進化中の古都・蘇州はどう変わった!? 開通した地下鉄1号線と蘇州園区の見どころ最新版をナビがお届け!
こんにちは、上海ナビです。
蘇州といえば、上海近郊ではもっとも有名な古都。世界文化遺産に指定されている古い庭園や呉の国に関する史跡、運河の広がる古い街並など、たおやかで伝統的なものや風景を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。でも、そんな蘇州にも外資系企業で働くビジネスマンやオシャレな地元女子が集まるエリアがあるんです。中心となっているのは、2012年に開通した地下鉄1号線沿線の東側。それでは早速、新しい蘇州へご案内しましょう!
蘇州の主なエリアと地下鉄豆知識
◯蘇州のエリアをつかもう
蘇州の市街地は、大きくわけて3つのエリアから成っています。旅行者の皆さんが訪れる庭園やお寺、運河のある古い街並など、代表的な観光地があるのは市の真ん中に位置する古城区。その西側には、日系企業の工場やオフィス、日本人学校、「シャングリ・ラ ホテル蘇州」など、90年〜2000年初頭に開発が進められた新区があります。東側の園区が今回ご紹介する新しいエリア。2012年以降にオープンしたビルやモール、文化施設がたくさんあるんですよ。
◯地下鉄が開通!
2012年4月28日、満を持して開通した地下鉄1号線は蘇州の東西に延びる路線。新区、古城区、園区を結ぶ区間は全長約25km(25.739km)、24の駅からなります。終着点の「木涜」駅から「鐘南街」駅までは停車時間を含め約43分。渋滞を避け大幅に通勤時間を短縮できると、開通以来市民から熱い支持を得ています。
◯今後はどう変わる?
気になる今後の地下鉄計画ですが、現在8号線まで計画されています。2013年には全長約6.1kmの市域S1線(昆山花橋段)が開通(「花橋」駅~「安亭」駅間)。2014年には、いよいよ列車発着の「蘇州火車站」駅、「高鉄蘇州北站」駅を通る地下鉄2号線が通ります! 続く2015年にはその沿線として、全長13kmの2号線(東延線)が繋がる見通しです(「迎春南路」駅~「星華街」駅間)。その後も2016年に4、8号線、2019年に3、5号線の開通が予定されています(2012年7月現在)。
今後完成予定のものも含む路線図も完成しています。
1号線のカラーは緑。
地下鉄1号線の“緑”をはじめとし、地下鉄各線はテーマカラーが決められ、とてもわかりやすいものになるようですよ。ちょっとご紹介すると、2号線は“赤”、3号線は“紫”、4号線は“紺”、5号線は“橙”、8号線は“水色”といったカラーになるそう。市民のカラフルな“足”になってくれそうですね! 益々便利になる蘇州の街は市民のみならず、蘇州を観光する人達にとっても更に魅力的なものになることは間違いないでしょう!
蘇州地下鉄に乗ってみよう!
自動券売機
1、切符を買うまずは地下鉄駅の自販機で切符を購入します。モニターで表示される駅名を選ぶと料金が表示されます。値段は距離に応じて2~6元まで。紙幣と硬貨が使えますが、紙幣は5元と10元札のみしか使用できないので、予め細かいお金を準備しておきましょう。下の取り出し口から切符とおつりが出てきますよ。また、上海の“交通カード“のような“蘇州通カード”も使用できますが、このカードの購入やお金の補充は市内の決まった場所でしかできないので注意が必要です。
サービスカウンター
2、改札を通る通常改札近くにはカスタマーサービスがあり、常に係りの人が待機しています。ナビはわからなかったらすぐに質問しますが、親切・丁寧に答えてくれますよ! 自動改札は入口と出口が分かれています。赤の×マークは出口専用なので注意しましょう。緑の矢印マークが表示されている自動改札から入ります。切符・蘇州通カードは自動改札機右側上の丸い図の上にタッチします。オレンジの遮断扉が開いてから中に入りましょう。
ホームとエスカレーター
3、ホームへホームへは階段やエスカレーター(上りのみ)を利用して下ります。大きな荷物の方、障害者・老人用にエレベーターも設置。ホームに下りると全停車駅が書かれた縦型と横型のパネルがあり、乗り間違えることもなさそうです。また、上部に設置されたTV型のモニターに、次の電車までの待ち時間が表示されます。そしてとても便利なのが、ホーム上にトイレが設置されていること。中国は公共トイレが全体的に少ないので、ナビもよく利用しています。
地下鉄が到着!
4、乗車するホームと線路の間はガラスで遮断され、電車が到着してからガラスの扉が開閉する仕組みです。電車はB型列車を用いた4輌編成から成ります。車内は明るいグリーンの椅子で統一されていて、とっても清潔感がありますよ。網棚などは設置されていないので、ナビは大きな荷物を持っているときはいつも膝の上に乗せています。車内にはシルバーシートもありますが、老人や子供に席を譲る光景が車内のあちこちで見られます。
面白いのは様々な注意書きのマーク達。椅子の上で横たわるな、バーや吊革にぶら下がるな、車内の壁に上るな・・・等々、蘇州初の地下鉄とだけあって、日本では見られない丁寧な注意書きは要注目です! また、次の到着駅でどちらの扉が開くかが扉上のパネルにも点灯で表示されます。便利ですね!
