ここに行けば外さない!上海の老舗特集~上海の古き良きを探しに行こう

上海の伝統の味と名物、名産はこのお店で。創業100年以上のお勧め店をご紹介♪

こんにちは、上海ナビです。
旅先でついチェックしてしまうジャンルのお店といえば「老舗」ですよね。その土地の伝統や昔ながらの味を守っている感じがしますし、流行りのお店にはない歴史や文化を感じることができます。長年その街の人たちに信頼され、愛されてきた実績があるお店だということも言えますよね。変化が早く、お店の移転閉店のサイクルが速い上海ではありますが、よく探すと創業100年超えのお店も実は多いんですよ。早速ご紹介していきましょう〜。

上海の老舗事情

上海は街自体の歴史が浅いため、老舗の基準は1800年代前後創業のお店になります。パターンとして多いのは、戦前に個人経営店としてオープンして人気となり、その後中国建国後に国営店になったもの。それがそのまま現在も営業しているというケースです。目印は看板や入り口などに「中華老字号」「百年老店」と書いてあることです。歩きながらぜひチェックしてみてください。
入り口の「百年老店」「中華老字号」の文字や、創業年の表示が目印です 入り口の「百年老店」「中華老字号」の文字や、創業年の表示が目印です

入り口の「百年老店」「中華老字号」の文字や、創業年の表示が目印です

ショップは対面販売、飲食店は食券制のお店も

ショップは対面販売、飲食店は食券制のお店も

<知っておきたい国営システム>
ショップは対面販売(量り売り)、飲食店は食券制が多いので、最初は戸惑うかもしれません。が、国営の魅力は中高年のベテラン店員たちのサービス。第一印象はそっけなくてぶっきらぼうで、「あー、国営って感じ」と思うかもですが、ここで切り上げるのは国営ビギナー! 店員さんに雑談を振ってみる、何回か通うなどのテクニックを使うと、「親戚か!」と思うほど親しくなれてしまうのが国営店の特徴です。味見、おまけ、立ち話など、マニュアルにないサービスに感動するはず。
それでは早速ジャンルごとにどんどん見て行きましょう! 今回は、創業100年以上のお店に絞ってお勧め店をまわってみました。

上海の歴史を味わう! レストラン編

旅行で上海を訪れるなら、一度は老舗で食事したいもの。昨今オープンした上海料理店とは、味、雰囲気、システムなどがかなり違うということがわかるハズ!
上海きっての行列店です

上海きっての行列店です

南翔饅頭店 (1871年創業)

上海一有名なレストランといえば間違いなくここなのではないでしょうか。上海の小籠包発祥の地・南翔で創業し、1900年に現在の豫園商城に移転オープン。その後変わらぬ人気を得ています。最近はチェーン展開もしていますが、上海を訪れたならやっぱり豫園で食べたいもの。お勧めは2階席の窓際席です。九曲橋のかかる風景を一望できるんですよ。
豫園商城の老舗といえばここ

豫園商城の老舗といえばここ

上海老飯店 (1875年創業)

豫園エリアの老舗というと、ガイドブックには「緑波廊」が紹介されているかもしれません(意外と新しいお店です)。でも、もっと古くて地元の人にも愛されているのがこちらのお店「上海老飯店」。こってり甘辛な正統派上海料理を味わうことができます。小籠包などの点心もあるので、「南翔饅頭店」の大行列に「無理!」と思った方にもお勧めです。シーズンには上海蟹もありますよ。
地元中高年に大人気

地元中高年に大人気

老正興菜館 (1862年創業)

戦前は歓楽街だったという福州路は老舗レストランの宝庫。なかでもこちらのお店は、上海らしい伝統の味を守る大型店として地元の中高年に高く支持されています。甘辛風味のなかに醤油の香ばしさも味わえる、これぞ上海な料理がいっぱい。看板メニューは、甘辛風味のモツと草頭(豆苗の一種)の炒めもの「草頭圏子」です。最近できた上海料理店にはない伝統料理なのです。
上海蟹専門店の老舗です

上海蟹専門店の老舗です

王宝和酒家 (1744年創業)

同じく福州路にあるこちらのお店は、今では普通となった上海蟹料理専門店の先駆け的存在の老舗。おしゃれな雰囲気はなく昔ながらの食堂的な店構えですが、上海蟹シーズンには多くの地元客が訪れます。一階のテイクアウトコーナーで売られている「蟹肉月餅」はアツアツで激ウマ! ナビは通りがかるたびに売っているかチェックし、ついつい毎回買ってしまいます。
1階は食券制

1階は食券制

徳興館 (1878年創業)

「老舗」というと敷居が高いイメージですが、一人でもふらっと入れるのがこちらのお店。甘辛風味の炒めものをのせた上海風麺料理の専門店です。1階は麺や点心、2階は料理をオーダーして食べるシステムになっていて、外側にはお惣菜のテイクアウト窓口も。今も昔も地元の庶民に愛されているお店です。朝6時台オープンなので、朝ご飯のお店としても人気のよう。
戦前のハイカラな上海を体験

戦前のハイカラな上海を体験

徳大西菜社 (1897年創業)

