上海のお茶市場で中国十大名茶を試飲してきました!

世界中で飲まれているお茶の原点「中国茶」。その中でも選りすぐりの「中国十大名茶」を大寧国際茶城で試飲してきました!ずらりと並ぶ専門店の中でも選りすぐりの店舗をご紹介します!

こんにちは、上海ナビです。中国十大名茶を飲んでみよう。思い立って、上海駅の北側にある「大寧国際茶城」にやってきました。
ところで、十大名茶ってなんでしょう?中国国内外で特に親しまれ珍重されてきた十種類の名茶を呼ぶのですが、毎年微妙に変化するのだそうです。10種類のうち7〜8種類はほぼ毎年選出されるもので、残り2〜3種類はその年の出来によって替わってしまうんだそうです。では、2010年、万博イヤーの十大名茶とは?と言うことで調べて参りました。

~君山銀針~

黄茶を代表するお茶。湖南省洞湖に浮かぶ君山島で1000年以上前から作られ、清の時代には皇帝への献上品として珍重されてきたお茶です。君山島はとても小さい島なので生産量が極端に少なく、現在でも年に数百kg程度しか製造出来ないため、大変稀少価値の高いお茶となっています。清明節(4月初旬)に芽が出て葉が1枚出たところで摘まれます。この状態を「一葉一芯」と呼びます。

85度から90度くらいのお湯を注ぐと、一斉に葉が立ち上がり、表面に浮かび上がります。そのまま静かにおいておくと葉は静かに沈んでいきます。少しするとまた浮き上がってそして沈みます。この動作を良い茶葉ほど多く繰り返すそうで、多いものでは3往復もすることから「三起三落」と呼ばれているそうです。
最高級品 1600元/500g

最高級品 1600元/500g

販売許可書。これがないところのお茶は偽物!なんだそうです。

販売許可書。これがないところのお茶は偽物!なんだそうです。

君山銀針はこちらのお店で購入できます。

君山銀針
住所:上海市共和新路1536号大寧国際茶城2階2361号(老沪太路/洛川中路との三叉路)
電話:13917771781

~安渓鉄観音~

ナビではすっかりおなじみの日本語の上手な葉さん

ナビではすっかりおなじみの日本語の上手な葉さん

安渓鉄観音」は福建省南部の安渓市、1000m級の山々が連なり、山肌には人が長い時間をかけて作り上げた段々畑を望むことが出来ます。1年中霧に包まれていて、お茶栽培の適地、ここで作られるお茶が日本でもおなじみのウーロン茶、その最高峰が「安渓鉄観音」です。ただ、日本でよく見かけるウーロン茶の黒い色とは違い金色、味わいも渋みはまるでなく、甘さと芳香が口いっぱいに広がります。よく、花の香りにたとえられるのですが、まさに、アロマを口に含んでいるかのように香ります。
諸説ありますが、一番有名なのが、信仰の厚い茶農家の魏蔭(ぎいん)が観音様に茶の木が生えている場所教えてもらう夢を見て、実際に茶の木を見つけたので持ち帰ったというもの。もう一つは茶葉の見た目が、輝きがあってずっしりとした鉄製の観音菩薩像に似ているためというもの。観音様が教えてくれたお茶というのは、なんだか御利益ありそうでうれしいですね。

鉄観音は年に4回も収穫ができます。なかでも、春茶と秋茶は特に珍重されています。春茶は甘みが強く、秋茶は深みがあるといわれ好みは分かれるそうです。

蓋付きの急須や茶碗に茶葉を入れ、沸騰したお湯を注ぎます。30秒ほどでできあがり。蒸らし時間を短くし、熱いお湯でさっと出す方がこのお茶の香りと甘みを楽しめるそうです。
急須や茶碗に対して茶葉は多めです。透き通った黄金色。香りは注いだときから立ち上ります。 急須や茶碗に対して茶葉は多めです。透き通った黄金色。香りは注いだときから立ち上ります。 急須や茶碗に対して茶葉は多めです。透き通った黄金色。香りは注いだときから立ち上ります。

急須や茶碗に対して茶葉は多めです。透き通った黄金色。香りは注いだときから立ち上ります。

~武夷岩茶~

観光地でも有名な福建省武夷山の岩肌にへばりつくように生息している大紅包は、多くの伝説をもつお茶でもあります。1000年以上の歴史があり、原木はわずかに6本。とても大切に守られており、毎年その6本からわずかに取れる「武夷岩茶」は20gで300万円なんて値段もつくんだそうです。接ぎ木や挿し木によって今ではその伝説の孫木からとれる「武夷岩茶」を我々は口にすることができます。

