上海で進化中の和食☆特集

四川風讃岐うどんからキャラメルソース寿司まで! 上海で見つけた未知の和食を食べ比べ♪

こんにちは、上海ナビです。
上海で本場の中華料理を食べたことがある人なら、「日本で食べる中華と全然違う!」と思ったことがあるはず。ということは、日本の中華料理は日本で独自の進化を遂げているということですよね。上海でも、日本とは違う和食を見かけることがあります。上海人のなかでの「日本っぽさ」を表現してあるもの、日本の飲食チェーンが上海人向けに作っているもの、日本人的に食べ方や盛りつけに違和感があるものなどさまざま。今回は、そんな上海ならではの和食に注目してみました!
※市内には在住日本人向けの本格的な和食を出すお店もありますが、今回は上海らしい日本料理に絞ってご紹介しています。

上海のローカル和食あれこれ

上海万博で出された和食のサンプル

上海万博で出された和食のサンプル

2000年代後半くらいまでは、上海の和食といえば食べ放題で、ホールスタッフが日本語名の名札をつけていて、ゆるい着付けの着物風制服で働いているのが定番でした。最近は洗練されてきましたが、探すと「これって上海だけ?」と思う定番はまだまだあります。ナビ目線で探してみました。

<上海のローカル和食あるある>

上海の日本料理店で何回か食事をすると見えてくる、独特な上海らしさをまとめてみました。これ、海外のほかの都市もそうなのでしょうか?
ナビ感覚で、8割以上のお店がゴマドレッシング使用

ナビ感覚で、8割以上のお店がゴマドレッシング使用

サラダはゴマドレッシング

定食やセットメニューについてくるサラダのドレッシングが、なぜかどのお店も市販のゴマドレッシングです。上海人の口に合うのかも? または、日本のサラダといえばゴマなんでしょうか。たまにシンプルにマヨネーズとか、醤油系和風ドレッシングのお店に当たると「おっ!」と思います。
氷の上に刺身

なぜか多くのお店がかき氷状にした(粗く砕いた)氷の上にお造りを盛りつけています。上海人に人気の高級店ほど氷率が高い気が。盛りつけセンスも独特で、「刺身というか、切り身!?」と思うほど大きくて厚切りのお店もあります。
氷の上にダイナミックな盛りつけ 氷の上にダイナミックな盛りつけ

氷の上にダイナミックな盛りつけ

レンゲ入り

レンゲ入り

味噌汁にレンゲ

定食などを頼むと味噌汁にレンゲを入れた状態で運ばれてくることがあります。日系チェーンの「元気寿司」もそうでした。「スープはレンゲで飲む」が中国では当たり前なので、習慣に合わせているのかもしれません。
上海の日本料理店メニュー書体

上海の日本料理店メニュー書体

手書きメニューの書体が独特

中国人が日本語を書くと、こういった味わい深い書体になります。日本人スタッフがいるお店でも、中国人女子書体の日本語メニュー率が高いですよね。スタッフが「私が書きたい!」と言うのでしょうか。それとも、日本人客を惹きつける戦略? ナビもつい見てしまいますが……。
手書きメニューを見つけるとつい写真撮りたくなります 手書きメニューを見つけるとつい写真撮りたくなります

手書きメニューを見つけるとつい写真撮りたくなります

上海人に人気の日本料理店の代表格はここ↓
ローカル系日本料理店、店の外に手書きメニュー黒板が見つかるエリアはここ↓

<寿司事情あれこれ>

日本人の職人さんがいる本格的な寿司店はとにかく高い上海。同じ値段なら、帰国したときに銀座で食べた方が……と思ってしまうナビ(それも予算的に無理ですが……)。でも、上海らしい変わり種には興味津々です!
独特な盛りつけのロール寿司が定番

独特な盛りつけのロール寿司が定番

ロール寿司にトライ!

ローカルな日本料理店や欧米系和食レストランの定番はアメリカで進化したロール寿司。日本ではカリフォルニアロールがメジャーですが、ドラゴンロール、サンシャインロール、モトローラロールなど、未知の名前の寿司に遭遇することが。マンゴーやチーズが入っていることもあります。
上にマンゴースライス、中は野菜。サウザンアイランドドレッシングがけ

上にマンゴースライス、中は野菜。サウザンアイランドドレッシングがけ

クリームチーズと黄桃(アンズ?)入り。天かすがかかっています

クリームチーズと黄桃(アンズ?)入り。天かすがかかっています

こちらはなんとキャラメルソースがけ! 意外に、穴子のタレみたいで美味

こちらはなんとキャラメルソースがけ! 意外に、穴子のタレみたいで美味

上が鴨肉のスライス、中はなんとグレープフルーツです

上が鴨肉のスライス、中はなんとグレープフルーツです

日系チェーンでも、回転寿司に必ずあるメニューといえばすき焼き

日系チェーンでも、回転寿司に必ずあるメニューといえばすき焼き

回転寿司のサイドメニュー

最近は日本でも回転寿司のサイドメニューが多様化していますが、カウンターですき焼きをグツグツ煮る客がいるのは上海ならではかも? ほか、お粥や焼き魚定食などがあるお店も。なかでも特にメニューが豊富な「伊秀寿司」にて、「わざわざ回転寿司で食べなくても……」と思うメニューをあえて食べてみました。
海鮮粥。サーモン入りのやさしい風味。体調が悪い日は、これだけ食べに来たいです

海鮮粥。サーモン入りのやさしい風味。体調が悪い日は、これだけ食べに来たいです

アボカドタルタルサラダ。まわらないメニューに力を入れ過ぎでは?

アボカドタルタルサラダ。まわらないメニューに力を入れ過ぎでは?

