上海で出会える!「麺」大集合!

本場の麺料理は日本と全然違う!? 上海で味わえる伝統的な麺料理をご紹介♪

こんにちは、上海ナビです。
中国は言わずと知れた麺大国。中国国内だけを見てもあらゆる麺料理が存在します。なかでも上海は、中国各地、世界各国の麺料理店が集まる街。数日の滞在期間では食べきれないほど、いろいろな麺料理を見つけることができます。ということで今回は、上海で味わえる人気の麺料理を大調査。お勧め店情報とともにご紹介したいと思います。一品でささっと食べられるものばかりなので、一人旅や出張の方も必読ですよ〜。

上海の麺料理事情

平日のランチタイムが混み合います

平日のランチタイムが混み合います

上海人と麺
上海人にとって麺料理は「ランチなどで軽く食べるもの」というイメージが一般的。人によっては朝食で食べることもあり、伝統的な麺専門店はたいてい早朝から営業しています。大勢の円卓で食べる場合は料理の締めとしてオーダー。細長いため長寿を意味することもあり、誕生日や出産祝いの宴会などで食べることもあります。その場合、シンプルな鶏ガラスープの麺をみんなで取り分けて食べます。
取り分け用の麺はシンプル

取り分け用の麺はシンプル

路地裏の朝ご飯風景。麺食べてます

路地裏の朝ご飯風景。麺食べてます

麺専門店の利用法
伝統的な麺料理店は多くが食券制です。入り口のカウンターで、壁に貼られたメニューを見てオーダー。食券(レシートです)を持ってテーブルにつき、係員に食券を渡して運ばれてくるのを待ちます。また、人気店は行列ができるので、ランチであれば11時ごろに行くのが通。遅く行くと品切れになります。
最初にレジで、壁に貼られたメニューを見てオーダー、支払いを済ませます

最初にレジで、壁に貼られたメニューを見てオーダー、支払いを済ませます

麺の人気店は食事時になると大行列ができます

麺の人気店は食事時になると大行列ができます

麺と具が別々に出てきます。具の名前が麺のメニュー名になります

麺と具が別々に出てきます。具の名前が麺のメニュー名になります

日本のラーメンとの違い
決定的な違いは、日本のラーメンが醤油、味噌、豚骨のようにスープがメニュー名になっているのに対し、上海では「上に乗っている炒めものの名前」が麺の名前になっていること。そして、餃子やチャーハンなどの炭水化物系サイドメニューとはいっしょに頼まないこと。あとは、冷たいお水が出て来ないことでしょうか。中国と日本のラーメン、ラーメン店のシステムは別物と思った方がいいかもしれません。
※市内には日系のラーメン店もあります。上記はローカルの麺専門店に関する違いです。

上海のご当地麺

それでは、上海市民に昔から親しまれている麺料理からご紹介していきましょう。
<スープ麺編>
そもそも「上海料理」とは、江蘇省、浙江省方面の料理をアレンジしたもの。麺料理も、海ベースの寧波系と内陸ベースの蘇州系があるようです。共通する特徴としては、ストレート麺でやや柔らかめにゆでてあることでしょうか。
香ばしくてほんのり磯の香り

香ばしくてほんのり磯の香り

黄魚麺
寧波系の麺料理の代表格はこれ。海の魚「黄魚(イシモチ/キグチ)」の炒めものをのせた麺料理です。スープはあっさり醤油味で、黄魚炒めはほんのり磯の香り。「魚の身が入ってる」ということで敬遠する日本人は多いのですが、食べると意外にハマる味。特に有名なのは「阿娘麺」の黄魚麺ですが、ナビもお店の前を通りがかるたびに食べたくなってしまいます。
ご当地麺のスタンダード

ご当地麺のスタンダード

雪菜肉絲麺
細かく切った高菜と豚細切り肉がのった蘇州系ラーメンです。鶏ガラ、タウナギの骨などで取った透明感のある醤油ベースのスープが特徴。シンプルでさっぱりした味わいなので、朝ご飯として食べる地元の人も多いよう。「滄浪亭」など上海市内の老舗麺料理店には必ずある基本メニューです。具と麺が別々に運ばれてくるのも蘇州系の特徴です。
具と麺が分かれているため、さまざまな種類がある蘇州系麺。こんなメニューも定番です。麺料理店はメニューの指差し注文が難しい店が多いので、事前に覚えて行くと安心♪
蝦腰麺です

蝦腰麺です

蝦腰麺(川エビと豚キドニー炒めの麺)
蟹粉麺(上海蟹の蟹味噌炒め入り麺)
蝦仁麺(川エビ炒めの麺)
香菇面筋麺(シイタケと中国麩炒めの麺)
八宝辣醤麺(野菜の角切りの辛口炒めがのった麺)
獅子頭麺(肉団子入り麺)
爆鱔麺(タウナギの醤油炒め麺)
精進料理の麺です

精進料理の麺です

双菇素麺
上海らしい麺料理といえば、やや番外になりますがお寺の麺。上海市内のお寺の境内にはたいてい精進料理店があって、その代表メニューは麺料理です。代表的なのが、キノコを甘辛く炒めたものをのせた麺。「羅漢麺」とも呼ばれます。庶民的な値段と、肉類を使っていないヘルシーさがポイント。

