見どころはひと通り制覇済みの方、有名スポットに興味がない方に贈る、マイナー観光地リスト。
こんにちは、上海ナビです。
上海は日本人にとって近くて気軽に行ける海外の都市です。日本人人口も多いので、家族や友人に会う目的で何度も訪れている方も多いのではないでしょうか。そんな上海旅行のリピーターの皆さんは、もう目をつぶっても外灘や豫園商城を歩けるのでは? というわけで今回は、「有名な観光地はもう全部行ってしまった」という方はもちろん、「初上海だけどベタな観光地には行きたくない!」という方のための特集を企画。スペシャルなマニアックさでお届けします。
初めての上海旅行を計画中で、定番の観光地に行きたい方はこちらの記事をどうぞ。
第1位:甪直/同里
2014年現在のナビイチ押し郊外スポットです。どちらもガイドブックには必ず載っていて、かなり有名な古鎮なのですが、「実際に行ったことがある」という日本人にナビは遭遇したことがありません。理由としては、周荘、西塘、朱家角を目指す人が多いこと、行き方がやや難しいこと(日本人向けのツアーを催行している旅行会社があまりない)などが挙げられるかも。
地元の人ののんびりした生活が残る甪直
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古い家屋がそのまま残っている同里
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「退思園」は世界遺産です
でも、「観光客が少ない場所」を目指したい方にはぜひお勧めの場所です(平日や雨の日を選んで行くと、ぐっと風情を味わえます)。意外と知られていないのですが、同里内の「退思園」は世界遺産。甪直も現在世界遺産登録を目指しています。今後注目を浴びること間違いなしなので、出かけるならお早めに。
第2位:舟山路周辺
旧ユダヤ人街があることで有名です
上海市内有数のダークなエリアといえば、地下鉄12号線「提籃橋」駅界隈。「監獄と尼寺とユダヤ人街があるよ」と教えると、ベタな観光地に興味のない人は飛びついてくれる場所です。中心にあるのは「提籃橋監獄」。100年以上の歴史があり、「死亡之城」などという不気味な通称で呼ばれていましたが2013年に閉鎖。まわりには古い民家や商店があり、刑務所特有の高い塀のある路地を一周すれば、かなりディープな旅をした気分に! 徒歩圏内には旧ユダヤ人街の舟山路も。
尼寺「下海廟」
一角には尼寺として知られる「下海廟」があります。舟山路と東余杭路の交差点付近には昔ながらの商店街が。でも、開発の波が押し寄せ中なので、こちらも行くならお早めに。
第3位:乍浦路
日本関連の歴史建築の宝庫「乍浦路」
「昔日本人が住んでいた建物」がたくさん残っている上海。有名なのは内山書店跡や、金子光晴が暮らした四川北路の「余慶坊」ですよね。これらの王道エリアを制覇した方にお勧めなのが乍浦路。地下鉄10号線「四川北路」駅から乍浦路を目指し、通りを南下するコースで歩いてみて。
西本願寺跡
道路沿い右手、455号(現471号)と439号の住所にあるのが、1931年に日本人建築家が建てた西本願寺です。特に439号は木造の日本のお寺そのもののパーツが当時のまま! 今は普通に住宅として使われています(471号のほうはイベントスペースになっていました)。当時は葬儀場としても使われていたそうなのですが、住んでいて怖くないのかな〜。
439号のこの階段と手すり……、リアルに日本のお寺です。文化財には指定されていますが、普通に人が住んでいます。
道路から遠目に見ても元お寺とわかる外観
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元境内。住民の皆さんが将棋をしていました
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ピアスアパート
さらに南下するとアヘン王と呼ばれた里見甫などが住んでいた「ピアスアパート(現浦西公寓)」が。ここ、中に入れるのですが、戦前の建物とは思えない造り。当時は高級マンションだったのでしょう。そのまま南下するとレトロな飲食店街に。夜以降は屋台が出るので、ここで夕食も可能です。ちょっと頑張れば外灘まで歩けちゃいますよ。
第4位:嘉定州橋景区
歴史街になっています
嘉定区というと、小籠包が有名な「南翔」やF1が開催される「上海アウディ国際サーキット」が有名ですが、今回は「嘉定州橋景区」周辺をご紹介。宋代から続く歴史ある街で、ちょっとした観光ストリートになっています。周辺には「孔廟」「匯龍潭公園」「秋霞圃」「嘉定博物館」など、知られざる史跡や見どころが盛りだくさん。たっぷり一日過ごせてしまいます。
嘉定区住民の定番スポット
同じ嘉定区の昆山市よりに位置する地下鉄11号線「安亭」駅は、大型ショッピングモールが隣接していてなかなかのにぎやかさ。上海では自動車産業の街として有名ですが、一角には「安亭老街」という歴史ストリートがあります。中心地にあるお寺「菩提寺」も見応えあり。
第5位:武康路
通りの入り口に「武康大楼」
フランス租界エリアというと、「範囲が広すぎて、具体的にどこへ行けばいいのかわからない」「そもそも歴史や建築に詳しくないので興味がない」「とりあえず新天地や衡山路には行ってみました」……というビギナーさんは多いはず。あまり理解できなかった2回目の皆さんにお勧めなのが、武康路を南から北までゆっくり歩くこと(約30分)。ビジュアル的に美しい歴史建築が多く、ほどよく個人経営のお店が点在していて、「こういう感じがフランス租界なのか」と理解できるはずです。
