切符の買い方、交通カードの使い方、乗り方から裏ワザまで! 上海の地下鉄を大解剖!
こんにちは、上海ナビです。
どんどん新しい路線が開通している上海の地下鉄。運賃の安さはもちろん、タクシーのように言葉や渋滞の心配もいらない地下鉄は、旅行者にとっていちばん便利な移動ツールなのではないでしょうか。基本、切符の買い方を覚えれば乗り方も簡単。旅の範囲も広がります。ということで、今回ナビは上海の地下鉄の利用法を徹底調査。「ラッシュってどのくらい混むの?」「春節や大晦日はダイヤが変わるの?」「大きい荷物を持って乗って大丈夫?」 など、よくある質問にもお答えします!
上海の地下鉄基礎知識
まずは路線図を確認してみましょう。2015年4月現在の最新路線図がこちらです!
※2015年下半期以降も新しい路線の開通が予定されていますのでご注意ください。
各路線の特徴や沿線の主要スポットはこちらの記事で確認を。
問い合わせに多い終電と始発。各駅に貼ってある大体の時間帯はこんな感じ
<その他の基本情報> ※2015年4月現在
運賃:距離によって3〜15元
運行頻度:市中心部は約5分に1本
始発と終電:各駅によって始発5時半〜6時、終電22〜23時
問い合わせ電話:021-6437-0000(忘れ物、運行状況や最新情報の確認等。中国語のみ)
2015年下半期以降も主要路線の開通が予定されています。最新の路線図や運行時間、駅周辺地図、出口番号、運賃、各路線の始発と終電時間など、すべての最新情報を網羅しているのがこちらのサイト。中国語以外は英語版しかありませんが、運行状況などもリアルタイムで更新されているのでナビも日常でよく利用しています。
地下鉄に乗ってみよう
それでは実際に地下鉄に乗ってみましょう。ナビもシンガポールやバンコクで地下鉄を利用したことがありますが、慣れない国の地下鉄って、「ほんとにゼロから乗り方教えて!!」という気分になります。そのときの気持ちを元に、上海の地下鉄の乗り方を徹底解説いたします!
①駅を探す
上海の市中心地は、徒歩15分圏内に一駅が見つかる間隔で駅が設置されています。駅から数100m地点には矢印型の看板が、駅に近づくと「M」の赤いマークが見えてきます。中心地の繁華街や主要ストリートを15分も歩けば必ず見つかるはず(郊外は駅の間隔が広くなります)。
駅から100〜200mの地点にこんな矢印看板があります
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駅の目印はこのマーク
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動画で見てみましょう。探したのは地下鉄10、11号線「交通大学」駅。矢印型の看板は交差点に多いようです。現在地から駅までの方向と距離が書かれているので、その方角へ向かって歩けばOK。
②駅の構造を把握する
乗り換えができる大型の駅はどこも広大。たとえば1、2、8号線が乗り入れる「人民広場」駅、地上駅と地下駅を擁する2、3、4号線「中山公園」駅などは、各路線の乗り場が非常に離れています。そんなときは、構内に貼られた矢印や表示を見て地下コンコースをその方向にひたすら進めばOK。また、1、10号線「陝西南路」駅のように、乗り換え時に一度改札を出て地上に出て、また地下へ下りる構造の駅も。その場合も、とにかく表示の方向へ進めば迷うことはありません。
※「陝西南路」駅で交通カードを使って乗り換える場合、改札を出て30分以内に乗り換え路線の改札を入ると運賃が加算されません。
各駅に見取り図が貼ってあります
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こんな表示を頼りに進めばOK
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カラーを覚えれば迷いません
③
路線のカラーを覚える2、4、6、9号線が交わる「世紀大道」駅は、「人民広場」駅と違って各路線の乗り場が地下空間に密集しています(いろいろな構造の駅があるんです……)。その場合、2号線に乗るなら黄緑、9号線に乗るなら青など、路線の色を覚えておけば間違ったホームに下りてしまう失敗が防げます。各路線の色付き矢印で乗り場を表示していることも。
切符はプラスチックのカード。絵柄はいろいろあります
④
切符を買う地下鉄の切符はプラスチックのカード型。窓口と自販機で購入できます。
<窓口編>
まず、目的地までの運賃を掲示の運賃表で調べます。その運賃を係員に伝えればOK。たとえば、「人民広場」駅から「静安寺」駅に行くなら運賃は3元なので、「静安寺駅まで」ではなく「3元」と伝えます。言葉に自信がない方は、以下のようなメモを用意すれば簡単♪
