自由気ままな観光地めぐりにぴったり! 屋根なし2階建てバスから上海の街並を眺めよう。
こんにちは、上海ナビです。
ツアーではなく、自力で観光地めぐりを楽しみたい! と考えている方は、どの交通手段でまわろうかとあれこれ計画を練っているのではないでしょうか。ナビだったら、「タクシーはまず言葉がダメなのでNG。バスは路線が複雑そうだし、やっぱり地下鉄かな」と結論を出すかも。でも、上海には旅行者向けのオープントップバスという選択肢もあるんですよ。地下鉄では車窓の風景が楽しめませんよね。2階建てバスなら、移動しつつ街並見学も楽しめちゃいます!
オープントップバス基礎知識
エンジ色の二階建てバスです
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どんなバス?上海には、オープントップバスと呼ばれる相乗り観光バスが二つあります。一つは、中国系旅行会社・春秋が運営する「都市観光(CITY SIGHTSEEING)」(赤のバス)。もう一つは、ロンドン、ドバイ、アブダビ、ブダペストなどの都市でも人気を得ている「BIG BUS TOURS」(エンジ色のバス)。今回ご紹介するのは後者のほう、「BIG BUS TOURS」です。こちらのほうが路線数、バス停数が多く、日本語の詳細マップももらえるのでビギナーさん向けなんです。
こんなラッピングバスも(時期、車体によって柄は異なります)。目印は「BIG BUS TOURS」の文字
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こちらは春秋旅行社のバス。明るい赤の車体です
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ルート名はフロントガラスの上の電光掲示板に表示されます
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ルートと時間「BIG BUS TOURS」のルートは3つ。上海の定番観光地をすべて網羅しています。ただ、各路線とも時刻表はありますが、渋滞など当日の交通状況によって各バス停の発車時刻は異なるよう。「30〜50分間隔で運行している」と考えればいいかも。また、降りずに一周した場合はどの路線も約一時間の乗車時間となります。
※以下、各ルートに付いている番号はバス停番号です。各路線の乗り換え地点は下の地図を参照して下さい。
<RED ROUTE> 9:00-20:00(冬期〜17:00)
1、南京路→2、人民広場→3、上海美術館→4、南京路歩行者通り→5、外灘A(外灘観光トンネル)→6、外灘B→7、十六鋪浦江遊覧碼頭(黄浦江クルーズターミナル)→8、豫園→9、新天地→1、南京路
<BLUE ROUTE> 9:45-17:15
10、外灘A(外灘観光トンネル)→11、外灘B→15、十六鋪浦江遊覧碼頭(黄浦江クルーズターミナル)→14、老碼頭→13、上海環球金融中心と金茂大厦→12、東方明珠→14、老碼頭→15、十六鋪浦江遊覧碼頭(黄浦江クルーズターミナル)→11、外灘B →10、外灘A(外灘観光トンネル)
<GREEN ROUTE> 9:15-16:45
21、玉仏寺→22、上海美術館→16、南京路→17、上海博物館→18、淮海路→19、静安寺→20、ザ・ポートマン・リッツ・カールトン上海→21、玉仏寺
バスに乗る前にこんな地図がもらえます。各バス停の場所は、〇〇ホテル正門前、新天地のスターバックス前など日本語で詳しく書いてあるので安心でした。ナビは初めての利用でしたが、見つからないバス停はありませんでしたよ。
実際に乗ってみました!
必ずプリントアウトを。画面での表示では乗車券と引き換えられません
では実際にどんなバスなのか、早速乗りに行ってみました。ナビが予約したのは「48時間プレミア券」。メールでEチケットが届いたらプリントアウトしてから上海に出かけましょう。プリントした紙自体が引換券として回収されます。旅先での余計なトラブルを避けるために、必ず日本でプリントアウトしてから出発して下さい。
→予約フォームです。
始発バス停はこんな感じ
バスの始発は南京路、外灘A、玉仏寺の3ヵ所のバス停です。人民広場エリアのホテルに滞在していたナビは、南京路のバス停から出発することにしました。地下鉄1、2、8号線「人民広場」駅19号出口を出たところにある老舗デパート「新世界」のすぐ前にバス停が。すぐ見つかりました!
