黄山ふもとの世界遺産級村めぐり

あの映画の撮影にも使われた神秘的な村々へ! 1000年以上の歴史を持つ古鎮を散歩してきました。

こんにちは、上海ナビです。
中国は世界遺産の宝庫。上海から手軽に見に行ける世界遺産としては蘇州の庭園が有名ですが、そこから内陸部へもう少しだけ足をのばせば世界遺産のメッカ・安徽省に行くことができます。安徽省の世界遺産と言えば、お馴染み「黄山」ですよね。でも、そのふもとにも隠れた世界遺産があることはあまり知られていません。黄山の山頂や山々の様子はテレビやガイドブックで見ることはあるけれど、あの山のふもとには一体どんな村があるんでしょう。早速、週末を利用して出かけてみることにしました!
上海から黄山へは飛行機で約1時間、高速バスで約4時間、寝台列車で約15時間です。駅、空港から世界遺産の村々までは車で約1時間。タクシーをチャーターしていくのがオススメです。相場は1日300~400元。ただし、要中国語の交渉力です。車をチャーターせず、行くだけなら片道150元が相場。現地に宿をとる予定の方は片道だけタクシーを利用し、現地では徒歩や三輪車でめぐるのがいいかも。それでは早速、世界遺産の郷に足を踏み入れてみましょう。

中国を代表する世界遺産の古鎮「宏村」


黄山駅から車で約1時間。まずナビが目指したのは、黄山の南西に位置する黟県の古鎮「宏村」です。2000年に世界遺産に登録されたこの村は、約900年前の北宋時代に築かれた集落が原型となっているそう。築100~300年の民家が約140戸集まっており、水とうまく調和した街並みが印象的。村の入り口は長―い橋なんです!
村へ足を踏み入れると、目の前にはこんな風景が。レンガ造りの家々の壁は、数100年の時を経て滑らかに風化されています。路地に沿って水路が走っているのですが、流れている水のきれいさにもびっくり。上海近郊の古鎮とは、自然の豊かさが違うんですね……。
村の中ほどまで歩を進めると、突然こんな風景が表れます。
村の真ん中に、こんな池があるんです。「月沼」という半月型の池で、なんと600年もの間一度も水が枯れたことがないのだそう。ところで、映画ファンならこの写真を見て「もしかして……」なんて思っているのではないでしょうか。そう、『グリーン・デスティニー』でチャン・ツィイーがこの池の水の上を走ったことで一躍有名になった池です。
池のほとりにこんな茶館を見つけました。この「月沼茶館」は、築300年の民家を利用しているそう。おばあちゃんと猫が一匹店番をしています。ナビも時間を忘れてくつろいでしまいました。村内には素敵なお店もたくさんあるんですよ。

木彫りの家をとりまく「盧村」

「宏村」から車で10分ほど走ったところにあるのが「盧村」です。この村は、壁、窓、ドアなど、家の内装全体に精巧な彫刻が施された「雉山木雕楼」が有名。入村料26元を支払うと、この村で生まれ育ったガイドさんが道案内してくれます(単独での入村は不可)。見どころである住居や庭は、このガイドさんが鍵で一つひとつ開けて見せてくれるんです。秘密の村を探検するような気分♪
こちらが「雉山木雕楼」。内部全体にびっしりと施された彫刻にクラクラします。
でも、よーく見ると人物の顔だけのっぺらぼうにように削り取られています。ガイドさんによると、文革時に受けた被害とのこと。大損害ですよね……。今は触れられないようにガラスの板で保護されています。 でも、よーく見ると人物の顔だけのっぺらぼうにように削り取られています。ガイドさんによると、文革時に受けた被害とのこと。大損害ですよね……。今は触れられないようにガラスの板で保護されています。

でも、よーく見ると人物の顔だけのっぺらぼうにように削り取られています。ガイドさんによると、文革時に受けた被害とのこと。大損害ですよね……。今は触れられないようにガラスの板で保護されています。

ガイドさんが案内してくれる家々は、基本的に今も人々が暮らしている家。しかもただ住んでいるだけでなく、先祖の代からずっと同じ家に住んでいるという人ばかりなんです。偶然出会ったおじいさんは、この家に住み始めた一族のちょうど30代目だと教えてくれました。30代目……。一体何百年暮らしてきたのでしょうか。日本で言えば、江戸中期から同じ家に住んでいるようなものですよね。日本とはケタ違いの歴史を個人単位で守り、先祖を敬いながら暮らしている人々。そんな住民たちと触れ合えた、貴重なひとときでした。
そして、村の入り口にはその伝統を受け継いで行くのであろう子どもたちが通う幼稚園がありました。

迷宮の街「南屏村」

次にナビが向かったのは、「盧村」から車で15分ほどのところにある「南屏村」。こちらはなんと1100年以上の歴史を誇る祀堂を中心とした村で、特徴はなんといっても背の高い白壁の住居です。そして、一度入ったら迷って出られなくなってしまいそうな迷路のような路地! 
まずは村の中ほどにあるいちばん高い建物の屋上から村全体を見渡して見ましょう(上り賃5元)。眼下には、こんな風景が広がります。
もう一つの見どころはここ!こちらも中国映画ファンならピンと来たのではないでしょうか。チャン・イーモウ監督の『菊豆』に出てくる染物屋です。祀堂をそのままセットにしていたんですね。壁には、主演のコン・リーの写真が飾ってあります。また、この村ではレオン・カーファイと富田靖子の共演で話題になった『南京の基督』も撮影されているんです。現地では「映画村」の異名も持っている「南屏村」。でも、作られたセットではなく歴史的建造物をそのまま使っているところ、さすが中国です。
『菊豆』も『南京の基督』も、ちょっぴりセクシーな映画でしたよね。それと関連づけるわけではありませんが、地元の人に聞いたこの村の独特な家の作りの秘密をこっそりお教えします。南屏村の家は、背の高い家屋と、そのいちばん上にちょこっとしつらえられた小さな窓が特徴なのですが、実はこれ、だんなさんが出稼ぎに行っている間に奥さんの寝室に別の男が入らないようにするためなのだそう。なるほど……。でも、どの家も窓はここだけしかないんです。風通しとか、日が当たらないんじゃないかとか、日本人的にはそんな余計な心配をしてしまいました。
海外からの観光客も多く、大スターがたくさん訪れている「南屏村」。にもかかわらず、住民たちは何も変わらず、大胆な観光化もせずに、普通に暮らしているところもこの村の魅力です。生活臭のただよう味わい深い風景もそこここに。
いかがでしたか?今回訪れた3つの村は、どれも黄山から車で数十分で来ることができます。そうとは知らずに前回黄山に来たときは、山だけを見て帰ったナビ。惜しいことをしていたものです。皆さんも黄山を訪れた際は、もう1~2泊予定を延ばしてふもとの村を散策してみてはいかがでしょう。中国の悠久の歴史を、より身近に感じることができるハズです。
以上、上海ナビがお伝えしました。
関連タグ:宏村盧村南屏村

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-11-04

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