本場で卓球観戦! 中国スーパーリーグ特集

メダリストたちのスーパープレーをローカル体育館で! 中国の卓球プロリーグを観戦してきました。

こんにちは、上海ナビです。
中国が世界に誇るものといえば、悠久の歴史や世界遺産群、誰もが好きな中華料理やパンダなどでしょうか。でも、もう一つ忘れてはならないのが国技とも言われる「卓球」です。レベルはご存知のとおり世界一。オリンピックのたびにその超絶の技と、どの国のエースも歯がたたない圧倒的強さが話題になります。特別卓球ファンでなくとも、あのスピード感あふれる試合は生で見てみたいのでは? ということで今回は、上海で世界最高峰の卓球リーグを観戦する方法を調べてきました!

中国スーパーリーグとは?

2000年に発足した中国国内のプロ卓球リーグです。正式名称は「中国乒乓球俱楽部超級聯賽(CTTSL/チャイナ・テーブルテニス・スーパーリーグ)」。団体のリーグ戦で優勝を決めていきます。試合は5ゲームマッチ(3ゲーム先取したほうが勝ち)。団体戦の「ABCXYZ方式」が採用されています(オリンピックの卓球団体戦とほぼ同じルールです)。
中国スーパーリーグ公式サイト http://cttsl.sports.cn/
※試合スケジュール、参加チーム、所属選手、ランキングなどがわかります。
主なチームです

主なチームです

チーム数は20。男女によって強さや順位も変わるようです。覚えておきたいチームは、2016年秋現在男子トップの「山東魏橋・向尚運動」。リオオリンピックで活躍した世界ランキング1位の馬龍選手が在籍しています。「北京首鋼」は女子のエース・丁寧選手が在籍(世界ランキング1位)。日本の平野美宇選手は「鄂尔多斯1980」に在籍。にわかファンのナビは、2016〜2017年のシーズンはこの3チームに注目しています。
上海でいちばん有名なのは許昕選手

上海でいちばん有名なのは許昕選手

でも、『上海ナビ』ですので上海のチームもご紹介しておきましょう。チーム名は「上海中星」。注目選手は、リオオリンピック男子団体戦で金メダルを獲得した許昕選手(世界ランキング3位)。ファンミーティングに数100人の女子が集まるなど、アイドル的な人気があります。ほか、韓国のチェン・ヨンソク選手(世界ランキング10位)も所属。コーチは北京オリンピックで団体金メダルを獲得した王励勤氏です。
※以上、所属チーム、選手の情報、ランキングは2016年12月現在のものです。

チケットはこんな感じ

チケットはこんな感じ

<チケットを買おう!>
日本人旅行者の皆さんにお勧めなのは、現地チケットサイトの日本語ページにある電話番号へ国際電話で予約する方法。オペレーターは日本語か英語ができるので、受け取り、支払い方法なども電話口で相談できます。値段は席によって80〜300元前後。チケットの現地での受け取り場所として必要になる場合があるため、ホテルを決めてから電話したほうが良いかもしれません。受け取り場所への送料は12元とのこと。

主なチケットサイトです。
大麦(日本語版) http://jp.damai.cn/ 
電話:+86-10-10103721(土日祝日はつながらないことがあります)
「大麦上海支店」(寧海東路200号申鑫大厦1階)。営業時間9:00〜18:00

「大麦上海支店」(寧海東路200号申鑫大厦1階)。営業時間9:00〜18:00

<現地でチケットを買う>
スーパーリーグの試合は、基本的に会場ではチケットを販売していません。必ず事前予約が必要になります。でも、旅行者の皆さんの中には「現地で現金でチケットを買いたい」「ネットでの購入は不安」という方もいるはず。そんな場合は開催日の数日前にチケット販売店「大麦」の店舗カウンターへ直接行ってみましょう。運が良ければ試合の前日でもその場で入手できるかもしれません。以下、販売所までの地図です。人民広場エリアなので旅行者でも行きやすい♪
※購入にはパスポートなどの身分証の提示を求められることがあります。
※当日の会場周辺で声をかけてくるダフ屋からは絶対に購入しないでください。
<会場を探す>
中国スーパーリーグの試合は、「え!? こんな場所で?」と思ってしまうような場所で開催されます。地域によっては大学キャンパス内の体育館なんてことも普通。2016年秋のシーズンの上海市内の会場は、「精武体育館(虹口体育館)」と「青浦区体育館」でした。普段は一般市民がバドミントンを楽しんでいるような、庶民的な体育館です。先ほど、会場ではチケットを売っていないと書きましたが、そもそもチケットブースがなく、販売スタッフもいないような体育館なのです。会場にいるのは警備員と設営スタッフのみ。チケットについて説明できる人はいない雰囲気です。
コート1面のみの小さな体育館で開催されます コート1面のみの小さな体育館で開催されます

コート1面のみの小さな体育館で開催されます

「精武体育館(虹口体育館)」に関しては下にリンクした記事をご覧下さい。「青浦区体育館」は、2016年の時点で工事中(未開通)の地下鉄17号線沿線に位置。タクシーで行くのもやや不安な場所にあります。郊外の会場が多いため、観戦をメインに旅の日程を決めるならチャーター車の予約を。
※シーズンによって会場が変わることがあります。

本場で卓球観戦♪

それでは会場に出かけてみましょう。今回ナビが観戦したのは、2016年のシーズンの男子団体第1階段第9輪。「上海中星」vs「天津豪安」の試合でした。開場は14:30、試合開始は15:30。入場時にペットボトルの飲み物、ライター、危険物などは没収されます。
スタジアム敷地の入り口

スタジアム敷地の入り口

スタンドへの入り口。公民館みたい……

スタンドへの入り口。公民館みたい……

会場の「精武体育館」は、公立中学校の体育館といった雰囲気と規模。プロの卓球観戦は初めてだったナビですが、こんな間近に金メダリストのプレーが見られるということに驚きました。試合はCCTVで生中継されます。
会場内の様子です 会場内の様子です

会場内の様子です

客層はなんと8割が若い地元女子(男子の試合だったからかもですが)。アイドルのライブみたいな、選手名を書いたうちわを持っている子もいました。
卓球、こんなに地元女子に人気があるとは! 卓球、こんなに地元女子に人気があるとは!

