杭州日帰り列車の旅 その4-【西湖(老)十景】

いよいよ杭州西湖に到着。2時間半で「西湖(老)十景」を回れるのか?!

こんにちは、上海ナビです。「行き当たりバッタリ中国シリーズ」杭州編として前回は、「龍井村と昼食」の様子をお伝えしましたが、今回は13時30分から16時までのたったの2時間半で「西湖(老)十景」を回るべく、がんばってみました。
わずか2時間半ということで歩いてはまず無理だと判断し、有名な場所をゆっくり回る方向へ妥協しようかと考えたナビ。ちょうど移動観光バスを偶然見つけ「これだ!」とさっそく運転手さんに聞いてみたのですが、目的地を全部回らないので乗り継いだとしても時間内には間に合わないとのこと。「やっぱり2時間半で回るのは無謀な試みだったのか・・・」とあきらめかけた時に3輪バイクを見つけ、ダメもとでバイクのおじさんに聞いたところ、「メイヨウウェンティ:没有问题」!!「40元で西湖一周」することで交渉成立し、いざ出発!

「西湖(老)十景」

断橋残雪

断橋残雪

平湖秋月

平湖秋月

曲院風荷

曲院風荷

花港観魚

花港観魚

雷峰夕照

雷峰夕照

南屏晩鐘

南屏晩鐘

柳浪聞鶯

柳浪聞鶯

三潭印月

三潭印月

蘇堤春暁

蘇堤春暁

双峰插雲

双峰插雲

それでは、西湖(老)十景をさっそく見て回りましょう!

断橋残雪(Melting Snow at Broken Bridge)

断橋は白堤の東側に位置し、平湖秋月からの白堤がこの橋で途切れているので「断橋」と呼ばれているそうです。
「断橋残雪」はいくつかの解釈があり、ひとつは、雪が降った後の晴れの日に「断橋」のの上から西側・北側を眺めると、孤山・葛嶺一帯の景色が玉石を散りばめたように美しく、また美酒を撒いた様にすばらしいといわれることからこのように呼ばれています。(每当雪后初晴,来至断桥上往西,往北眺望,孤山,葛岭一带楼台上下,如铺琼砌玉,有一种冷艳之美。)
またひとつは、大雪が降った後、西湖新十景の1つ宝石山から南側を見下ろすと、白堤の土手が鎖のように繋がって見え、太陽の光が当たり「断橋」上の一部の雪が溶け出し褐色の橋が見え始め、白堤の白い雪の鎖が切れようとしていることから「残雪」という形容が付き「残雪断橋」と呼ばれるようになったそうです。ここでいう「残雪」とは、もうすぐ雪が溶けようとしている様子を表しているんですよ。(又有人认为,大雪初霁,登宝石山往南俯瞰,白堤皑皑如链。日出映照,断桥向日桥面积雪融化露出褐色的桥面一痕,仿佛长长的白链到此中断了,故以“残雪”名之。)
断橋を越えて西湖の方へ進むと、左側には市街地の建物が西湖に浮かんで見えます。天気が良かったので、かなりの絶景を堪能することができました。観光には最高の日和で、散歩やサイクリングをする人がたくさんいましたよ。

平湖秋月(Autumn Moon over the Calm Lake)

「平湖秋月」は白堤の西側に位置し、孤山の南側から西湖の湖面を一望できます。「平湖秋月」は湖面とほぼ高さにあるため、とても眺めがいいんです。 「平湖秋月」がある場所は、地理の関係もあり風が弱く湖面が鏡のように真っ平になっているため「平湖」とよばれ、「秋月」の満月の光景がとてもすばらしいことから「平湖秋月」と呼ばれています。カフェもあるので、西湖を歩いて観光した後はこちらで一休みしてはいかがですか?

曲院風荷

「曲院風荷」は西湖の西側の岳飛廟の前に位置しています。「曲院」とは南宋時代に造られた醸造所であり、金沙澗の渓水を利用して酒曲(甜酒薬:酒醸(ジゥニャン=酒粕)を作る際の元麹)造ることで有名でした。醸造所付近の蓮の花の美しさは、夏に吹く暖かい風によって、お酒の香りと蓮の花の香りに酔ってしまうと言われたほどだそうです。
バイクで西湖の南側に移動!

花港観魚(Viewing Fish at Flower Harbor)

「花港観魚」は蘇堤の南端の西側に位置し、蘇堤には垂れ柳の青々とした葉が一筋に咲き乱れ、北側には山々が折り重なった西山があり、碧い湖面の小南湖と西里湖に囲まれているので、地図を見るとステンドグラスのようになっているのが分かります。 南西にある花家山から西湖に流れている小渓のことを「花港」といい、花港に建てられた別荘「盧園」では池を掘って色様々な魚を飼い、魚を観ながら詩が詠まれたことから「花港観魚」と呼ばれているのだとか。
乾隆帝も“花家山下流花港,花著鱼身鱼嘬花。”(花家山から流れる花港は、水面に映った花の影が魚の姿にまとわり魚が花を食べているようだ)と詩を詠んだそうです。

南屏晩鐘(Evening Bell at Nanping Hill)

「南屏山」は西湖南岸に位置し、標高100m前後の山々が1km程連なる山麓です。呉越の銭弘叔が南屏山麓に佛寺・慧日永明院を建て、現在では西湖南北の2大佛教道場の1つであり「净慈寺」と呼ばれています。

雷峰夕照(Sunset glow at Leifeng Pagoda)