まわってるものを取るお客さん自体少数派?

まわってるものを取るお客さん自体少数派?

そんな感じで、上海の回転寿司店はオーダーメニューの方が充実しているため、あのまわるベルトの上に何もない状態の場合も……。広告だけがまわっていることもあります。
メニュー豊富過ぎの「伊秀寿司」が入っているモール↓
「がってん寿司」にも鍋メニューあります↓
異国系ロール寿司のお勧め店はここ↓

<在住欧米人向け日本料理店>

中国なのに和食を求める欧米人も上海にはいます。そんな彼らをターゲットにした和食店というのもあって、フランス租界エリアなどにひっそり点在しています。過去、ナビはこんな料理&お店に驚きました。
器は和風です

器は和風です

海鮮サラダ?

こじんまりした居酒屋風の某店(お客さんはほとんど欧米人)にて、海鮮サラダを頼んだらトマトスープで煮込んだシーフードが出てきたことが! 店員さんはナビに「お客さん、台湾人ですか?」と……。日本人客が来ること自体想定していないようで、日本語メニューもありませんでした。
しかも3品も!

しかも3品も!

お通しのセンスが独特

お通しが出る制度がそれほど定着していない上海ですが、頑張って出しているお店も。某欧米人向けの和食屋さんで出てきたのはこの3点盛り。食前にかっぱ巻き……? と思いましたが、意外にいいかも。
店構えは和の雰囲気。こじんまりしていて素敵です

店構えは和の雰囲気。こじんまりしていて素敵です

店名が……

フランス租界エリアにあるこじんまりしたうなぎ専門店。鰻重やひつまぶしなどを揃える本格派のようですが、お店の名前が「大味」……。「大味のうなぎ」です。常連に日本人がいれば指摘してくれているはずですが……。

日系チェーンの現地化事情

日本でもお馴染みのチェーン店が現地向けに作った感満点のメニューを探してみました。食べたことがあるお店だけに、チャレンジしやすいと思います。
※2015年9月現在のお勧めです(メニューが変わることもあります)。
ナビのお勧めダントツ1位

ナビのお勧めダントツ1位

讃岐うどんチェーン

上海でも大人気の讃岐うどんは、ほかのジャンルのチェーン店に比べて柔軟に現地化しているイメージがあります。なかでもナビがハマっているのは「丸亀製麺」の「麻辣牛肉麺」。山椒のしびれる辛さが特徴で、トッピングに香菜(パクチー)をたっぷりのせるのが上海流。味の決め手は「花椒油」です。ナビは丸亀製麺で「花椒油」の存在を知り、自宅での料理にも使うようになりました。厨房内が見えるお店ならではの収穫です♪

「はなまるうどん」では「海鮮酸辣烏冬(海鮮サンラーうどん)」を食べてみました。カラ付きのエビをのせるセンスは中国ならでは。豚骨ベースのスープに辣油とお酢を入れたすっぱ辛いスープでした。
「丸亀製麺」が入っているモールはここ↓
「はなまるうどん」があるモールはこちら↓
牛丼チェーン

「うなぎ丼や豚丼は上海ならでは?」と思ったら、日本にもあるんですね。ということで、日本のメニューになかったもののなかでナビがお勧めをご紹介。「すき家」の「泡椒竹笋牛丼(タケノコの青唐辛子漬け牛丼)」です。これ、見た目からはわからないかもですが、お腹が熱くなるほどの激辛牛丼なのです。中和するために、サイドメニューの「鹵蛋(中華風煮卵)」も付けました。お試しを。
見た目に反し激辛! タケノコの下に牛肉があります

見た目に反し激辛! タケノコの下に牛肉があります

中華風味の煮卵です

中華風味の煮卵です

「すき家」が入っているモールです↓
肉松を上にトッピングしたパンです

肉松を上にトッピングしたパンです

ベーカリー

日系ベーカリーが人気の上海ですが、上海人にとってパンの具材と言えば「肉松(干した牛肉を削ってふわふわにしたもの)」。ヤマザキのベーカリーはこれを取り入れています。人気商品のようで売場面積も広め。この肉松、肉なのに微妙に甘く、独特の匂いがあります。日本人で「肉松が好き」という人にナビはまだ遭遇したことがありません。臭豆腐と同等に日本人に嫌われている食べ物かも。興味がある方は挑戦を。
「ヤマザキ」が入っているモールです↓

上海らしいおにぎりや手巻が増加中

上海らしいおにぎりや手巻が増加中

<番外:コンビニグルメの進化型商品>

おにぎりや手巻など、和食ベースのコンビニグルメが多い上海。なかでもアレンジ度が高いローソンでいろいろ探してみました。
違和感なく食べられたのはすき焼きおにぎり。牛丼みたいな具がけっこうたっぷり入っていました。新疆料理で使うクミン風味のチキンおにぎりは好き嫌い分かれそう。ベーコンチーズ手巻は、もう少しベーコンに香ばしさがあったら意外に日本でもウケるかも?
すき焼きおにぎり

すき焼きおにぎり

チキンのクミン焼き入りおにぎり

チキンのクミン焼き入りおにぎり

ベーコンチーズ手巻

ベーコンチーズ手巻


いかがでしたか? 普段、「日本人から見て上海でいちばんおいしいと思う日本料理店は?」と、上海人の知人によく聞かれるナビ。でも、率直に教えると、「え? あの店? 本当に?」と信じてくれなかったりします……。そんなとき、日本人と上海人では和食に求めるものが違うんだな〜と実感します。「旅先で和食?」と思うかもですが、海外で「日本にはない日本料理」を食べるのもおもしろい体験になりますよ。
以上、上海ナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2015-10-08

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