※窓口では切符を販売しない駅が増えています(交通カードのチャージのみ受付)。なるべく小銭を用意し、自動券売機をご利用下さい。
券売機です
<自販機編>自販機はタッチパネル式。買い方は以下のような感じです。
動画で見てみましょう。地下鉄10号線「交通大学」駅から12号線「提籃橋」駅まで買ってみました。購入の流れは、降りる駅の路線番号をタッチ→降りる駅名をタッチ→値段と枚数を確認→お金を入れる→下から切符とお釣りを受け取る、です。簡単ですね。
※釣り銭が切れた状態の券売機が多いため、なるべく1元硬貨を用意してください。50元札、100元札は使えません。
日本では子ども料金でも、背が高いと大人扱いになるので注意
※子ども料金は、身長130cm以下が無料、それ以上は大人料金とされています(駅構内に右のような身長測定ポスターがあります)。大人一人につき子ども2名まで同乗可能。130cm以下の子どもの単独乗車は禁止されています。
改札前に荷物検査コーナーが
⑤
改札を入ってホームへ改札の前に荷物検査がありますが、お買い物袋や通勤バッグ程度の大きさの荷物ならスルーしてOK。スーツケースやバックパックなどは検査機に通すよう係員に言われます。通ったら、自動改札の右手にある検査機に切符をタッチし、バーをまわして改札を入ります。ホームに下りたら行き先を確認し、目的地へ行く側の列車に乗ります。ホームの電光掲示板やモニターには、次の列車の到着時間などが表示されています。
ここに切符をタッチ
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バーを押して入ります。スーツケースを持っている場合は、先にスーツケースをバーの向こうに押し出してから通るのがコツ
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動画で見てみましょう。改札を入り、ホームに下り、目的地への方向を確認して乗ります。
終点が枝分かれする路線に注意!
<ここに注意!>○10号線、11号線は、終点が二本に分かれる路線です。列車ごとに行き先が変わるので、ホームの電光掲示板の行き先を確認して乗車しましょう。
○「陝西南路」駅、「虹口足球場」駅など、別の路線に乗り換える場合一度改札を出る必要がある駅があります。交通カードを持っている場合は30分以内に改札に入れば切符を買い直す必要がないシステムになっています(2015年1月現在)。
○3、4号線は、一部の区間で並走しています。同じホームに違う行き先の列車が到着するので、車体のカラーで3号線か4号線か見極める必要があります。
○3、4号線は「地下鉄」でありながら地上の高架を走る電車です(駅も地上にあります。4号線は一部地下の駅もあります)。1号線、9号線、11号線など、郊外に近づくと線路が地上に出る路線もあります。
3、4号線の一部の駅は、異なる路線が同じホームに入ってきます
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地上を走る路線も上海では「地下鉄」なんです
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次の駅がランプで表示される車種も
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下りる車内アナウンスは中国語と英語です。目的地に着いたら改札へ上がり、切符を改札の差し込み口に入れ、バーを押して改札を出ます(交通カードを使う場合は、改札にタッチして出ます)。乗り越し清算は改札脇の窓口で。駅によっては、出口を間違えるとかなり遠いところに出てしまうので、目的地の最寄り出口を確認しておきましょう。駅構内にも案内が掲示されています。
切符の場合は改札下の差し込み口へ
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交通カードの場合はタッチして出ます
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動画で、地下鉄を降りて地上へ出るまでを撮影してみました。
交通カードとは?
地下鉄だけでなく、バス、タクシー、リニアモーターカー、渡し船、駐車場、高速道路などで使える交通カード(上海公共交通卡)は上海旅行の必需品。東京でいえば、SuicaやPASMOのようなカードです。初心者でも簡単に使いこなせますよ!