<焼きそば編>
「上海焼きそば」というと、塩味でエビなどが入ったあんかけ焼きそばだと思う日本人が多いよう。ですが、日本にある上海焼きそばは、上海にはありません! 上海の焼きそばは醤油味でうどんのように太いのが特徴。具は鶏毛菜というチンゲンサイに似た野菜と豚の細切り肉が定番です。
クセになる香ばしさ

クセになる香ばしさ

上海炒麺
「炒麺」「肉絲炒麺」とも呼ばれる上海焼きそばは、上海料理店、小吃店、屋台で食べるのが一般的。ナビはその場でガーッと炒める屋台の炒麺派です。醤油の香ばしさが絶妙な風味を出しているんですよね〜。日本にはない味です。

<和え麺編>
スープ入り麺、焼きそばなどの王道麺メニューに並ぶ定番・和え麺(日本にはあまりないですよね)。「焼きそばよりも和え麺のほうがよく食べる」という地元の人も多いようです。真の上海グルメ通は和え麺を制す!?

葱油拌麺
昔から上海にある伝統的な麺料理の一つです。焦がしネギと香味油を和えて食べる麺で、麺料理専門店ではいちばん安くて庶民的なメニューの一つ。醤油ベースなので違和感なく食べられます。たまにすごく食べたくなる味なんですよね〜。
和えてから食べます 和えてから食べます

和えてから食べます

冷麺
夏季限定の和え麺といえば冷麺。上海の冷麺は、少しだけ酸味の効いた醤油ダレとピーナッツペーストを和えて食べるのが主流。日本の冷やし中華や韓国の冷麺とはまったく違う麺料理なんですよ。あと、冷麺がちゃんとおいしい店は信用できる店って気がします。
上にピーナッツソース、下に酸味のある醤油ダレ

上にピーナッツソース、下に酸味のある醤油ダレ

和えてから食べます

和えてから食べます

中国各地の麺料理

中国各地にはあらゆる種類の麺料理があります。そんななかから、上海市内で人気の麺料理をピックアップ。日本にはない麺に出会えます!
※中国では小麦粉で作ったものを「麺」と呼びますが、ここでは麺状の米粉製のものも麺としてご紹介します。
ご飯茶碗くらいの大きさの器で出てきます

ご飯茶碗くらいの大きさの器で出てきます

<四川省>
四川料理の麺といえば担々麺です。日本では黒ごま入りなどにアレンジされていて、一人前がしっかり大きい丼で出てきますよね。「ラーメン屋さんで食べる」というイメージです。でも上海では、ラーメン店ではなく、四川料理店で食べる料理。いろいろ料理をオーダーしたあとに締めで食べる小ぶりな麺が主流です。ご飯茶碗くらいの大きさですが、激辛なので食べるのに時間がかかるかも!?
安くておいしい麺の代表格「蘭州拉麺」

安くておいしい麺の代表格「蘭州拉麺」

<新疆ウイグル自治区>
上海市内の至る所にあって、「麺と言えばこれ!」というくらいポピュラーなのが「蘭州拉麺」。もちもちの麺、透明なスープ、味わい深いダシ、ちょっぴり異国感のあるスパイシーさなど、日本人でもハマる人が多いおいしさです。イスラム系のお店なので具は牛肉か羊肉。ナビは刀削麺(削った麺)にしてもらうのが好みです。ほか、新疆料理店には「新疆拌麺(羊肉と野菜の炒めものを和える麺)」「丁丁炒麺(細切れの麺をスプーンで食べる麺)」なども。
新疆拌麺

新疆拌麺

丁丁炒麺

丁丁炒麺

麺の歯ごたえがしっかりしています

麺の歯ごたえがしっかりしています

<山西省>
山西省を含む中国の西北地方の麺は、麺というより粉ものといいたくなるような、もっちり、しっかりした太い麺が特徴。お勧めは、太麺によく絡むピリ辛の具を和えて食べる「油潑麺」。ナッツや山椒の風味が味わいに奥深さを出しています。ちょっとクセがあるくらいの香草の味、スパイシーな味が好きな方なら絶対ハマります。ナビも大好きな麺料理です。
<広東省/香港>
ここまで、ややチャレンジャー向きの麺料理を紹介してきましたが、日本人の口に合うほっとできる味わいの麺料理といえば「雲呑麺」などの香港発の麺料理。上海人は茶餐廳が大好きなので、本場の味を楽しめるお店がたくさんあります。細麺を使ったあんかけ焼きそば、炒めたビーフンなど、日本人の求める中華の味に出会えます。
エビワンタン麺

エビワンタン麺

香港式の焼きそば「星州炒麺」

香港式の焼きそば「星州炒麺」

そのほか、台湾の「牛肉麺」、街角に小さな専門店をよく見る「河南拉麺」や「桂林米粉」、雲南省の「過橋米線」、西安の極太麺「米皮」なども上海ではよく食べられています。ぜひ、日本では見たことがない麺料理に挑戦してみて下さい。
台湾風牛肉麺

台湾風牛肉麺

桂林米粉

桂林米粉

陝西省の米皮

陝西省の米皮


いかがでしたか? 種類豊富なご当地麺以外にも、上海人はパスタ、日本のラーメン、うどん、ベトナムのフォーなど、各国の麺料理も大好きです。地方や外国のめずらしい麺料理をすぐ受け入れる上海。今後どんな麺料理が流行るのか、ナビもチェックし続けていきたいと思います。
以上、上海ナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2015-06-25

ページTOPへ▲

その他の記事を見る