ハヤシライス、オムライスなど戦前の日本で定着した洋食があるように、上海にも戦前からご当地風に発展した洋食の文化があります。ボルシチ、ポテトサラダ、ステーキなど、上海らしい洋食を100年以上出し続けているのがこちらのお店。モーニングの時間帯はコーヒー派のおじいちゃんたちでほぼ満席になるんですよ。ウエイターもベテラン揃い。ぜひ体験していただきたいお店です。
ほか、創業100年超えのお勧め店はこちら。日々満席のお店、日常的に行列ができているお店も多数。時間に余裕を持ってお出かけ下さい。

老舗でお土産を見つけよう! ショップ編

本当に上海らしいお土産は老舗にあり! 大都会になる前の上海では、どんな産業が発達していたのかもわかります。

レトロなはさみが人気

レトロなはさみが人気

上海張小泉刀剪総店 (1662年創業)

1700〜1800年代の上海は貧しい漁村だったといいます。今の上海の発展は、当時浙江省方面からやってきた商人たちが作り上げたとも。こちらのお店も、杭州から上海に進出してきた職人が開いたお店だそう。昔から料理人や理髪師に愛されてきた刃物専門店なんですよ。ミニはさみ、真鍮製品など、お土産にできそうな刃物も揃っています。
上海らしい食品をいろいろ売っています

上海らしい食品をいろいろ売っています

上海梨膏糖商店 (1855年創業)

蘇北地方からやってきた夫婦の屋台が前身だというお菓子屋さんです(現在はさまざまな食品も扱っています)。メインの梨膏糖は、茯苓、貝母、甘草などの漢方と雪梨、氷砂糖を煮詰めた上海の伝統的な砂糖菓子。咳止め、気管支炎などの緩和、食欲増進などの効果もあるそう。味にクセはなく、日本でいえばショウガ糖のような感じです。
めずらしい漢方薬がいっぱい

めずらしい漢方薬がいっぱい

蔡同徳堂 (1882年創業)

南京東路に位置する漢方薬局です。こちらも浙江省からやってきた薬の商人が創始者だそう。オープン当初は中国初の大型漢方薬局として大変な話題になったといいます。店内には冬虫夏草や高麗人参、霊芝、シカの角など、めずらしい漢方薬がいっぱい。上層階は診療所になっていて、問診、処方なども行なっています(要中国語力)。
老舗食品店の代表格

老舗食品店の代表格

真老大房食品公司 (1851年創業)

「おいしいものを売っている老舗」の枠でナビ的にNo.1なのがこちらです。行列ができる鮮肉月餅のお店として上海ではあまりに有名。味わいはジューシーなメンチカツといった感じ。日本人の口にも合います。店内には金華ハム、砂糖菓子、茶葉、乾物などの中国食材がぎっしり。陽気なおばさん店員たちとの交流も楽しめます。
店舗の建物も文化財

店舗の建物も文化財

涵大隆醤園 (1886年創業)

上海近郊の水郷は、清代より以前は上海よりもずっと栄えてにぎやかだったといいます。周荘、西塘などの人気の水郷は老舗の宝庫。そんななかでもナビのお勧めは、朱家角の漬け物専門店「涵大隆醤園」です。昔ながらの素朴な漬け物は驚きのおいしさ。少しだけ買って食べながら街歩きを楽しむのもお勧めです。
ほか、こんなお店も100年以上営業しています。密集しているのは豫園商城と南京東路!

番外:上海に100年以上前からあるスポットあれこれ

創業100年以上!

創業100年以上!

浦江飯店 (1846年創業)

「リチャードホテル&レストラン」としてオープンした上海を代表するオールドホテルです(現在の英語名はアスターハウス・ホテル)。アインシュタインやチャップリンが宿泊したことでも有名ですよね。90年代前後はバックパッカー宿として日本でも知られていましたが、現在はやや高級なオールドホテルとして機能中。レストランやロビーの見学は宿泊者以外もOKです。
黄浦公園から眺めた外白渡橋

黄浦公園から眺めた外白渡橋

外白渡橋 (1908年竣工)

中国初の鉄橋として建設された橋です。上海を代表する観光地「外灘」の北側に位置。この橋から眺めた陸家嘴の風景はとても絵になります。その割に観光客はあまりこの橋周辺まで来ないので空いているのもポイント。外灘も歴史ある建物が多い場所ですが、多くが1930年代竣工でまだ100年には至っていません。浦江飯店やこの橋などを見ると、外灘は北側から発展したのかも。
欧風の花壇やバラ園があります

欧風の花壇やバラ園があります

復興公園 (1909年開園)

上海市内の公園は多くが区画整理などによって1950年前後にオープンしています。が、こちらはこのエリアにフランス租界が置かれた時期にオープンした歴史ある公園。フランス人の園芸家が設計した純フランス式庭園があります。現在は市民の憩いの場としてはもちろん、音楽イベント、フラワーイベントなども開催。イチ押しの散策スポットです。

いかがでしたか? よく、昔中国旅行をしたことがあるという年配の方に、「今の上海は新しいものばかりで魅力がなくなっちゃったね」と言われるナビ。でも、地元の人に愛されている老舗はきちんと、しかもグレードアップしながら残っています。今回ご紹介したお店に行けば、きっと昔の中国の懐かしさも味わえるはず。ぜひ旅行の日程に、「百年老店」を入れてみて下さい。
以上、上海ナビがお伝えしました。 

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2015-07-09

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