上海スイーツ☆特集

昔ながらのご当地甘味から人気のマンゴースイーツまで! 新旧の上海スイーツを食べ比べ♪

こんにちは、上海ナビです。
上海人は、中国のほかの地方の人から見ると甘いもの好きな人種のようです。伝統的な上海料理は醤油×砂糖の甘辛風味ですし、お茶飲料の砂糖入り、お酒の席でコーラやジュースも当たり前。日本人には苦手な人が多い、甘いおかず(絶対ご飯には合わない味!)も多いのです。ということで、スイーツにはこだわる人が多い上海人に人気の一品を大調査。日本では食べられないものを中心にご紹介したいと思います!

上海のご当地スイーツ編

まず知っていただきたいのは、「中華スイーツ=上海スイーツ」ではないということ。日本でお馴染みの中華スイーツ(杏仁豆腐、マンゴープリンなど)は、香港や台湾が本場です。そのため、上海スイーツは日本人には未知のものが多いかも。特徴としては、冷えていない(温かい)こと、小豆餡、餅、ゴマ、酒粕など、意外に日本人に馴染みのある食材を使うこと、季節ごとの行事で食べるものが多いことなどでしょうか。

湯圓

小豆餡や黒ごま餡を入れたお餅を茹でたアツアツの伝統スイーツです。一見白玉団子のように見えますが、食感は白玉よりやわらか。中の餡もとろとろです。元宵節(春節後、ランタンフェスタなどが行なわれる日)に食べるものとして知られ、専門店は特に冬場が混み合います
餡入りのお餅をシンプルに茹でただけの伝統スイーツ 餡入りのお餅をシンプルに茹でただけの伝統スイーツ

餡入りのお餅をシンプルに茹でただけの伝統スイーツ

素朴な甘さ

素朴な甘さ

酒酿圓子

上海は料理やスイーツによく酒粕を使いますが、このスイーツはその代表格。こちらもアツアツなのが特徴です。酒粕と葛でとろみをつけたベースに小さいお団子が入っているのが一般的。上海料理店のデザートとして定番です。甘酒に似た日本人好みの味なんですよ。
八宝飯

デザート、点心、ご飯ものの定義が実は曖昧な上海料理。その定義をより曖昧にしているのが八宝飯です。ナッツや小豆餡、ドライフルーツを入れた甘い餅米を蒸したもので、親戚や家族が集まったときの料理の締めとして食べます。大晦日に食べるものとしても知られています。
市場、ローカルスーパーなどで売られている八宝飯。自宅で蒸して食べます

市場、ローカルスーパーなどで売られている八宝飯。自宅で蒸して食べます

伝統的な上海料理店にも。お店ごとにアレンジされています

伝統的な上海料理店にも。お店ごとにアレンジされています

青団

毎年4月の清明節前後に売り出されるのがこれ。味は見た目のとおり、日本の草餅と同じ味です。ただし、食べるならできたてのやわらかいうちに。上海のスイーツ事情は、お土産向きではないお菓子が多いのが残念なんですよね〜。
春先に売られます。下町の小吃店やコンビニでも販売 春先に売られます。下町の小吃店やコンビニでも販売

春先に売られます。下町の小吃店やコンビニでも販売

奶酪

ここまで紹介したスイーツの中ではやや垢抜けている新参者。ですがこれ、中国の宮廷でも食べられていた伝統的なスイーツなのだそう。味は、酒粕風味のミルクたっぷりヨーグルトといった感じ。フローズンにしたり、フルーツをトッピングしたものも人気です。
ヨーグルトほど酸味はなく、チーズほどしつこさがないまろやかなデザート ヨーグルトほど酸味はなく、チーズほどしつこさがないまろやかなデザート

ヨーグルトほど酸味はなく、チーズほどしつこさがないまろやかなデザート


屋台スイーツも。有名なのは海棠糕

屋台スイーツも。有名なのは海棠糕

代表的なもの以外にこんなスイーツも。上海料理店はもちろん、庶民的な地方料理のお店にも未知のスイーツが見つかります。メニューの最後のほうをぜひチェックしてみて下さい。
豫園商城などで見かける糖葫芦は、伝統的な中国スイーツの代表格

