上海の旧正月

時期、由来、文化をマスターして楽しみ方を見つけよう! 春節期間中のナビ流上海旅行術。

こんにちは、上海ナビです。
中国の代表的な祝日・春節(旧正月、チュンジエ)には、上海に住むナビにとっても未だナゾがいっぱい。1月が忘年会シーズン? カレンダーや手帳は取り替えるのにまだ新年じゃないってどういうこと? いったいいつ年賀状を出せばいいの? 夜中の12時に爆竹を鳴らすって非常識じゃない?……などなど、日本人として理解できないことがたくさんあります。この時期に上海に出かけるという方も不安があるはず。今回は、上海の春節攻略法をご紹介したいと思います。

春節っていつ?

大晦日が近づくと、街にタチウオ屋さんが目立ち始めます。

大晦日が近づくと、街にタチウオ屋さんが目立ち始めます。

中国は、祝日を陰暦(農暦)で祝う習慣が残っています。特にお正月、七夕、端午節などの伝統行事は、日本より1ヵ月ほどずれた時期に行われます。陰暦は毎年変わるため、事前に把握しておくことも大事。春節の時期は毎年1月中旬から2月中旬前後です。2015年は2月19日。春節商戦や連休があることを踏まえ、中国に関わっている日本人ビジネスマンは前年から春節の時期を意識して働いています。

春節とは?

日本語でいう旧正月を「春節(チュンジエ)」といいます。その名のとおり、立春、初春といった意味。でも、日常会話、口語では「過年(グオニェン)」という言い方が一般的です。また、春節の前夜である大晦日「徐夕(チュウシー)」は、口語ではよく「大年夜(ダーニェンイエ)」と言います。口語バージョンの呼び方は、中国共通というより上海でよく使われているよう。
ドアに貼られた赤い紙は「年」を除けるためのもの。

ドアに貼られた赤い紙は「年」を除けるためのもの。

日本人がなにげなく使っている「年」という言葉、実は中国の怪獣(妖怪)の名前なんです。古代中国では、毎年特定の日(現在の大晦日)に必ず現れて家畜や人間を食い荒らしていたそう。この「年」がニガテなものが赤い色と爆竹の音だったというワケで、「年」が現れる日に扉の前に赤い紙(春聯)を貼り、爆竹を鳴らすようになったのだそう。この話、外国人向けの中国語テキストにはよく載っていますよね。紀元前のお話だそうです。

春節の伝統文化

<食べ物>
日本も地方によってさまざまな年越しの習慣があるように、中国も地方ごとに異なる文化があります。よくいわれる「餃子のなかにお金を入れる」のは北京の文化。上海では、八宝飯(甘いもち米にナッツや餡を入れて蒸したもの)、魚料理(余裕の余と魚の発音が似ているため、年々豊かになるようにという意味で)などがよく食べられているよう。
八宝飯。

八宝飯。

魚料理。

魚料理。

<風習>
先ほどご紹介した魔除けの春聯や、「福」の文字を逆さにした紙を各家庭のドアに貼ります。逆さにする意味は、発音的に「福倒了(福が来た)」になるため。また、大晦日が明ける午前0時になると各家庭で一斉に爆竹や花火を鳴らします。街中で銃撃戦が起きたかのような雰囲気に。そして上海にもお年玉(紅包、圧歳銭)の文化があります。子どもはもちろん、会社から社員に配られることもあるんですよ。※市街地での爆竹は現在禁止されています。(2019年追記)
ドアに貼る福の字。

ドアに貼る福の字。

紅包(お年玉袋)。

紅包(お年玉袋)。

春節前の文具店の店先。

春節前の文具店の店先。

<あいさつと年賀状>
上海での一般的なあいさつは「新年好!」。年賀状は日本と違ってとてもアバウトなので、春節前の1ヵ月以内に届けば大丈夫。クリスマスカードと合わせて送る人もいます。また、ハガキではなく二つ折りのグリーティングカードが主流。上海人は、和風のカードと日本の切手で日本から送られてくる年賀状をとても喜びます。知り合いがいるという方はぜひ送ってみて下さい。

春節期間中に旅行するならココに注意!

デパートのエントランスにも春節飾りが。

デパートのエントランスにも春節飾りが。

1、出発前にお店の営業日を確認しよう
春節期間、会社や学校は約1週間の連休となります。観光客向けのショップやレストランも3日から1週間のお休みを設けています(お店によっては年中無休で営業しているところもあります)。ただ、マッサージやスパは営業していても専門的な施術師が帰省していることもあるので、いつもどおりのサービスが受けられないことも。必ず営業していて安心なのはホテル内のレストランやスパです。春節期間中は、設備充実のホテルを選んでみて下さい。
切符を買うだけで大変な労力を要します。

切符を買うだけで大変な労力を要します。

2、都市間の移動は控えよう
「せっかく上海に来たんだから蘇州や杭州にも行きたい!」という方は、春節期間をはずして旅計画を立てた方がよさそうです。期間中は上海で働く多くの地方出身者が故郷に帰省します。チケットが取れないことや駅、列車内の混み合い方は社会問題になるほど。トラブルに巻き込まれないためにも上海市内で過ごすことをオススメします。また、上海から香港、タイ、シンガポールなどの第三国へ行くのも難しいかも。この時期に海外旅行をする上海人も増えています。
3、大晦日の夕食に注意
大晦日、上海では「年夜飯」を家族揃って食べるという習慣があります。最近ではレストランの円卓や個室を数ヵ月前から予約する家庭が増えてきたため、中華系のお店は数日前の予約でも席がない状態に。また、春節前の1〜2週間は会社の忘年会シーズン。どこのレストランも予約でいっぱい&大騒ぎとなります。この時期上海に行くという方は、趣向を変えてイタリアンやフレンチ、和食屋さんに行ってみては。上海にも本格的なお店がたくさんあるんですよ。
中華料理店はどこも満席!

中華料理店はどこも満席!

乾杯中の地元のおじさんたち。

乾杯中の地元のおじさんたち。

4、移動手段の計画を練ろう
春節期間は休業する運転手もいるため、タクシーは普段よりも捕まえにくくなります。解決手段としては、人民広場エリア、外灘エリアなど、主要観光地に徒歩で行けるホテルを選ぶこと。レストランやバー、スパなど、外に出ずにゆっくり過ごせる施設が揃ったホテルを選ぶのもオススメです。
↓立地、設備ともに周辺散策や館内で過ごすのにぴったりのオススメホテル。
静かな道も午前0時になると一変します。

静かな道も午前0時になると一変します。

5、爆竹に注意!
大晦日は深夜の爆竹の大騒音にびっくりするはず。でも、高層ホテルなら花火見物ができます。春節期間中は昼間も路地裏などで突然爆竹を鳴らす人がいるので、爆発音など大きな音が苦手な子ども連れの方は街歩きの際ご注意を(ナビもこの時期街を歩くのがイヤです……)。また、春節の3日目は財神(金運をもたらす神)がやってくる日。この日の夜中にも市民が一斉に爆竹を鳴らします。※2019年現在、市街地では爆竹を鳴らす様子は見られません。

いかがでしたか? 旅行者にとってはちょっぴり不便な期間かもしれませんが、春節期間は伝統行事やお祭りの少ない上海でもっとも中国らしさを感じることができる時期です。上海人の友達がいるという方は、思い切って自宅にお邪魔してみましょう。この時期なら特に、家族全員で熱烈にもてなしてくれるはずです。
以上、上海ナビがお伝えしました。 

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2011-01-20

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