皮はフワフワ、焼き目はカリカリ、そしてジューシーな餡から溢れ出すスープ…上海小吃の横綱「生煎」の魅力に迫る!
こんにちは、上海ナビです。
上海小吃(シャオチー)の王様といえば、「小籠包」!上海ナビをご覧の皆さんならジョーシキですよね。
ではでは、小籠包と同じく上海名物の小吃 「生煎(シェンジエン)」 はご存じですか?生煎とは簡単に言うと、小さな肉まんを鍋で蒸し焼きにしたようなもの。一度食べたら忘れられなくなるあの味、食感…。
名前:生煎饅頭
通称:生煎 出身地:上海 年齢(歴史):100年以上
そもそも生煎とは、“生煎饅頭 シェンジエンマントウ” の略称だそうですが、この名前はちょっと矛盾。なぜなら “饅頭” は本来、中に何も入っていない中国式蒸しパンのことで、生煎のように中に具や餡が入っているものは、“包子 バオヅ ” と言い、本当は “生煎包子” と呼ぶべき。でもまぁ、饅頭と包子を区別するのは北の方言らしいし、おいしければ何でもいいかなと思うのはナビだけ?
日本語では 「焼き小籠包 」とも称される生煎と、小籠包を並べてみました。左が生煎です。こうやって見比べてみると、見た目はあまり似ていませんね。食べると中からスープが飛び出すところは同じですが、皮の厚さや食感はぜんぜん違うんです。
~生煎ができるまで~
I, 生地をコネコネ、のばしてのばして、皮を作ります。
II, 皮で豚肉の餡を包みます。この餡は、煮こごり状にしたり(食べた時ジュワーっと溶け出すスープの秘訣)、冷蔵庫であらかじめ冷やしておいたりと、お店によってオイシイ工夫がされてます。
III, コレが焼く前の生煎たち。コロコロしていてかわいい!
IV, 油をひいた大きな丸い平鍋に並べて、フタをして、蒸し焼きにします。タオルやダンボール(!)で鍋の端を握って、グルグル回しながらムラなく焼き上げ、最後にゴマをふりかけます。
V,できたてあつあつを、みんなの元へ!
生煎は、蒸し焼きってのがポイント!蒸し焼きだから、皮はフワフワ♪ 焼き目はカリカリ♪ 溢れるスープがウマ~♪ となるわけです。
今日からアナタも生煎マスター
焼きあがってからちょっと時間が経って、表面が冷めていても、中身はとっても熱い!のが生煎の神秘。火傷しないように、どうやって食べればいいのでしょう?
【生煎の買い方】
ローカル系の生煎(小吃)店では、ほとんどがレジにて前払い制です。「生煎ください!」 言うと、「几?(いくつ)?」 と聞かれます。生煎は、兩(リャン)=50g単位で売られ、個数で言うと、どこのお店も大体4つです。
1兩(イーリャン)=4個 → 小腹が空いた時に。
2兩(アーリャン)=8個 → しっかり食べたいときに。
3兩(サンリャン)=12個 → 2人でちょうどよくお腹いっぱい。
中国語ができなくても、ジェスチャーで通じるので大丈夫ですよ!
お店紹介
生煎が食べたくなっちゃった!という皆さん、お次は生煎が食べられるお店をチェックしましょう!
小楊生煎館(シャオヤンシェンジエングァン )
~生煎店ナンバーワンの地位を確立?~
ガイドブックにも必ず載っている超超超~有名店。生煎といえば、「小楊生煎館」 を思い浮かべる人も少なくないとか。上海の有名小吃ストリート 「呉江路」 にあるお店はいつも行列が絶えません。ちなみに店名ですが、お店の看板は木へんの 「楊」、店内メニューには手へんの「 揚」 の字が使われていて、いったいどっちが正しいのか店員さんたちも分からないんだそう。
★ 小楊生煎 3.5元/4個(1兩=50g)
【形/大きさ】 けっこう大きめ。丸々とはしておらず、5cm×5cmの正方体チックな形。
【皮】 薄い。モチモチとしていて、小籠包の皮に似た食感。
【スープ】 これでもか!というほどたっぷり。
【餡】 ゴロンと大きな肉餡の味付けは濃い目ですが、日本人の口にもよく合います。
ナビの経験上、初めて食べた人は 「オイシイ~」 と必ず感激します。何度も食べたことある人も 「やっぱりオイシイ~」 と感嘆します。生煎歴の長いナビですが、ココの生煎を目の前にするとやっぱりテンションが上がってしまって、勢いよくガブッ → スープがピューと飛び出す → 「ウヒャ!」 と奇声を発する → 周りの人に笑われる、という経験があるので、みなさんはくれぐれもアツアツスープには気をつけてくださいね!