①交通カードを買う
各地下鉄の駅の窓口と、一部の銀行など市内2000ヵ所で販売されています。普通のカード、干支などが印刷された記念カード、キーホルダー型などの異形カードがありますが、旅行者向けなのは返却できる普通のカード。購入時のデポジットは20元。とりあえず、買った時点で100元をチャージしてみましょう。購入時、駅構内の窓口に以下のようなメモを渡せばスムーズに買えます。返却時にトラブルがないよう、領収書は必ずもらって保管して下さい。
ほかに青、紫、黄色などの色違いがあります
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「交通カードを一枚。100元をチャージしてください」。デポジット込みで120元を窓口に渡します
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②交通カードで地下鉄に乗る
先ほどご紹介した切符での乗り方と同じように、改札にタッチして入ります。出るときもタッチして改札を出ます。
コンビニでもチャージ可能。左の白い読み取り機がレジにあるコンビニを探して
③
交通カードにお金をチャージする地下鉄の各駅の窓口(一部、自動チャージ機もあり)でチャージするのが一般的。チャージする金額とカードを渡せばチャージできます。コンビニでも可能(一部店舗を除く)。レジで店員さんにカードとチャージ金額を渡せばOK。
④交通カードを返却する
交通カードは最後にチャージした日から5年間有効です。5年以内に上海に来ることはないという方は、市内171ヵ所に設置されている返却カウンターへ。デポジット20元と、カードの残額(10元以内は全額、10元以上は5%の手数料を引いた金額)を返してもらえます。
浦東空港の「浦東発展銀行」
旅行者の皆さんに便利な返却カウンターは、地下鉄2、7号線「静安寺」駅指定窓口、2、3、4号線「中山公園」駅指定窓口、浦東国際空港内の浦東発展銀行とリニアモーターカーの切符売場4号窓口(9:00〜19:00)、虹橋空港第一ターミナル前の浦東発展銀行(9:00〜16:00)です。
※カードを購入した駅窓口では返却できないのでご注意下さい。
リニアモーターカーに安く乗れる!
<交通カードのおトクな裏ワザ> (2015年1月現在)
○地下鉄を下りて120分以内にまた改札を入ると、運賃が1元OFFに!
○リニアモーターカーの片道運賃50元が、交通カードを使うと片道40元に!
○一ヶ月に交通カード70元分地下鉄に乗ると、その月の地下鉄運賃が10%OFFに!
○緑、黄、赤の交通カードは、蘇州、無錫、杭州など(タクシーは一部のみ)で利用可能!
○紫の交通カードは上記の都市のほか紹興、寧波などで利用可能!
※チャージができるのは上海市内のみとなります。
<こんな切符もあります!>
便利な交通カードではありますが、「朝早い出発なので返却に行く時間がないし、返却自体めんどう。デポジットなんて支払いたくない」という方もいるかもしれません。そんな方にお勧めなのが1日乗り放題/3日乗り放題カード。どの地下鉄の駅でも販売されています。
各地下鉄駅の窓口で販売中
値段は1日カードが18元、3日カードが45元で乗り放題。フル活用すれば充分元が取れる値段です。最初に改札に入った時間から24時間(3日カードは72時間)有効。使い終わったら記念に持って帰れるかわいいデザインもポイントです。
※このカードではバス、タクシーには乗車できません。
リニアに乗るならこのカード!
「浦東空港からリニアモーターカーを使って市内に行き、その後は地下鉄で移動したいけど交通カードは買うつもりがない」という人向けのカードも登場。2013年発売の「リニア+地下鉄1日カード(磁浮地鉄一票通)」です。種類は、リニア片道+地下鉄24時間カードが55元、リニア往復+地下鉄24時間カードが85元。浦東国際空港と「龍陽路」駅のリニアモーターカー乗り場で販売しています。
よくある質問
旅行者の方から聞いた疑問、『上海ナビ』の掲示板でよく見かける疑問について調べてみました。
Q1:空港で交通カードは買えますか?
