ナビの上海好好インタビュー!【第4回】上海のコトあれこれ教えてください~

音楽ディレクター、DJとして活躍中の陳徳斌さんに、ちょっとディープな上海&杭州のオススメを聞きました!

こんにちは、上海ナビです。
ナビが思う上海生活の魅力とは、日々誰かに会うたびに「こんな人が上海にいたんだ〜」と思えること! 上海は、誰かに教えたくなっちゃう人との出会いが多い街だと思ってます。ということで始まったこのコーナー。男女国籍は関係なく、ナビ独断の人選で突撃インタビューをしていこうと思ってます。第4回目となる今回は、上海のお隣の街・杭州に住む陳徳斌さんに会いに行ってきました。サブカル、クラブミュージック好きの方は必読です!

第4回ゲスト 陳徳斌さん/音楽ディレクター

ショップ兼スタジオの前で

ショップ兼スタジオの前で

——こんにちは〜。初めまして。ずっと会ってみたかったんです。実はナビ、toeやmergrim、リコリスコリスなど、ここ数年内に陳さんが上海で企画した日本人アーティストのイベントには全部参加してるんですよ! 最近はどんな活動をされているんですか?

主にファッションショーの音楽ディレクションですね。あとは明日なんですが、札幌で活動しているミュージシャン・高橋クニユキのライブが上海であります。4月6日、7日は、HIROSHI WATANABE aka Kaitoのイベントを北京と上海で開催します(2013年3月現在の情報)。そのほかは、自分のショップ兼スタジオの運営とかパーティーとか。フリーランスでいろいろやっています。
ショップ「STUDIO TIMELESS」(上海市長楽路764-4号)では主にメンズのファッションアイテムを販売。2013年4月現在、既に移転しています ショップ「STUDIO TIMELESS」(上海市長楽路764-4号)では主にメンズのファッションアイテムを販売。2013年4月現在、既に移転しています

ショップ「STUDIO TIMELESS」(上海市長楽路764-4号)では主にメンズのファッションアイテムを販売。2013年4月現在、既に移転しています

庭でパーティーを開くことも

庭でパーティーを開くことも

——日本人でも余程感度が高い人でないと知らないミュージシャンやデザイナーをたくさん知っていますよね。

「すごく有名」っていうわけじゃない人たちですよね。そういう、ディープカルチャーやアンダーグラウンドな音楽はネットや友達のブログで知ることが多い。クラブでのパーティーも新しい考え方や音楽を知る場になっています。
日本でもなかなかコアなアーティストのライブに、陳さんの力で多くの若い中国人が集まります

日本でもなかなかコアなアーティストのライブに、陳さんの力で多くの若い中国人が集まります

——中国に日本人アーティストを呼ぶのはリスクもあると思います。ナビはいつも「え!? そんなことやるの!」と驚いているし、端で見ていていろいろと心配なんです(笑)。でも、いつも成功していますよね?

ビジネス的には全然成功してないけど(笑)。でも、イベントの内容だとか、いろいろな人がオープンマインドな雰囲気で交流できる場を作るのは意義のあることだと思います。そういう意味では成功してるのかな。
2011年に開催したmergrimのイベント

2011年に開催したmergrimのイベント

——音楽イベントを開催する上で難しいことってありますか?

僕が声をかける日本人アーティストはみんな喜んで上海に来てくれるんですが、中国側にはいろいろと規制や制限があって。日中関係の問題で日本人が出演できないことなんかは序の口というか。それよりも問題視すべきことは根本的に専門性がないことです。たとえば、ライブの告知や宣伝、メディアでの紹介も微妙だし、ライブハウスの運営自体にプロ意識がないことも。それらは今も全然解決できない問題ですね。中国のサブカル業界は未熟です。
自分好みのお店なら、お店の人や常連さんと趣味が合うハズ

自分好みのお店なら、お店の人や常連さんと趣味が合うハズ

——うーん、そうなんですね。逆にマーケットはありそうかも、なんて思ってしまいますが。ところで、陳さんには日本人クリエイターのお友達がいっぱいいます。ナビももっと現地の友達がほしいなーと思っているのですが、中国人と仲良くなるコツを教えてもらえませんか?

いっしょにスケボーしたり(笑)、しゃべったり、趣味が合う人を見つけて遊ぶことじゃないでしょうか。たとえば、インテリア、流れている音楽、雰囲気など、小さくてオシャレで、自分の趣味と合うお店を見つけたら絶対そのお店で気の合う友達ができると思います。
——そういうお店は上海のどこにあるんでしょうか。

フランス租界エリアですね。個人的には永福路や幸福路の小さいバーがお勧め。店名? 言わないことにしてるんで(笑)。
——短い路地だから行けばわかる感じですね(笑)。では、今後やりたいことなど教えて下さい。

今年の夏は北欧にちょっと出かけます。あとは、ハンドクラフトを紹介するウェブサイトや雑誌を作ること。カフェ付きギャラリーなんかも開いてみたいです。もっと先の目標としては、上海、杭州、東京、台北に拠点を作って、各都市のカルチャーをリンクできるような場にしたいな、と。
友達と自転車で横浜へ行ったときの写真

友達と自転車で横浜へ行ったときの写真

——日本にもよく行かれていると思いますが、好きな場所とその理由を教えて下さい。

全部好き!! 強いて言えばやっぱり東京。代官山、目黒、恵比寿など、ライフスタイルにクオリティを感じるところ、ギャラリーやオシャレなお店が多い街を見ると「理想的だな〜」と思いますね。

上海&杭州の暮らし

——陳さんの住む杭州は『上海ナビ』の読者にも大人気の観光都市です。特にこれから迎える初夏は最高の時期ですよね。

初夏? 良くないよ(笑)。5月から杭州は真夏。暑くてしんどいですよ。行くなら3〜4月、10〜11月の4か月間です。気候が良くて自然を満喫できるし、いろんな花は咲いてるし。
杭州に行くなら早春か晩秋がベスト 杭州に行くなら早春か晩秋がベスト

杭州に行くなら早春か晩秋がベスト

人気観光地「西湖」で、観光客がいない&自然を満喫できるエリアを探してみよう!

