あの選手の活躍を上海で! 世界のサッカーファンが注目中の中国サッカーを観戦しよう。
こんにちは、上海ナビです。
2012年より、有名選手の中国移籍が日本のニュースにも取り上げられるようになりました。地元選手の年俸の数10倍という待遇や、本当に中国サッカーのレベルアップにつながるのかなど、一部批判的な見方もあるようですが、ナビ的には上海で有名選手のプレーが見られるんですから大歓迎です。純粋なサッカーファンの方はもちろん、「その選手の名前、聞いたことがある」というだけのにわかファンの皆さんも、今夜はサッカー観戦に繰り出してみませんか?
上海のサッカー事情
試合があるのは土曜日の夜
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中国のサッカーリーグって?日本のJリーグに相当する「中国サッカー・スーパーリーグ(CSL)」は1994年に設立。上海、北京、広州、杭州、大連など、主要都市のチームが16あります(2012年8月現在)。ここ数年の優勝チームを見ると、山東、長春、大連など、北方のチームが強いよう。南で注目されているのは2011年優勝の広州です。試合があるのは3月から11月で、主に土曜日の夜に試合が組まれています。
ホームスタジアムは「虹口サッカー場(虹口足球場)」
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上海のチームって?上海の地元チームは「上海申花」。1994年よりCSLに参加している甲A級(日本のJ1に相当)チームです。チームカラーは青、ホームスタジアムは「虹口サッカー場」で、監督は元アルゼンチン代表のセルヒオ・バティスタ(2012年8月現在)。それほど強いチームではなく、特に上海人に愛されているチームというわけではないようですが(笑)、世界的に有名な選手を補強したことで、今もっとも注目されている中国のチームであることは間違いありません。
地元選手のユニフォームを着たファンが見つからない! 「39」はアネルカ、「11」はドログバです。
現在在籍している有名選手には、コートジボワール代表のディディエ・ドログバ、元フランス代表のニコラ・アネルカ、元コロンビア代表のジョバンニ・モレノなどがいます(2012年8月現在)。にわかファンに心強い情報といえば、地元上海人にも「有名選手が入ったのなら上海申花を応援しようかしら」「上海人の選手は知らないし、そんなに強くないらしいけどドログバなら応援したい」というような人が多いことです。にわかでも堂々とスタジアムへ行ってみましょう。
カップルでドログバファン
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もしかしてコートジボワールから応援に来た?
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欧州のサッカーチームを応援する人もいっぱい
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上海人は海外選手にかなり詳しい!日本人なら地元Jリーグチームや日本代表を応援するのは当たり前ですが、上海人たちはどうも違うようです。中国代表は、2002年の日韓W杯以外すべて予選で敗退しているため、もうサッカー自体が中国のコンプレックスのよう。自国のサッカー選手に対する悪口しかナビも聞いたことがなくて、選手がちょっとかわいそうなくらいです。その分、欧州サッカーの情報や海外で活躍する日本人選手の活躍を恐ろしいほど熟知。このへんは日本のサッカーファンには理解できない点かもしれませんね。
2012年7月にマンチェスター・ユナイテッドと上海申花の親善試合が上海でありました。が、上海での開催なのに上海申花のファンがほとんどいない! これにはナビもびっくりしてしまいました。グッズの売店もマンUのものばっかり。そして、移籍したばかりの香川真司選手は既に上海では大スター。「スター選手に国籍は関係なし!」「好きな選手を応援するのみ!」というのが上海人のサッカー観戦の基本スタイルのようです。
試合を見に行こう!
チケットはこんな感じ
まずは日程のチェックを。地元のチケット予約サイト「票務在線(http://sh.piao.com.cn/)」などの「体育比賽(スポーツ)」をクリックすると、日程と予約情況が出てきます。料金は約80〜800元。80元の席でも充分よく見えますよ。注目されている試合はすぐ売り切れてしまうので事前予約が確実。また、絶対ダフ屋から購入しないこと。偽チケット売りも多く(ナビも経験あり! 見分けがつかないくらいよくできています!)、入り口で係員にはじかれてしまいます。
<主な現地予約サイト>
上海申花のホームスタジアムは「虹口サッカー場(虹口足球場)」。最寄り駅は地下鉄3号線「虹口足球場」で、駅を出るとすぐスタジアムが見えます。チケットブースは駅を出て右手に見えるケンタッキーの右手に位置。すぐ分かる場所にあります。チケットを予約していないという方は、当日券があるかどうか見にいってみて。
左が駅、右がスタジアム。迷う心配なしの近さです
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向かって右手1階のチケットブース。この日は当日券完売でした
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市街地にはないローカル感が魅力
試合は土曜日に開催されます。キックオフは大抵19:45か20:00(年に1〜2回、昼間の試合もあり)。夕食を食べてから行くのにぴったりの時間です。景気づけにビールを飲むなら、スタジアムからすぐのローカル感満点のバー「青島啤酒吧」がオススメ。
レストラン街が充実の「凱徳龍之夢」
スタジアム周辺と、「虹口足球場」駅のビル内にはバーガーキング、吉野家、ケンタッキー、ピザハットなどのファストフード店があります。また駅の西側には大型ショッピングモール「凱徳龍之夢」が。この中にも、中華、点心、ファストフードはもちろん、タイ料理、韓国料理、カフェなどあらゆる飲食店がそろっています。
スタジアムに入ろう!