在住外国人に人気のお店がいっぱい
かつてファガーソン通りと呼ばれていた武康路には、スパニッシュ系、ルネッサンス様式の洋館が多く残されています。文化財住宅の密度は上海一とも言われているんですよ。横に交わる安福路、復興西路、五原路、湖南路、泰安路も風情たっぷり。この界隈、在住外国人に人気のレストランやショップの密度も上海一かもしれません。在住者気分で食事やお茶に行ってみて。
第6位:東街旧貨市場
味わい深いガラクタ市場
豫園周辺の古い路地「四牌楼路」や「方浜中路」などを攻略したらこちらへ。真のガラクタ市場「東街旧貨市場」です(骨董街「東台路古玩市場」ではありません)。売られているのは工具、廃材、中古家電などなど。バラックのような店舗ブースが並んでいます。店主はそれぞれ修理業務もやっているため、近所の人たちの需要はけっこうあるよう。周辺には昔ながらの味わい深い路地が入り組み、昭和な風景が広がっています。
外倉橋街の布市場は地元でとても有名。今は店舗の半分が壊され、青空市場と化しています
この界隈全体を「南市」と呼びますが、ここより南の董家渡エリア、外倉橋街周辺は路上布市場などがあり、探検スポットとしてとてもお勧めです。ただし、2014年9月現在ビルの建設用地として売り出されており、ここ数年でがらっと景観が変わる可能性あり。古い路地や廃墟見学を楽しみたい方は、2015年前半までにお出かけを〜。
第7位:佘山国家森林公園
山頂に教会と天文台がある山
「旅ではいつも山の方を目指す」という方はこちらへ。地下鉄9号線「佘山」駅からタクシーで5〜6分の場所に位置する山と森林スポットです。山といっても標高約100mほどなので気軽に登ることができるんですよ。でも、山らしさはちゃんとあって緑もいっぱい。山頂には歴史ある大聖堂と天文台があるほか、山道には地震科普館(地震の博物館)と洞窟を利用した恐竜博物館が。私設っぽくて、いろんな意味でちょっとコワい展示館に興味がある方にお勧めです。
佘山エリアと地下鉄9号線沿線の松江区のそのほかのお勧めは「辰山植物園」と「酔白池」。どちらも外国人観光客にはまったく遭遇しない観光スポットです。
「辰山植物園」の巨大温室
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「酔白池」は藤の季節がお勧め
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第8位:欽錫仰殿
あまり知られていない(?)お寺です
地下鉄6号線「源深体育中心」駅からすぐの場所に位置する道教のお寺です。仕事運、金運、縁結びなどにご利益があるという知る人ぞ知る場所。ガイドブックには載っていないお寺がけっこうある上海ですが、道教のお寺は日本では滅多に見られないのでお勧めです。
ほか、あまり知られていないお寺、教会めぐりをするならこちらがお勧め。街歩きのひと休みにも使えますよ。
第9位:1933老場坊
外観も異様な感じ
「ガイドブックには載っているけど、あまり行く人がいない場所」の枠でのお勧めNo.1はここかもしれません。牛の屠殺場をリノベーションした複合スポットです。スロープや階段が入り組んだ不気味な建築物内にアートスペースや飲食店が入った雑居ビルで、建築好き、廃墟好き、探検好きにはぜひお勧め。どこを撮ってもなんだかアートな写真が撮れるので、写真好きにもお勧めです。
徒歩圏内には上海のご当地アイドル・SNH48の専用劇場と、プチリノベーションスポット「老洋行1913」が。古い港街といった風情の街並が残っているので、気ままな街ぶらも楽しいエリアです。
公演を見るには事前予約が必要(倍率高いです)
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こんなリノベーションスポットがあります
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第10位:上海天蟾逸夫舞台
雑技を見たら次は京劇に挑戦
旅に欠かせないエンタメ鑑賞。最初の上海旅行で雑技を鑑賞した方は多いはず。次のステップで挑戦したいのは京劇鑑賞です。日本人向けの旅行会社ではほぼチケット手配サービスはないので、自分で演目を選んで窓口で買うという難関付き。でも、「西遊記」や「三国志」など、大立ちまわりがあるアクション系の京劇は、雑技以上に興奮できます!
中国語ができる(上海語もやや分かる)という上海上級者なら、その演目のストーリーと見どころ、人気のある役者などを事前に調べ、地元の常連に混じって声援を送るというプロフェッショナルな楽しみ方もできます。ステージと客席が一体になる独特の雰囲気を味わえますよ〜。
番外:そのほかの隠れスポット
子ども連れなら、のどかな公園内に突然ライオンやトラなどの猛獣が飼われている「和平公園」がお勧め。浦東方面への遠出なら「新場古鎮」はいかがでしょうか。梅屋庄吉像がある「紹興公園」、コリアンタウン「龍柏」、日本の文化人も眠る元外国人墓地「宋慶齢陵園」などもあまり知られていないスポットですよね。
いかがでしたか? 上海に遊びにくるナビの友人知人は、なぜか「有名なところは行かなくていいや」というタイプの旅行者が多いです。そんな彼らのリクエストに応えつつ日々市内をリサーチしているナビ。今後も地味でダークな場所、知られざる歴史スポット、新オープンの謎スポットなどを見つけたら、『上海ナビ』で随時ご紹介していこうと思います。
以上、上海ナビがお伝えしました。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2014-11-13