上海の映画館に行ってみよう!

中国語、中国映画がわからなくても楽しめる! 地元の映画ファンといっしょに新作映画を鑑賞しよう。

こんにちは、上海ナビです。
旅先でいちばん在住者気分を味わえる場所といえば、映画館なのではないでしょうか。「観光客が行かない場所」「地元の人が行く場所」を目指す方にとっても映画館はその条件に合う場所です。アメリカ、インドなどと並ぶ映画大国・中国で、本場の中国映画を観てみたいという方もいるはず。ということで今回は、中国語がわからなくても、上海が初めてでも行ける映画館の楽しみ方をご紹介したいと思います♪

上海の映画館の楽しみ方

まずは知っておきたい基本情報から。日本との違いもまとめてみました。
同じ日、同じ作品でも、映画館と上映時間によって値段が2倍も違う!

同じ日、同じ作品でも、映画館と上映時間によって値段が2倍も違う!

チケットの値段がバラバラ!
日本は、割引デーやシニアチケットなどで値段が変わることがありますが、一般的には1,800円ですよね。上海は、上映館、時間帯、購入場所(アプリか窓口か)、購入時期(郊外映画館の前売りが最安)などによって20〜150元前後と大きく値段が変わります。上映中の作品を窓口で当日買うときの平均は60元ほど。ポップコーンとドリンク付きチケットなどが販売されることもあります。
館内に貼ってあった広告。一見映画の広告ですが、ミニクーパー(自動車)の広告でした

館内に貼ってあった広告。一見映画の広告ですが、ミニクーパー(自動車)の広告でした

予告編が流れない!
本編が始まる前の5分ほどの時間は、上海では一般的なメーカーや商品のCM、アプリ(動画アプリ、映画情報アプリなど)のCMが流れるのが一般的。映画の予告編はあまり流れません。それと、ロビーなどでパンフレットを売っていない(映画パンフの文化自体がない?)ことも特徴です。と、書いているうちに日本の映画館文化のほうが独自に進化してるのかな〜と思えてきました。
ほぼ満席だったのに、照明がついたらこんな状態なんてことも

ほぼ満席だったのに、照明がついたらこんな状態なんてことも

エンドロール問題
「中国の映画館あるある」なので知っている方も多いかもですが、エンドロールを最後まで見ない派が多く、映画館側もエンドロールが終わらないうちに照明をつけたり、清掃の人が入ってくる場合もあります。なのですが、上海映画祭など熱心な映画ファンが集う場では、本編終了後とエンドロールが終わったあとの2回拍手が起きるのが一般的。熱心な映画ファンと、一般の映画好きとの行動差が激しいのも中国ならではだと思います。

<日本人的、上海の映画館の楽しみ方>

「中国語がわからないので、映画館に行くメリットはないと思う」「そもそも中国映画に興味がない」という方も多いのでは。でも、上海の映画館にはこんな魅力もあるんです。
特にディズニーは早い!? アナ雪もモアナも、日本より1ヶ月以上早く公開されてました

特にディズニーは早い!? アナ雪もモアナも、日本より1ヶ月以上早く公開されてました

アメリカ映画の公開日が日本より早い!
2018年夏現在の話題作で説明すると、『ジュラシック・ワールド 炎の王国』は6月15日公開(日本は7月13日公開)、『インクレディブル・ファミリー』は6月22日公開(日本は8月1日公開)と、アメリカの映画は日本よりも通常1〜2か月ほど早く中国で公開されています。なので旅行中、街角広告などを見て「え! これ、もう公開されてるの!?」と驚くことも多いはず。「英語圏の映画は字幕なしで楽しめる」という方は、上海で観たほうが早くてお得です。
アニメでも、人気がある俳優さんが声の担当をしている場合は字幕で上映

アニメでも、人気がある俳優さんが声の担当をしている場合は字幕で上映

邦画はそのまま楽しめる!
上海で公開される日本映画は、一般的に日本語音声、中国語字幕で上映されています。一部、吹き替えで上映される場合もありますが、チケット購入時に「中文版」「国語版」「配音版」などの表示があるものを選ばなければ大丈夫。日本で邦画を観るのと同じ感覚で鑑賞できます。ハリウッド系も8割以上字幕上映(アニメでもです!)。いろいろなものに対して「原味(中国向けに変えていない本場のもの)」が好きな中国人は、日本人よりも字幕派が多いといえるのではないでしょうか。

チケットを買おう!