卓球、こんなに地元女子に人気があるとは!

館内には売店、自動販売機などはありません。入り口に卓球グッズを売っているおじさんがいるのみ。飲み物は持ち込めないので、飲食は「とにかく我慢」です。でも、どうしても気分が悪くなったり、薬を飲む必要がある場合は、入り口の水配りスタッフのところへ。こんな方法の給水所、初めて見ました……。
売店。オリジナルグッズなどはありません

売店。オリジナルグッズなどはありません

飲料水提供コーナー

飲料水提供コーナー


<試合の流れ>
まずは選手の入場。その後国歌の演奏があります(要起立。観客、選手とも歌はうたいません)。試合に出るのは1チーム3選手。ほかに控え選手2名とコーチがいます。野球やサッカーに慣れているせいか、当たり前なのですが「1チーム3人って……」と思ってしまいました。中国の人口を考えると、卓球の選手になることってとんでもなく狭き門なのではないでしょうか。
選手入場の後、

選手入場の後、

国歌の演奏

国歌の演奏

今日の組み合わせはこんな感じ

今日の組み合わせはこんな感じ

先ほどご紹介したように、試合は「ABCXYZ方式」で進みます。各チームの3選手がローテーションでシングルの試合を2回、ダブルス1回、シングル2回の計5試合を行い、先に3試合を取ったチームが勝ち。1試合は5ゲームマッチ(3ゲーム先取で勝ち)で、1ゲームは11点先取で勝ちとなります。
このシステムと、出場する選手についてちょこっと予習してくればにわかファンでも楽しめることうけあい。知らない選手ばかりでも、スーパープレーの数々に釘付けになってしまいます。
ものすごく遠い位置でのラリーや、落ちそうな球を返して点が入ったときはなど、会場が一体に

ものすごく遠い位置でのラリーや、落ちそうな球を返して点が入ったときはなど、会場が一体に

勝敗も気になるけど、超絶プレーにただただ見とれてしまいます

勝敗も気になるけど、超絶プレーにただただ見とれてしまいます

他国の代表同士のペアが見られるのはプロリーグならでは

他国の代表同士のペアが見られるのはプロリーグならでは

ダブルスでは許昕選手とチェン・ヨンソク選手がペアに。こんなの、オリンピックや国別の選手権では見られません。
マイクで盛り上げてくれるMCがいます

マイクで盛り上げてくれるMCがいます

会場内は、照明が変わったりヒップホップやロックが流されたりと、プロリーグっぽい演出があります。MCは試合進行、盛り上げ、客席への注意(フラッシュ禁止など)を担当。客いじりなどもあり、試合中も盛り上げてくれます。
試合終了。選手たちはその場でさっさと荷物をまとめたり着替えたり

試合終了。選手たちはその場でさっさと荷物をまとめたり着替えたり

この日は「上海中星」がストレート勝ちの圧勝(3-0)。3試合だけで終わってしまったので物足りないほどでした。試合終了後は特にセレモニーやインタビューなどもなく、さっと撤収します。運が良ければ選手のサインをもらえるかも。
出口にサインを求めるファンが集結

出口にサインを求めるファンが集結

速やかに撤収作業が始まります

速やかに撤収作業が始まります

試合終了後約10分で撤収完了。早い!

試合終了後約10分で撤収完了。早い!


思わず拍手してしまうプレーが続出

思わず拍手してしまうプレーが続出

<楽しむコツ>
せっかく生で観戦するのですから、現地の応援に混じってみましょう。MCが「まだ声が小さいぞ!」などとマイクで煽ってくれるので、自然に輪に入ることができます。基本は「◯◯(選手名)加油(ジアヨウ/頑張れ)!」。でも、本当にスゴいプレーが炸裂するので、「応援するほどでもない」という方も絶対一度は思わず声を出してしまうハズ。
女子が多いので歓声は全体的に黄色

女子が多いので歓声は全体的に黄色

相手チームにポイントが入ったときは拍手で讃えます。この辺のマナーが意外にちゃんとしていました。応援がユニークなお客さんにも注目が集まります。アウェイなのに「天津豪安」の馬特選手を一人大声で全力応援していたおじさんは大注目されていました。狭い体育館なので声援が選手にちゃんと届くのがポイント。会場が一体になる独特の雰囲気もぜひ味わって下さい。

こんなスポーツも上海で
海外でスポーツ観戦というとハードルの高さを感じる方も多いと思います。でも、上海なら意外に自由旅行でふらっと来られるんですよ。以下の記事を読めば、ほかのスポーツも観戦したくなるかも。

サッカーはこの記事を。
この記事内ではフィギュアスケートの中国杯をリポートしてます。
錦織圭選手の試合を上海で。

いかがでしたか? 今回の試合は「上海中星」のストレート勝ちで3試合のみ(約1時間半)でした。展開が早すぎで物足りなかったけど、所要時間もチケット代(80元)も、よく考えたら日本で映画を一本観るより早くて安い!? こんなに気軽に世界最高峰の試合を観戦できるとは思いませんでした。これなら充分旅のスケジュールに組み込めてしまいますよね。ぜひ皆さんも、気軽にふらっと金メダリストたちのスーパープレーを観に来てください。
以上、上海ナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2016-12-15

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