3イン1ポーチセット (10元) など、このお値段ならまたまた 「買ってもいいかも」 って思っちゃいそう?
★娃娃 (ワーワー) ミニ巾着
ポーチの横に気になる人影を発見。数々のチャイナテイスト雑貨を見て来たナビですが、こんな子が売られているのを見たのは初めて。瞬間イメージで勝手に 「娃娃ミニ巾着」 と呼んでみました。何だか子宝祈願みたい。
正しい使い方は、結婚式などの際にこのミニ巾着の中にチョコレートやアメ玉などを入れて皆に配るんだそう。とは言いながら、何に使うかはアイデア次第!
1人っ子は10元、双子タイプは15元です(顔の数で識別)。
その他、シルクスカーフや刺繍絵なども販売されています。刺繍靴ばかりに気を取られていましたが、蘇州土産の代名詞的なスタンダード品もあるんですね。
最後になりましたが、こちらがオーナーの陳さんです。写真を撮られるのもかなり苦手そうなくらい、結構シャイなお兄さんです。「え、あなたが?」 と失礼にも聞き返したナビですが、こういうお店のオーナーさんがこんなに若い男性というのは結構珍しいかも!
今回のナビは娃娃ミニ巾着などウッカリ (その出会いのレアさに心を動かされ) 購入しちゃったんですが、次回にここを通りかかった時にはぜひあの赤ちゃん靴を購入しようかと企て中。最後に、このお店のポイントはなんと言っても主流の綉花鞋が100元以下というところ。民族度の高いものほど、高額だと興味が沸いても手を出しづらいんですが、これなら許容範囲では?
今回ちょっと興味を抱かれた皆さんも、山塘街にお越しの際にはぜひお立ち寄りを!