キックオフの1時間ほど前からスタジアム周辺をうろうろしてみたナビ。選手が通る通路はびっくりするほど警備が厳重でした。スタジアム入りする選手を見るなら、「駅とスタジアムを結ぶ歩道橋からだよ」と地元ファン。でも、既に見たい人でいっぱい……。ここはあきらめて、スタジアムに早めに入ることにしました。
選手通路前の警備はものすごい厳重でした……
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上から選手を見ようとファンが歩道橋に殺到
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チケットは赤外線でチェックされます。入場時には、液体の入ったペットボトルが没収されるので注意を。入ったら、チケットに書かれている台(スタンド)番号を探し、その周辺の列番号、座席番号を見て自分の席を見つければOK。椅子がちょっと汚いのが難です。地元女子は新聞紙を持ってきて敷いて座っていました。
スタジアム内はこんな感じ。ゴール裏の席は両方とも上海申花のサポーターで埋まっています。相手チームのサポーターは、スタンド3階の片隅で警備員に守られながら応援。彼らの入場とともにスタジアム全体から大ブーイングが起こり、それに負けじと相手チームのサポーターもガンガン声を出していきます。このあたり、見ているだけで楽しめますよ〜。
スター選手たちのプレーを満喫!
選手入場、国歌の演奏が終わり、いよいよキックオフ。
ナビが訪れた今日は、チェルシーから上海申花に移籍したディディエ・ドログバの初上海試合。偶然2列目という席がとれてしまったナビは、大スターが間近でプレーする様子に釘付けでした。
そして、ドログバがチェルシー時代からツートップを組むニコラ・アネルカもフル出場。ここ、上海ですよ? スタジアムの隣はのどかな魯迅公園ですよ? ちょっと豪華過ぎではないでしょうか……。
有名選手に見とれてしまっていたナビですが、忘れちゃいけません。今日の相手チーム•杭州緑城のベンチには岡田武史監督が座っています! ナビの席からは顔がはっきり見えませんでしたが、白いシャツ、指示を出すときの独特な動きで「岡田監督だ!」と確認。次回は杭州にもサッカーを観に行ってみようかな〜。
あっという間に試合終了
が、今日はドログバが絶好調。上海移籍後初ゴールを含む2得点をあげ、5—1で上海申花が快勝しました。岡田監督ももちろん応援したいけど、身近な上海で活躍するドログバ選手に魅了されてしまったナビ。チームメイトがゴールすると抱き合って喜んだり頭をなでたり、声援に応えてスタンドに手を振ったり、サービスで客席ギリギリまで走っていったりする様子を見て、人柄的にもスターなのだと確信。すっかりファンになってしまいました♪
ファンの声援に応える選手たち
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出口で記者に囲まれるドログバ
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帰りの足は?
気になるのは試合終了後の足。数万人が一斉に帰るため、出口周辺は大混雑します。ナビはほかのお客さんが出口に殺到する時間を避けて最後に席を立ち、そのまま魯迅公園正門付近、多倫路方面に人ごみが途切れるまで歩いてタクシーを拾いました。地下鉄は大混雑しますし、スタジアム前はタクシーがほぼ捕まりません。昼間のうちに周辺を歩いておいて、混雑脱出の手段を考えておくのも手です。
いかがでしたか? つい昨年(2011年)までは、外国人が中国サッカーを観戦するなんてよほどのサッカー好きでなければ考えられないことでした。でも、今は国籍を超えて愛されるスター選手たちが在籍しています。国際的な雰囲気も魅力だと思った上海申花の試合。皆さんも上海で、中国サッカーデビューをしてみませんか?
以上、上海ナビがお伝えしました。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2012-09-04