名前などを確認後、発券してくれます。その場で基本事項の説明も(英語)
まずはバス停の係員にEチケットを渡します。すると、チケット、地図、イヤホンが手渡されました。チケットはレシートのような感光紙で、ナビが予約した「48時間プレミア券」には玉仏寺拝観券、金茂大厦展望台入場券、黄浦江クルーズ1時間無料券も含まれていました! 係員が英語でクルーズの乗り場や出航時間、日本語の地図が必要かどうかなどを説明してくれます。わからないことがあればここで最初に全部聞いておきましょう。
※2013年8月1日よりチケット引換所がバス停ではなく、「ハワードジョンソンホテル(古象大酒店)前」に変更になっておりますので、ご注意ください。
バスの中はこんな感じ。各国の観光客が乗り降りする相乗りバスといった感じです。ワンマンバスで、運転手さんは英語NGのよう。
一階席はエアコン付きの室内席です
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運転席
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2階席。前方だけに屋根があります
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全体に幌が付いているバスも
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それでは上海観光に出発! 皆さん行きたいところはバラバラだと思いますので、ここでは乗り方、降り方、乗り換えの仕方を中心にご紹介しますね。
乗るときに乗車券のこの部分を運転手さんに見せます
<乗り方>「BIG BUS TOURS」の表示のあるバス停で指定のバスに乗ります。乗るときはEチケットと引き換えにもらった乗車券(レシート状のもの)を運転手に見せればOK。時間内なら何回でも乗れます。首から下げるパスケースなんかがあると便利かも。
バスはレッドルートが30分間隔、ブルールートが45分間隔、グリーンルートが40〜50分間隔で運行しています。ただし渋滞などで遅れることも。ナビは各バス停で5〜10分待ちました。
目的地で確実に降りるには、早めに出口周辺に行くことがポイント
<降り方>降りる予定の一つ前のバス停に着いたらバスの一階へ移動を。運転手さんが「次、降りますか?」と聞いてくれます(中国語)。降りたら、その降りた地点をしっかり覚えておいて。たいていは降りたバス停に戻れば循環してくるバスに乗ることができますが、一部、バス停自体がない降車ポイントがあるんです(上海環球金融中心と金茂大厦のバス停など)。この辺は今後改善してほしいなぁ……。とりあえず、「降りた地点を覚えておく」という方法でがんばりましょう。
乗り換え可能なバス停にはスタッフ(赤い服)がいます。全員英語OK
<乗り換え方>レッドルートからブルールートへの乗り換えは外灘A、外灘B。レッドルートからグリーンルートへの乗り換えは、南京路、上海美術館のバス停でそれぞれ乗り換えができます。乗り換え可能なバス停には英語OKの係員がいるので、わからないことを聞ける地点としても覚えておくといいかも。
外国人観光客向けの乗り合いワンマンバスと思えばカンタンですよね。2階の座席からはこんな風景を楽しむことができました。
外灘の歴史建築群
南浦大橋
陸家嘴の高層ビル群
東方明珠の根元をぐるり
ハイソな街並の新天地付近
特典を使おう!
「金茂大厦」のチケット売り場
今回ナビが予約した「48時間プレミア券」には、観光地の入場券が付いていました。まずは一つ目の「金茂大厦」の88階展望台。展望台入り口(地下)のチケット売り場に先ほどのレシートみたいな乗車券を出すと、その部分を切り取ったものと入場券が受け取れました。
こんな風景を一望できます!
正面左手にチケット売り場があります
特典二つ目の玉仏寺は、境内への入場券とこのお寺の本尊が安置されている別料金制の「玉仏楼」入場券の二枚付き。境内への入場券はお寺の入り口で引き換え、玉仏楼の入場券は境内の奥にある玉仏楼入り口のチケット売り場で引き換えます。
船着き場の様子
特典三つ目はなんと黄浦江クルーズ! 乗り場は十六鋪浦江遊覧碼頭(黄浦江クルーズターミナル)のバス停を降りた左手です。「松鶴楼」というレストランのさらに左手にある「501号」の入り口を半地下に降りると、左手にチケット売り場が。そこで乗船券と引き換えることができます。船の出発時間は一日約5回。Eチケットとバスの乗車券を引き換える際に係員がチケットに出航時間を書いてくれます。その時間を目指して船着き場へ行けばOK。乗船と下船の場所は同じです。
※「上海ナビ」内で紹介しているほかの黄浦江クルーズの乗船地点とは異なるので気をつけて下さい。
ナビは昼クルーズをチョイス。絶景です!