净慈寺「南屏晩鐘」の北側にあり、夕日が沈む場所に位置しています。西湖の東側から雷峰塔を眺めると夕日が南屏山に沈むので、「雷峰夕照」と呼ばれています。 雷峰塔は、五代呉越国王が黄妃の子供を授かったことを祝福するため975年に建てたもので、当初は黄妃塔と呼ばれていました。1924年9月25日に風化が原因で倒壊し、2000年に現在の位置に復元されました。
途中で風が強くなり、西湖も大荒れ。

柳浪聞鶯(Orioles singing in the willows)

「柳浪聞鶯」は西湖の西岸に位置しています。前身は南宋御花園で、場所は、南は旧杭州城の金門、北は涌金門、東は城壁、西は西湖となっています。この公園は様々な形の柳があり、遠くから見ると女の子が腰を曲げて服を洗っているように見えたりします。他にもウグイス(聞鶯)が舞い飛んでいたこともあり、「柳浪聞鶯」と呼ばれています。
船に乗って1607年に作られた人工の西湖に浮かぶ島「小瀛洲」(三潭印月島)へ移動。 てっきり決まった時間に出発するものと思っていましたが、実際は人数が揃ったら出発でした。船の後ろのデッキは景色がいいですが、風が強いので落ちないように気をつけてくださいね。
天気がいいと西湖の西岸の町並みがはっきり見えますが、霧が出ていたりすると視界がかなり悪くなるのでちょっと寂しい?物足りない?・・・。でも、逆に情緒があっていいかもしれませんね。
週末や連休など混む時期は、西湖に浮かぶ島「小瀛洲」は人で溢れかえるので、船を待つ時間も計算しておかないと帰りの列車に間に合わなくなるので注意が必要ですよ! 一人45元(乗船料25元、西湖の埠頭への入場料20元)

三潭印月(Three pools mirroring the moon)

「三潭印月」は、西湖に浮かぶ3つの島の1つで別名「三潭映月」と呼ばれています。「三潭印月島」(小瀛洲)の中には4つの湖があり、地図で見ると“田”の字になっています。島には上海の豫園にある九曲橋のような橋があり、一年中咲き乱れる花が「水上の仙女」に見えるそうです。島の南側には高さ約2mの3つの石塔が立ち並んでいます。
中秋には石塔の中にロウソクの火が燈され、月光とロウソクの光が湖面に映し出さて金色になるといわれています。また秋はお米の収穫の時期なので、中国では秋の色は“黄色”、“金色”といわれています。
ちなみに中国語では「潭」とは池や湖で一番深い場所を表し、その場所に3つの石塔があることから「三潭」と呼ばれています。一番深い場所に石塔を建てることにより、湖底に泥が堆積しないような役目があるそうです。
また、「瀛洲」とは中国語で「古代神話で海上に仙人の住む場所」の意味で、三潭印月島に仙人が住んでいると信じられていたため「小瀛洲」と呼ばれるようになったそうです。
古装で記念撮影することもできます。衣装1セット10元。写真は持参のデジカメで撮影となります。かわいいですよね! 「三潭印月島」(小瀛洲)にて。

蘇堤春暁

「蘇堤」は、北宋時代に蘇軾(蘇東坡)が杭州知州だった時に、南側は「南屏山麓」から、北側は「栖霞山」を結ぶために造られた、全長約3km・幅約36mの人工の堤岸です。「六橋烟柳」とも呼ばれ、「6つの橋」と「しだれ柳」があります。「烟柳」とは遠くから柳が揺れているのが、あたかも煙のように見えるからだそうです。 蘇堤には、多くのしだれ柳、桃の木、桜、ハクモクレン(白玉蘭)、芙蓉、キンモクセイなどがあり、蘇堤で一番きれいな季節が春だということで「蘇堤春暁」と呼ばれています。

双峰插雲

西湖の西側に位置しています。
「双峰插雲」とは南山と北山の2つの山の頂上それぞれに佛塔があり、遠くから見ると天空の雲をつら抜いているように見えることからこう呼ばれているそうです。春と秋には青々とした山に霞がかかり2つの塔が雲まで達し、時には塔が現れ、時には霞がかって見えなくなってしまうことから、この季節の一番景色が美しいとされています。

帰路

レンタルサイクルもありました。 レンタルサイクルもありました。

レンタルサイクルもありました。

帰りの列車
これが、本物のカップラーメン「康师傅」!お味はナビの保証付?!前回ご紹介した偽モノ「康滋味」覚えてますか?皆さんもカップラーメンを購入するときは、必ずブランド名をしっかり確認しましょう!
杭州と上海の真ん中にある駅「嘉兴」で停車したときに、窓から駅弁のようなものが見えたので興味本位で見に行ったところ、おじさんが「嘉兴は粽子(ちまき)の本場だ」と言い張るのでついつい買ってしまいました。値段は忘れちゃいましたが、1つ3元くらいだったと思います。もち米の中の具は豚肉、とってもジューシーで本当においしかったです。停車時間はわずか5分くらいですので、皆さんも購入するときは乗り遅れないよう注意してくださいね。残念ながら“子弾頭”(新幹線)はこちらの駅には停車しないようです・・・。
19:20上海へ無事帰還。

たったの2時間半で走り回った「西湖(老)十景」の様子でしたが、いかがでしたか? 十景にそれぞれついている名前はみんな4文字の漢字なのですが、このたったの4文字にはと~っても深い意味があるんです。ナビの紹介とインターネットや書籍で紹介されている内容もそれぞれ微妙にちがうかもしれませんが、ナビは中国語の西湖関連資料とバイク運転手の説明、中国語の名前に含まれた意味をふまえた上で、自分の目で西湖を見て感じた感想を元に書いてみました。解釈方法はそれぞれ違うと思いますが、みなさんも「西湖(老)十景」に観光に行かれるときには、ナビの感想を参考にしていただければと思います。以上、上海ナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2007-04-13

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