浦東、虹橋のどちらの空港にも直結の地下鉄駅があるので、その窓口で買うことができます(ともに朝6時〜夜22時ごろまで営業)。そのほか、「返却地点の住所を知りたい」「カード残額を知りたい」「自分の会社のオリジナル交通カードを作ってノベルティにしたいが、どうすればいいか」など、交通カードに関するあらゆる疑問に答えてくれるのが以下のサイトです(中国語版しかないのが不便ではありますが……)。
浦東国際空港のリニアモーターカー、地下鉄2号線乗り場で交通カード購入可能
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虹橋空港第一ターミナルに直結する10号線「虹橋1号航站楼」駅でも買えます
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平常時の市内の地下鉄の混み具合はこんな感じ
Q2:ラッシュの時間帯と混み具合を教えて下さい。時間帯は朝7時半〜9時、夕方は17時半〜19時が目安。日本の都心のようにドア付近に押す係がいるほどではありませんが、かなり混み合うのでこの時間帯は避けたほうがいいかも。ただし、混み合うのはオフィスと住宅があるエリア。同じ時間帯でも空港から乗る場合や、南翔、七宝など郊外観光地へ向かう下り路線は空いています。
通年駅に貼られている終電と始発の掲示。変更になることはありません
Q3:年末年始や春節はダイヤの変更はありますか? 混みますか?昨年のニュースを見ると、市中心部の利用客は祝日に増加との情報が。多少混み合いますが、空港から乗る分には確実に座れますし、旅行者の移動に支障が出るほどではありません。また、国慶節前日の夜などは、特に混み合う「南京東路」駅などが封鎖されます(ダイヤ変更は365日ありません)。また、台風や大雨で年に1〜2回ほどストップする路線があります。特別な運休や変更がある場合は、『上海ナビ』で随時お知らせします。
こんな大荷物の人もたくさん乗っています
Q4:大きい荷物を持って地下鉄に乗るのは大変ですか?空港から大荷物を持って地下鉄に乗る上海人もいるので、基本的には大丈夫です。ただ、乗り換え時にエスカレーターやエレベーターのない駅を移動するのは体力が必要です。
駅や車内は想像よりもきれいで明るいと思うはず
Q5:地下鉄は治安が悪いイメージがあります。地下鉄車内や駅構内で注意したいのはスリ。コートやズボンのポケットに財布やスマホを入れない、トートバッグのような後ろから手が入るバッグを持たない、バックパックは下ろして足元に置くか前に抱えるなどの対策を。車内ではなく、ホームや切符売場で路線図や値段表に見入っているときに狙われるケースもあります。一方、お年寄りや妊婦さんに席を譲るなどのマナーは日本よりも徹底されている気が。また、駅構内は禁煙で喫煙所も設けられていません。
Q6:駅のトイレはきれいですか?
急にトイレに行きたくなったら日本では駅に行けばなんとかなりますが、上海の地下鉄の駅は半分くらいトイレが設置されていません。が、2010年以降に開通した路線(9、10、11号線など)には設置されている駅も。きれいさはまずまず。ティッシュは持参したほうが良さそうです。ただ、駅よりも直結のデパートに行ったほうがいい場合も多いので、よく使う駅なら「あの駅にはこのデパートが直結している!」ということを覚えておいたほうがいいかも。
↓地下鉄駅直結のデパート&ショッピングモールで、使いやすくきれいなトイレがあるのはここ!
また、主要駅の構内にはボックス型の証明写真機があります。パスポートをなくしたときの再発行など、証明写真が急に必要になったときは、写真館を探すよりも地下鉄の駅へ行ってみて。
いかがでしたか? 交通カードのシステムについては、在住者のナビも調べてみて初めて知ったことばかりでした。今後もどんどん路線が増え、進化していきそうな上海の地下鉄。「この駅にはこんな設備があった」「乗り方について、イマイチここがわからない!」など、皆さんの情報や質問もぜひお寄せ下さい。
以上、上海ナビがお伝えしました。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2015-01-23