★ 牛肉湯 ニウロウタン 4元
生煎と一緒に、このカレー味の牛肉スープを頼む人がほとんど。確かに、スープとセットだと、生煎の油っぽさもサッパリ流されるような感じがして、より美味しく食べられる気がしますね。
豊裕生煎(フォンユーシェンジエン)
~小楊生煎館のライバル?!あなたは小楊派?豊裕派?~
上海っ子に 「おいしい生煎屋さんはどこ?」 と聞くと大概、「小楊と豊裕!」 という答えが返ってくるんですよ。コチラは、上海市内に十数店舗を構える小吃や麺のチェーン店。生煎だけを求める長蛇の行列を目撃したことはありませんが、食事時はもちろん、いつでも客足の絶えない人気店なんです。
★ 豊裕生煎 2.5元/4個
【形/大きさ】 コロンと小ぶり(3.5cm×4cm)で、上だけ見ると雪見大福みたい。
【皮】 そんなに厚くないのにフワフワな柔らか食感。
【スープ】 たっぷり。
【餡】 生煎自体が小さめなので、餡も少なめ。豚肉本来の味がイヤミなく活かされてます。
ゴマはかかってないけど、焼いた結び目(おしり)がカリカリな揚げ菓子みたいでおいしいです。豊裕生煎は小さめサイズなので、小腹が空いてなにかちょっと食べたいなぁという時に頼りになる存在。また、麺やゴハンモノもなかなかイケルと聞きますが、生煎と “油豆腐線粉湯(春雨スープ)” をセットで頼む人が圧倒的に多いそうですよ。みなさんも上海っ子の定番メニューにチャレンジしてみてくださいね!
レストランでも食べられますよ
生煎は上海名物ですので、もちろん上海料理レストランでもいただくことができますよ♪
ナビでご紹介済みの上海料理レストランの中で、バツグンの人気を誇る生煎を提供してくれるのは…
保羅酒楼(バオルオジォウロウ)
地元の人を中心に、いつもたくさんのお客さんでにぎわう、素朴な雰囲気の上海家庭料理レストラン。コチラの生煎は、たくさんあるお料理の中でも、大人気メニューのひとつだとか。期待が高まりますね!
★ 保羅生煎 18元/6個(1皿)
【形/大きさ】 思わず「でかっ!」と言っちゃうほど大きいです。結び目の反対側に焼き目があるタイプ。見た目は栗、もしくはちびまる子ちゃんに出てくる永沢くん。
【皮】 厚めでフワッフワ。肉まんの皮部分のようです。焼き目はサックサク!
【スープ】 少なめ。
【餡】 ちょっと甘めの味付け。
上はフワフワ、下はサクサクな食感が楽しめます。てっぺんには黒ゴマ、焼き目にはグルリとまんべんなく白ゴマが。このゴマが香ばしさに磨きをかけていて、皮だけでもずっと食べていたい気分になるんです。焼きショーロンポーというよりは、焼き包子(バオヅ)って感じですが、最高の食感が楽しめるボリューム満点の保羅生煎、ナビも大ファンです!ちなみに、オーダーが入ってから焼くので、20分ほどかかります。が、小吃店ではないので、他のお料理を食べつつ待てばよいから心配無用!
ナビが日本に帰省すると、妙に恋しくなってムショーに食べたくなるものの一つが生煎なんです。何回食べても、おいしいっ!と思えるってすごいことですよね。
ナビのように生煎のトリコになったという方は、ぜひぜひ日本で生煎の魅力を広めてください!生煎未体験の方はぜひ上海に来て、あのおいしさを味わってみてくださいね。以上、上海ナビがお伝えしました。
関連タグ:
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2008-02-02