一般的な映画館のチケット売り場

一般的な映画館のチケット売り場

【窓口編】
当日、窓口でチケットを買う場合は、チケット売り場の電光掲示板で上映作品、時間を調べ、作品名、時間、枚数のメモを係員に見せればOK。日本と違い座席指定の映画館がほとんどなので、購入時に座席画面から希望の席を選んで指差しで係員に伝えます。簡単ですね。現地の人はほとんどアプリで購入しているので、窓口は並ぶ必要もありません。
電光掲示板で作品、時間、値段を確認

電光掲示板で作品、時間、値段を確認

無料の映画情報誌が置いてあることも

無料の映画情報誌が置いてあることも

いっしょにポップコーンもどうぞ

いっしょにポップコーンもどうぞ

【アプリ編】
2018年現在、ナビがよく使っている映画チケットアプリは「淘票票」と「猫眼電影」。たまにどちらかでだけ発売する作品があるので、両方チェックするようにしています。「実際にはアプリは使わない」という方も、見ておくと現在中国でどんな映画がヒットしているのかがわかりますし、中国人の映画レビューの書き込みもけっこうおもしろいのでヒマつぶしになります。
アリババ系の「淘票票」は上海映画祭とも提携

アリババ系の「淘票票」は上海映画祭とも提携

テンセント系の「猫目電影」は「微信」からも開けるので面倒な登録不要

テンセント系の「猫目電影」は「微信」からも開けるので面倒な登録不要

チケットの買い方の基本は同じですが、ここでは「淘票票」で解説したいと思います。手順は以下。
①トップページから、現在チケットを購入できる映画の一覧を見ます。『生存家族(サバイバルファミリー)』を観ようかな。「購票」をクリック

①トップページから、現在チケットを購入できる映画の一覧を見ます。『生存家族(サバイバルファミリー)』を観ようかな。「購票」をクリック

②上映されている映画館と値段、日時を選びます。「原版」「日語」と書かれているのが日本語音声の上映です

②上映されている映画館と値段、日時を選びます。「原版」「日語」と書かれているのが日本語音声の上映です

③座席を選び、いちばん下のピンクの確認ボタンをクリック。スマホ決済の画面に進み、チケットを購入します

③座席を選び、いちばん下のピンクの確認ボタンをクリック。スマホ決済の画面に進み、チケットを購入します

映画館のロビーに設置されているこの機械へ

映画館のロビーに設置されているこの機械へ

予約購入をしたら、当日映画館のロビーに設置されている「淘票票」の発券機からチケットを受け取ります。「猫眼電影」で予約した場合は、「猫眼電影」の発券機を使います。
アプリ内の「我的」を開くと、購入した映画のQRコード画面があります(QRコード、下の予約番号は隠してあります)

アプリ内の「我的」を開くと、購入した映画のQRコード画面があります(QRコード、下の予約番号は隠してあります)

白い部分でQRコードをスキャン。うまく読み取れないときは予約番号を入力

白い部分でQRコードをスキャン。うまく読み取れないときは予約番号を入力

チケットが出てきました♪

チケットが出てきました♪

こんな感じで、自分が観た映画と評価を記録できます

こんな感じで、自分が観た映画と評価を記録できます

観終わったら作品に評価をつけることができます。これが購入ページに表示される観客評価点に反映されます。自分がどんな映画を観たか記録することも。スマホ決済の使い方の基本は下の記事をご覧ください。

レトロ映画館に行ってみよう!