「御茶莊」の紹介ページに詳しく載っていますよ。
中焙煎 極品肉桂 78元/50g

中焙煎 極品肉桂 78元/50g

重焙煎 大紅袍 80元/50g

重焙煎 大紅袍 80元/50g

~焙煎の度合いによって変わる味わい~

武夷岩茶」は複雑な製造工程を経て完成するお茶です。なかでも「焙煎」には経験と技術が必要とされています。焙煎の度合いは軽、中、重にわかれ、それぞれに異なった味わいがあります。軽から中程度の焙煎は日本のほうじ茶に似た優しい味わいで、こちらは日本の料理にもよく合いそうでした。ただ、油を多く使う中国料理には重焙煎が合うようで、中国人はこちらを好むそうです。
色合いもまるで違います。どちらも同じ「武夷岩茶」なんですよ! 色合いもまるで違います。どちらも同じ「武夷岩茶」なんですよ!

色合いもまるで違います。どちらも同じ「武夷岩茶」なんですよ!

~黄山毛峰~

届いたばかりの新茶。

届いたばかりの新茶。

黄山毛峰」は世界文化遺産に登録された安徽省の黄山でとれるお茶のことです。1000m級の山が連なり、霧が濃くなったり、薄くなったりする様は、まさに水墨画の世界!そして、お茶の生育にも最適な環境なんです。毎年4月初めの清明節頃に、芽吹いたばかりのお茶の葉の、まだ「毫毛(うぶ毛)」が生えているところを摘みます。つやのある薄いグリーンで、さわやかな香りが楽しめます。
茶葉がひらく様子や透き通った明るい黄色の茶湯を鑑賞しながら風味を愉しむには、やはりグラ スがおすすめ。このお茶は比較的購入しやすい価格なので、中国の人たちもよく飲んでいます。一度の茶葉で5〜6杯も飲めるので、多くの人は透明の水筒のようなものに無造作に茶葉を入れ、1日中持ち歩いています。タクシーの運転手さんなんかに多いので、上海においでの際には、ちょっと気にしてみてくださいね。

~六安瓜片~

「瓜片」そのまま形から命名されているのが茶葉を見るとよく分かります。肉厚のふっくらとした茶葉は、まさにひまわりの種。あ、中国語で「瓜片(瓜子)」はひまわりの種のことなんです。深い緑の茶葉は、お湯を注ぐと、鮮やかな緑色に変わります。香りは、カボチャの種のようと説明を受けましたが、カボチャの種にあまりなじみのない日本人にはちょっと分かりづらいですよね。香ばしいナッツ系の香りが近いような気がします。

このお茶の歴史は非常に古く、六安の町そのものは春秋の時代まで遡れます。明代の文献「茶箋」には「六安の茶葉を薬に入れるのがよい」と書かれているのだそう。風邪に効くとされていたそうです。

葉さんと娘さん(注:御茶莊の葉さんとは別の方です。)

葉さんと娘さん(注:御茶莊の葉さんとは別の方です。)

黄山毛峰と六安瓜片はこちらのお店で購入できます。


黄山市煉丹石茶廠
住所:上海市共和新路1536号大寧国際茶城2階2251号 (老沪太路/洛川中路との三叉路)
電話:021-6631-4556

~祁門紅茶~

祁門紅茶」はダージリン、スリランカのウバと並んで世界3大紅茶の一つに数えられる紅茶です。イギリスで紅茶文化が発達したのもこの祁門紅茶によるものと言われています。紅茶の元祖はこの「祁門紅茶」であるのだそうです。
祁門紅茶 1880元/500g

祁門紅茶 1880元/500g

祁門紅茶 52元/500g

祁門紅茶 52元/500g

安徽省祁門で生産されるこのお茶は、山が多く、春と秋にはお茶の木が好む霧が出るため、柔らかく甘みのある新芽が育ちます。外形は細長く、ツヤのある黒色が特徴です。値段が高価なほど味が透き通り、甘みが増します。普段口にする、紅茶の苦みや渋みを全く感じることがなく、初めて口にしたときには紅茶であると思えませんでした。低価格のお茶は渋みが強いのですが、その分、ミルクティーなどにするにはこちらがおすすめです。
高級な茶葉ほど、淹れられる回数も増えます。 高級な茶葉ほど、淹れられる回数も増えます。

高級な茶葉ほど、淹れられる回数も増えます。

~信陽毛尖~

信陽毛尖」は「都均毛尖」同様、上海ではあまりポピュラーではありません。今回も、大寧国際茶城を走り回ってたった1軒しか扱うお店を発見できませんでした。 まっすぐ伸びた茶葉には一面に「毫毛」がついており、黒に近い深い緑色をしています。「信陽毛尖」が作られる、河南省南部信陽県もまた、年間を通してお茶の木が好む霧が立ちこめる山間です。細かい霧から水分をとるために茶葉は「毫毛」を蓄えます。昔から漢方薬としても使われてきたお茶なので、少し苦みがあります。85度から90度くらいのお湯で丁寧に淹れると、深い色のお茶で、初めの苦みは徐々に甘みに変化して、最後はいつまでも口の中にすがすがしい甘さが残ります。 
信陽毛尖 520元/500g 信陽毛尖 520元/500g