人気観光地「西湖」で、観光客がいない&自然を満喫できるエリアを探してみよう!

——杭州でオススメの場所を教えて下さい。

楊公堤(西湖のいちばん南側の東端にある堤防)ですね。西湖のなかでもいちばん人が少なくて、野鳥が多くて、風景がきれいなエリアです。旅行の日程が2日だとしたら1日はそこでのんびりしてほしい。僕はよく犬の散歩にも行きます。犬の名前? ハル。「春」のハル。あとは京杭運河(杭州市中心の西北)。ここも割と観光客が少なくて自然が豊か。実家がこの近くなんです。
湖畔で遊ぶ陳さんの愛犬・ハルちゃん 湖畔で遊ぶ陳さんの愛犬・ハルちゃん

湖畔で遊ぶ陳さんの愛犬・ハルちゃん

湖、山、ビル街が融合する杭州の街

湖、山、ビル街が融合する杭州の街

——いまは週の半分を上海で暮らす生活なんですよね。杭州と上海の違いって何でしょう。

最近は週4〜5日は上海です。上海の魅力は、誰もが自分らしくいられて好きなことができるところ。国際的でいろいろな友達ができるところですね。杭州は家族がいる街で、自分のホームグラウンド。自然がたくさんあるところです。街の構造自体が自然と融合しているのは上海にない魅力だと思います。

上海のオススメ

——お仕事柄、日本からくるアーティストを案内する機会も多いと思うんですが、もし初めて上海に来た日本人と出会ったら陳さんはどこへ連れて行きますか?

難しい……。外灘? 豫園? そんなところ連れて行かないよ(笑)。いっしょにご飯食べに行って、バーやクラブで飲んで、翌日は杭州に連れてっちゃいます。ほんと、いつもそんな感じ(笑)。
食べて、

食べて、

飲んだら、

飲んだら、

杭州へ

杭州へ

——陳さんに案内された日本人の表情、目に浮かびます(笑)。では、オススメのレストランを教えてください。

「辛香匯」はおいしいし安いしサービスもいいし、今のところトップ。常熟路の「避風塘」にもよく行きます。あとは、24時間営業の「河南拉麺」みたいな、街角ならどこにでもあるような小さい麺の店かな。
文句ナシでダントツ人気の四川料理店「辛香匯」

文句ナシでダントツ人気の四川料理店「辛香匯」

深夜でも本格点心を楽しめる「避風塘」

深夜でも本格点心を楽しめる「避風塘」

どこにでもあるこんな麺の店もお勧め

どこにでもあるこんな麺の店もお勧め

——「辛香匯」、やっぱり強いですね。バーやクラブでオススメのお店はありますか?

今のところお勧めできるお店は特にナシ。というか、僕は上海の街はフランス租界エリアしか知らないし、行動範囲がその辺だけなんですよ。地下鉄3号線とか4号線とか乗ったことないし。

龍井茶は3〜4月に杭州で出回る新茶がお勧め

龍井茶は3〜4月に杭州で出回る新茶がお勧め

——では、陳さん目線で日本人へのお土産にしたらよろこばれそうなものって何だと思いますか? 

ない。本当にないです(笑)。どうしてもと言うなら、杭州の茶葉かな。でも、お土産を買うのは本当にお金の無駄だよね。
思い立った日に即出かけよう!

思い立った日に即出かけよう!

——ワハハ。では、最後の質問です。『上海ナビ』の読者には、初めての上海旅行を計画中の人も多いと思うんです。「こうしたらもっと上海の旅が楽しくなる!」みたいなコツを教えて下さい。

旅行前の情報収集ってけっこう無駄な時間だと思います。行きたいと思ったら明日すぐに飛行機のチケットを買いに行って、何の情報も先入観もなく来るのがおもしろい。コツは、「無駄な時間を過ごさず、すぐ来る!」ことです。

——なるほど〜。確かに、来てしまえば旅行前の不安や心配っていつも「何だったの?」っていう気分になりますよね。知らないで来た方が手探り感を楽しめるかもです。でも、基本情報くらいは『上海ナビ』を見てから出発してもらいたいな……。今後も楽しいイベントに期待しています。今日はありがとうございました。

陳さんの名刺には、音楽ディレクターのほかにクリエイティブ・マネージャー、カルチャー・コントリビューターという肩書きが。きっと陳さんみたいな人がアジアのカルチャー界を陰でつないでいるのでしょう。何よりも先入観なくいいもの、好きなこと、おもしろいことを自分なりに判断してポジティブに突き進む姿勢はナビも見習いたいポイント。皆さんも上海のサブカル界に潜入して、国籍関係なくつきあえる友達を探してみませんか?
以上、上海ナビがお伝えしました。




上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2013-04-11

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