戦前オープンの映画館に行ってみよう

戦前オープンの映画館に行ってみよう

日本にはない上海の映画館の魅力といえば、戦前にオープンした映画館が現役バリバリで利用されていること。名画座、ミニシアター的な利用のされ方ではなく、最新の音響システム、ドルビー3Dの設備などを取り入れていて、最新のシネコンと同じように新作を上映しています。ナビが普段よく行く上海三大レトロ映画館はこちら!
モダンな外観、白黒写真時代とまったく変わっていません

モダンな外観、白黒写真時代とまったく変わっていません

大光明電影院

上海最古の映画館でありながら、2018年現在も上海トップクラスの観客数を誇る不動の存在。オープンは1928年で、当時の出資者の一人にはアルバート・ワーナー(ワーナーブラザーズの創立者の一人)が名を連ねています。建物の設計はラズロ・ヒューデック、オープン時には伝説の京劇役者・梅蘭芳がテープカットを行なったそう。現在もこの映画館は満席の回が多く、最盛期と同じような活気があるのが上海のスゴいところだなと思います。
別名はキャセイシアター

別名はキャセイシアター

国泰電影院

1932年にハンガリーの「C.H.Gonda(鴻逹洋行)」という建築事務所が建てた老舗映画館。赤煉瓦のファサードが淮海中路のプラタナス並木によく映えます。公式サイトによると、年間のチケット売上額は2,400万元(約4億円)以上だそう(2015年のデータ)。シネコンのようにスクリーン数が多いわけではないことを考えると驚異の人気だと思います。立ち寄りやすい場所にあるので、ナビも通りがかるたびに何を上映しているのか覗いてしまいます。
社会主義的なレトロ建築

社会主義的なレトロ建築

衡山電影院

個人的にいちばんのお気に入りはここ。竣工は1951年で、中国の建国以降初めて新しく建設された映画館とのこと。レトロモダンな上海式のデザインと、社会主義的なデザインが融合したような建物が特徴。入口前と奥が公園のようになっているので「花園影院」とも呼ばれています。メインの建物の奥に離れのスクリーンがあるなど構造もユニーク。向かいに公園がある静かなストリート沿いにあるのでデート向きの映画館かも?

この映画館もお勧め

雰囲気、アクセス、居心地の良さで選んだ、旅行者の皆さんにもお勧めできる映画館は以下。
明るくて清潔感も満点の劇場です

明るくて清潔感も満点の劇場です

虹橋芸術中心

劇場としても利用されている文化センター的映画館。古い映画館を2016年に改築したもので、内装や座席が新しくてとにかく快適です。入り口と出口が違うルートだったり、ウッド調の小さい階段を上った先にミニシアターが隠れていたりと、探検したくなってしまう構造なのも魅力。
昔ながらの映画館といった雰囲気

昔ながらの映画館といった雰囲気

上海影城

2015年ごろまで上海映画祭のメイン会場として使われていた映画館。シネコンやIMAXシアターがまだ無かった時代の、80〜90年代の映画館の雰囲気を色濃く残しています。併設のホテル「クラウン・プラザ」は意外に日本人旅行者の利用も多め。ここに滞在するなら映画館も覗いてみて。
デザインがかわいい!

デザインがかわいい!

UME新天地国際影城

とにかくきれいで快適。椅子の座り心地も文句なしの映画館です。「新天地」内という立地も行きやすいですよね(ただし立地、設備面からチケットはやや高め)。定番ヒット作が必ず上映されているので通りがかりにぜひチェックを。『君の名は。』の上映時、ナビはここで観ました〜。

シネコンもたくさんあります

シネコンもたくさんあります

そのほか、上海市内の人気ショッピングモールには必ずシネコンが入っています。旅行者の皆さんが行きやすい立地の快適シネコンを備えたモールはこちら!

番外:映画スポット

蝋人形館もハズせない!?

蝋人形館もハズせない!?

中国の映画スターに会える蝋人形館、現在も稼働中の撮影所など、映画ファンなら合わせて行きたいスポットもまとめてみました。

いかがでしたか? 上海の映画館、行ってみたくなったのではないでしょうか。書ききれなかったもう一つの魅力は、上海現地のお客さんは映画館でよく笑うということ。日本ではコメディでも客席が静かなことが多いですが、上海は監督が少しだけ笑いを狙ったようなシーンでも必ず笑いが起こります。気兼ねなく笑って泣くお客さんたちに囲まれていると、なんだかとてもいい作品を観たような気分に。この雰囲気も含めて、ぜひ上海の映画館を味わってみてください。
以上、上海ナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2018-08-09

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