豫園商城などで見かける糖葫芦は、伝統的な中国スイーツの代表格

点心のお店によくあるカスタードまん。なぜか豚型です

点心のお店によくあるカスタードまん。なぜか豚型です

下町のお菓子屋さん。ゴマのお菓子は日本人の口にも合うかも

下町のお菓子屋さん。ゴマのお菓子は日本人の口にも合うかも

「鼎泰豊」の小豆餡小籠包。こしあんで、意外と美味です

「鼎泰豊」の小豆餡小籠包。こしあんで、意外と美味です

「巴国布衣」の四川風きなこスイーツ。中はお餅です

「巴国布衣」の四川風きなこスイーツ。中はお餅です

「孔雀」の四川風饅頭。黒糖餡入り。四川料理はスイーツが豊富?

「孔雀」の四川風饅頭。黒糖餡入り。四川料理はスイーツが豊富?

秋限定のご当地スイーツ

秋限定のご当地スイーツ

上海スイーツとしてもう一つ代表的なのが月餅。街では中秋節前限定で売り出されます。ただし、日本人の口に合うものが少ないのが難点なんですよね〜。

生クリームの味がレトロ

生クリームの味がレトロ

<番外編1:レトロ洋菓子>
上海は戦前に西洋文化の影響を受けた街です。そのため、地元のお年寄りが懐かしがる上海ならではの洋菓子というジャンルが存在。代表的なのは「国際飯店」の蝶々パイや、「紅宝石」の摜奶油(生クリームカップ)でしょうか。老舗ホテルのデリや戦前オープンの洋食屋さん、老舗食品店で探してみて。

<番外編2:甘いおかず>
おかずなのにスイーツに含めてもいいような料理が上海にはたくさんあります。特に前菜として出てくることが多いよう。食事の前に甘いものを食べる文化、おいしいとは思うけどナビはいまだに慣れません……。どれも上海料理店のメニューの前半に必ず載っているので、興味がある方はオーダーを。
「心太軟」。ナツメにお餅を詰めたおかず。不思議な甘さ

「心太軟」。ナツメにお餅を詰めたおかず。不思議な甘さ

「糖藕」。レンコンに甘い餅米を詰めたもの。上海名物です

「糖藕」。レンコンに甘い餅米を詰めたもの。上海名物です

山芋のブルーベリーがけもよく見ます。お店によってキャラメルがけも

山芋のブルーベリーがけもよく見ます。お店によってキャラメルがけも

香港・台湾系スイーツ編

上海のスイーツ界で幅をきかせているのはやっぱり香港・台湾・マカオ系のお店。マンゴー、タピオカ、ココナッツミルクなどを使った、冷たいデザートが主流です。お店の流行り廃りがやや早いので、ここでは長年安定して人気を得ているお店を中心のメニューを中心にリストアップ。さらに人気店は郊外にあることが多いのですが(若い女子が多い大学近くなど)、なるべく旅行者の皆さんが行きやすい立地のお店を選んでみました。

楊枝甘露

マンゴー風味のシロップにタピオカとグレープフルーツを入れたデザートです。マンゴー系デザートが大人気の上海ですが、このスイーツは上海ではプリンよりも人気だそう。でも、マンゴーを使ったものはどれを食べてもハズレがない気が。いろいろ食べ比べてみてください。
タピオカミルクにマンゴーとグレープフルーツが入った定番デザート タピオカミルクにマンゴーとグレープフルーツが入った定番デザート

タピオカミルクにマンゴーとグレープフルーツが入った定番デザート

蛋撻(エッグタルト)

マカオ発のスイーツといえばこれ。上海でも昔から人気で、ローカルベーカリーや茶餐廳はもちろん、ケンタッキーでも売っている定番商品です(期間限定の場合もあります)。味は、卵の風味が豊かな焼きプリンを繊細なパイに入れた感じ。焼きたてアツアツを買い食いしてみて。
氷沙(シャーベット/かき氷)