信陽毛尖 520元/500g


紅茶林の汪さんの奥さん。ご夫婦共に安徽省の方。

紅茶林の汪さんの奥さん。ご夫婦共に安徽省の方。

祁門紅茶と信陽毛尖はこちらのお店で購入できます。

紅茶林
住所:上海市洛川中路633-635号 (老沪太路/洛川中路との三叉路)
電話:021-6628-6604 / 021-5100-0388

~碧螺春~

くるりと丸まった愛らしい形が特徴の「碧螺春」は江蘇省の洞庭東、観光地でも有名な太湖の西南でとれるお茶です。茶葉は若ければ若いほど、「毫毛」が多く、上等とされます。特に、4月の清明節の時期に、深い霧が数日垂れこめたあと、芽吹く若芽を手作業で摘んでゆき、500gの茶葉をとるのに、7万枚もの茶葉を必要とする、気の遠くなるような行程を経て作り出される大変貴重なお茶だそうです。
お湯を注いですこし待つと、葉が一斉に広がります。そして、茶葉の表面についていた「毫毛」が浮かび上がり、少し濁った感じに見えるのが「碧螺春」の大きな特徴だそうです。1杯目は捨てて、2杯目からおいしく召し上がってください。雑みのないスッキリとした味わいで、喉の奥から潤っていく感じです。夏には冷たく冷やしてもおいしく飲めるそうなので、試してみてください。少し冷えたところは、甘みが増して、スッと暑さが引いてゆく感じを受けます。

碧螺春はこちらのお店で購入できます。

同馨茶園
住所:上海市共和新路1536号大寧国際茶城2階2210号 (老沪太路/洛川中路との三叉路)
電話:021-6652-3018

~西湖龍井~

「天国は空にはなく、杭州にある。」とまで言われる、杭州の西湖周辺龍井村で作られた「西湖龍井」は春
になると、各地で争奪戦が繰り広げられるほどの人気の緑茶です。中国でもっとも有名な緑茶と言っても過言ではないかもしれません。透き通った翡翠色、かぐわしく優雅な香り、芳醇な味わい、茶葉はどこまでも美しく、四絶之称(四つの要素ともに他に類をない)とまで言われているお茶です。
西湖龍井 1200元/500g

西湖龍井 1200元/500g

西湖龍井 400元/500g

西湖龍井 400元/500g

春に新芽のみで作られ、とてもやわらかいので、茶葉のままでも食べることができます。日本の緑茶とは製造工程が違い、茶葉を蒸すことなく煎るように作ります。その時、釜に押しつけるように作るので、「西湖龍井」独特の形が構成されます。
茶葉を見ただけでは、素人には実はあまり違いが分かりません。 茶葉を見ただけでは、素人には実はあまり違いが分かりません。

茶葉を見ただけでは、素人には実はあまり違いが分かりません。

~おいしい入れ方~

日本の玉露と同じように80度くらいの少し低い温度で淹れます。開いた茶葉には「二葉一芯」のかわいらしい形をしています。良いお茶であるほど、透明に透き通り、味はすっきりとして雑みがなく、一口目にはほとんど味を感じませんが、少したつと口の中に甘さが広がり、いつまでも喉が潤うような感じがします。

西湖龍井はこちらのお店で購入できます。


住所: 上海市共和新路1536号大寧国際茶城1115-1116号 (老沪太路/洛川中路との三叉路)
電話: 021-6631-4808


いかがでしたか?中国にはお茶の種類が5000種類とも1万種類とも言われています。そんな中から、人気の中国10大名茶をご紹介しました。今回ナビがご紹介したお店では、どんなにたくさん試飲をしても、文句も言われず、買う量がほんのちょっぴりでも大丈夫なお店ばかりを紹介しました。お店が入っている大寧国際茶城には、ほかにもたくさんのお茶の卸売り屋や、茶器なども取り扱っているので、ぜひゆっくり時間をかけて回ってみてくださいね。日本へのおみやげに大人気の、細工花茶(茶葉に細工して、お湯を注ぐと花が開くようになるお茶。)なども1個2〜4元(約50円)ほどで購入できます。ちょっとしたおみやげにとても重宝しますよ。以上、上海ナビがお伝えしました。

上海ナビおすすめお茶ツアー

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-06-03

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