多分、初めて地下鉄に乗るという人もいるのです。
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開くドアをランプで表示。
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駅周辺の地図パネル
5、下車するさて、目的の駅に到着! 入った時のように自動改札口を通りますが“蘇州通カード”は同じように自動改札機上の丸い図の上にタッチします。切符は回収されるので、丸い図の下にある挿入口に通して外に出ます。広い駅構内には、地下鉄の出口番号とその付近の地図が掲示されていますよ。出口が未だ全て完成していない駅が多いのですが、現在使用できる出口番号は“赤”、使用出来ない出口は“紺”と色分けされているので、よく確認して下さいね! 出口番号は壁に大きく書かれているので、とってもわかりやすいですよ。
交通カードはパネルにタッチ。切符は下の回収口へ。
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駅出口の様子。
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地下鉄は全体的にとってもきれいな印象です。エアコンもきいていて快適そのもの。ナビも東西の移動には、最近必ず地下鉄を使っています! 次は1号線各駅の見どころをご紹介したいと思います。
沿線の新スポット
蘇州の中心地、庭園などの観光スポットが点在している区域は、これまでもみなさんによく知られていますよね。地下鉄1号線の開通によって脚光を浴びるのはその中心地から東や西へ離れた地域です。特に東の工業園区はシンガポール政府と中国政府により共同で開発された区域。ビジネス街と湖を中心とした商業区域がきれいに区画整理され、リゾート地のような開放感があります。湖畔のお洒落な雰囲気は蘇州っ子のデートスポットにもなっています。今回は園区を代表する金鶏湖周囲の地下鉄駅をご紹介していきますね!
「星海広場」駅周辺金鶏湖の西側に位置するビジネス街の中心地です。外資系ホテルや大手銀行ビルに混じり、ショッピングセンターが点在するお洒落な場所。駅付近は商業・ビジネスビルの建設ラッシュで、急成長する蘇州園区の街を目の当たりにすることができますよ。主な見どころは、駅に直結する蘇州初の地下鉄商業施設の「星海生活広場」や目抜き通りの蘇恵路に面する「環球188」です。ショッピング、美食、生活、娯楽が楽しめる場所として、特に若い世代に人気♪
周辺のマンション群。
またこの地域は付近に世界各国からの企業の工場などもあり、外国人が多いのが特徴。付近には大型マンションが多く、特に金鶏湖路付近では各国の輸入食品スーパーやレストランなどが並んでいます。ナビもよくここへ各国食材の調達に来るんですよ。平日の夜や休日にはテラス席で食事を楽しむ人達でいっぱいです。国際色豊かなところもまた蘇州の新しい顔かもしれませんね。
「蘇州文化芸術中心」
「文化博覧中心」駅周辺金鶏湖の北側にある文化・商業の中心地です。ここの見どころはなんといっても“カイコ”型の外観が目を引く「蘇州文化芸術中心」。館内には大劇場や3DのIMAX映画館などがあり、週末はカップルや親子連れで賑わっています。また、2012年5月にオープンした「蘇州金鶏湖美術館」は、現代美術を中心としたレベルの高い作品が多く、ナビもおススメのスポットです。
「蘇州国際博覧中心」
美術館の前の広場は毎年開催される金鶏湖ハーフマラソンの出発・ゴール地点にもなっています。ナビも今年5kmマラソンに挑戦したんですよ。付近には大型の蘇州国際博覧中心があり、家具や車など各種の展覧会などを定期的に開催しています。
「月光碼頭」
そしてもう一つの外せない見どころが「月光碼頭」。新月のようなアーチ型の広場が湖畔に広がり、“蘇州で最も美しい夜景地”と言われています。高級SPAやKTV、各国のレストラン・バーが集まっていますが、全体が地中海風建築スタイルでまとめられ、異国風情緒を醸し出しています。結婚写真の撮影スポットとしも蘇州っ子には有名。休日にはウェディングスタイルの新郎・新婦の姿があちこちで見られます。実は杭州の西湖よりも8㎢も大きい金鶏湖。そのゆったりとした湖面には人工の小島“玲瓏島”なども見られます。ぜひのんびり散策してみてください。
テラス席から望む玲瓏島。
「時代広場」駅周辺金鶏湖の北東にある園区を代表する商業エリアです。ここのエリアの見どころは蘇州初の大規模商業施設「圓融時代広場」。海外からの玩具・家具店からファストファッションストアまでとにかく大型! 駅から直結していける「久光百貨」もこの園区店が全国一の大型だそう。金鶏湖からの支流沿いに東西に延びる通りには飲食店も多数点在し、賑やかなショッピングスポットです。
またここの目玉は世界一の長さを誇る“天幕”。長さ500m、2000万個以上のLEDライトを使った約10数分のショーは毎日夕方から夜間にかけて3回放映、無料で見ることができます。カーブを描いた天幕に舞う龍の姿もあり、とても中国らしいものですよ。
夜景もオススメ。
そしてそこから南へ徒歩20分ほど、少し足を延ばして行ってみたいのが「摩天輪公園」です。ここには現在世界で最も大きな“水上観覧車”が! 高さ120m、様々な表情に光輝く観覧車は、“金鶏湖アイ(目)”として市民から慕われています。遊園地には他に植物で作られた迷路やジェットコースター、メリーゴーランドなどのアトラクションもたくさん。湖にせり出して作られた遊園地はとてもロマンチック。たまには童心に返って遊ぶのもいいですね。
いかがでしたか? ガイドブックでは紹介されていない新しい蘇州の街の姿に、びっくりした方もいるのではないでしょうか。今日ご紹介した園区には、ラグジュアリーなホテルも続々建設中だとか。滞在、食事、ショッピングはおしゃれで快適な園区エリアで、観光は地下鉄で古城エリアへスムーズに移動——。そんな旅のスタイルが今後定着するのかもしれません。皆さんもぜひ、観光の途中に最新の蘇州も見に行ってみて下さいね。
以上、上海ナビがお伝えしました。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2012-07-24