上海で氷系スイーツを食べるなら台湾発のお店へ。人気は濃厚なマンゴー風味の氷沙(シャーベットとスムージーの中間みたいなデザート)と、小豆や練乳、フルーツ、プリンなどがトッピングされた特盛りかき氷です。数人でシェアしましょう。
台湾系のお店はどこも一人で食べるのが無理な量! 台湾系のお店はどこも一人で食べるのが無理な量!

台湾系のお店はどこも一人で食べるのが無理な量!

燕窩(ツバメの巣デザート)

高級料理に使われるイメージのツバメの巣ですが、リッチな上海人女子たちの間ではスイーツとして食されています。とにかく美肌効果がすごいのだとか。代表的なのは「雪梨燕窩」。梨の果肉やクコの実といっしょに温めたデザートです。
ツバメの巣自体は無味無臭。ゼラチンみたいな食感です ツバメの巣自体は無味無臭。ゼラチンみたいな食感です

ツバメの巣自体は無味無臭。ゼラチンみたいな食感です

亀苓膏(亀ゼリー)

以前ほど流行らなくなった感はありますが、やはり中華スイーツとしてはずせない存在。弾力があってやや苦味がありますが、いかにも体に良さそうな味。上海ではこれに似た仙草ゼリーもポピュラーです。香港系スイーツショップや広東料理店でどうぞ。

茶餐廳や台湾料理店、広東料理店にはほかにもめずらしいスイーツがいっぱい。意外と杏仁豆腐は上海ではマイナーな存在。メインにしているお店は見つかりませんでした。
代表格はやっぱりマンゴープリン

代表格はやっぱりマンゴープリン

ゴマ団子も定番です

ゴマ団子も定番です

仙草ゼリー入りマンゴー

仙草ゼリー入りマンゴー

豆腐と黒ごまのデザート

豆腐と黒ごまのデザート

パイナップルバターパン

パイナップルバターパン


アジア経由洋菓子・ナポレオン

アジア経由洋菓子・ナポレオン

<番外編1:アジア経由の洋菓子>
2015年現在、日本で流行っているスイーツといえばパンケーキですが、上海ではそれほど流行っていません。一方で現地の女子が食いついているのが、香港や台湾経由でブームになっているナポレオン(ミルフィーユ系のケーキ)と、ハニートースト(アイスやフルーツを盛りつけたパン)。カフェだけでなく、広東料理店や茶餐廳もこれらに力を入れていて、行列ができているお店も。スイーツのブームは、日本は欧米から、上海はアジアから来るほうに飛びつくのかも?

<番外編2:過去流行ったモノあれこれ>
2000年代まで大人気だった珍珠奶茶(タピオカミルクティー)。その代表的なお店だったスイーツショップ「仙踪林」は、すでに上海市内から姿を消しています(ナビも今回調べてみてびっくり! あんなに人気だったのに!)。また、2010年ごろから店舗が増えてブームになった台湾系の「鮮芋仙」もそろそろ旬が過ぎた感が。食べ物に関してはブームの入れ替わりが速い上海。気になったものは今のうちに食べておきましょう。
このウサギマーク、いつの間にか見なくなりました

このウサギマーク、いつの間にか見なくなりました

ブームが落ち着いた芋系デザート

ブームが落ち着いた芋系デザート


いかがでしたか? 今回は上海らしいスイーツに絞ってご紹介しましたが、マカロン、クレープ、抹茶スイーツ、ワッフル、ロールケーキ、シュークリーム、チョコレートなども上海では大人気。日本や欧米から進出したカフェやパティスリー、ショコラトリーも人気店が増えています。日本にあるスイーツも、もしかしたら上海らしい味に進化しているのかも? いろいろ食べ比べてみて下さいね。
以上、上海ナビがお伝えしました。

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2015-07-24

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