夜出発する船もあります。夜景を見たい方はこちらへ。ただし、帰りのバスは終了している場合があるので、下船後の移動法を考えておきましょう
ナビ流「オープントップバス」を楽しむコツ
今回初めてこのバスを利用してみたナビ。良かったところ、正直微妙だったところを踏まえて楽しみ方をまとめてみました。
フットワークの軽そうな一人旅の外国人が目立ちました
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少人数で気ままに!1〜2人で「風まかせのぶらり旅」をしたい人にはぜひオススメ。バスが遅れたらバス停近くの知らない店に入ってみたり、間違ったバス停で降りてしまったらその界隈を迷いつつ歩いてみたり。そんな予定外の旅を楽しめる人向きだと思いました。また、日本人向けのツアーバスではないので、世界各国、中国各地からの観光客と相乗りになります。この状態にワクワクする方なら思い切り楽しめるはず。英語力、中国語力は多少必要です。
ナビが利用したのは10月。絶好のオープンバス日和でした!
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暑さ&寒さ対策を万全に「オープントップバス」のベストシーズンは春と秋。何しろ屋根がないのですから、夏は日焼けと熱中症対策、冬は防寒対策必須です。1階は室内でエアコンも効いているのですが、醍醐味はやっぱりルーフトップから眺める街並。季節を選んで行くのも楽しむコツです。
いいお店の宝庫だけどちょっと遠い老碼頭
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隠れハイライトは老碼頭と南浦大橋豫園や外灘などの有名観光地は交通の便も良くて、繁華街からも近いですよね。でも、地下鉄の駅からも遠くて町はずれにある老碼頭は自由旅行の皆さんにとってなかなか足が向かない場所なのでは? ナビはこの機会にのんびり食事やお茶を楽しんでしまいました。また、橋桁の高い南浦大橋は、バスの2階席に座って渡るとかなりスリリング! はるか下の黄浦江まで何の柵も手すりもない感覚が楽しめます。高所恐怖症の方は1階に移動を。
高い高架をぐんぐん登ります。上半身が外というだけでスリル満点
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橋の真上からの風景。遠くに万博会場の跡が見えました
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始発バス停近くのホテルを予約しようEチケットの引き換えができる始発バス停は、南京路(今回ナビも利用しました!)、外灘A、玉仏寺。「オープントップバス」メインの旅にするなら、このバス停に近い人民広場か外灘エリアのホテルに滞在することをオススメします。例えば、新天地や静安寺エリアのホテルに滞在したとします。その場合、そのエリアのバス停では乗車券が受け取れないため、始発のバス停までEチケットの引き換えに行かなければなりません。そこまでの交通はタクシーや地下鉄を使うことになります。
南京路バス停まで徒歩3分圏内ホテル↓
外灘Aバス停まで徒歩3分圏内ホテル↓
各入場券引換所でナビはしっかり値段をチェックしました。かなりお得なチケットです
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「48時間プレミア券」はかなりお得!旅先ですぐにツアーのコストを計算してしまう方、計算してみてトクだとわかるとうれしい方は、ぜひ「48時間プレミア券」に付いている特典の入場料がいくらなのか調べてみて下さい。黄浦江クルーズは実際にその場でチケットを買うと128元、金茂大厦の入場料は120元。これだけでもう日本円で3000円超えてますよ!? プラス2日分の交通費ですからかなりお得なのです。
いかがでしたか? どこで降りてどこでランチやディナーを食べるか、全区間降りないでまわってみたらどうか、クルーズは夜にするか昼にするかなど、いろいろ考えつつ利用したナビ。「バスが時間通りにこない」というネックはあったものの、移動しつつ計画を立てているとあっという間に凝縮の48時間が終わってしまいました。皆さんはこの「オープントップバス」、どんなふうに使ってみたいですか?
以上、上海ナビがお伝えしました。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2012-11-27